いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

2010年08月

親の家に増築して住む

【質問】
結婚を機にマイホームを購入したかったのですが、どうにも予算が足りません。
そこで、両親の家に私たち夫婦の居住区間を増築することにしました。ハウスメーカーからの見積もりを見て、これなら何とかなりそうです。
税金の面で何か注意することがあったら教えてください。

【回答】
子が支払った増築費用を親が支払っていない場合、親は子から増築費用相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。
また、増築資金に相当する建物の持分を親から子へ移転させ「共有」することで贈与税はゼロにできますが、移転した持分は子に譲渡したものとみなされ、子に所得税が課税されます。



 サラリーマンの平均年収が10年連続で減少している今、一昔前に「夢のマイホーム」といわれていたマイホームが夢のままで終わる人も増えているかもしれません。

 ご相談の方のように「親の住宅を増築して住む」というケースも増えてくることかと思います。

 このケースでは思わぬ税金が発生することになるので気を付けたいところです。


 親名義の建物に子が増築をすると、その増築部分については、民法上、建物の所有者である親の所有物となります。

 このとき、親が子どもに対して増築費用を支払っていなければ、親は子から増築費用相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。


 なお、子が支払った増築資金に相当する建物の持分を親から子へ移転させ「共有」とすることで贈与税をゼロにすることは可能です。

 しかし、この場合、親が建物の持分の一部を子に譲渡したものとみなされ、移転した持分に相当する金額が譲渡所得として課税対象となります。

 住宅の持分を「共有」とすることが親から子への譲渡にあたるのであれば、親の譲渡所得について「居住用財産を譲渡した場合の3千万円の特別控除の特例」が使えそうな気もするのですが・・・

 実は同特例、売手と買手の関係が「親子や夫婦など特別な間柄」である場合には適用できないとされているため、このケースでは適用できません。


 ご相談の方のような場合、ハウスメーカーや工務店から、細かい税務について十分な説明をされないまま、家を建て始めることが多いように感じます。
 親子間では話し合いが早く済むため、さっさと行動に移す方が多いからかもしれませんが、親子間であるからこそ、税務には細心の注意が必要なのです。

 ご心配な点がございましたら、ぜひ税理士等の専門家にご相談ください。


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(つぶやき)電車の中の広告

以前のブログに、電車内の広告スペースが空いてる、という記事を書きました。

それから数ケ月。
夏になってますが、私が仕事で良く乗る電車の広告スペースは、まだかなり空いてます。


更に良く見ると、その電車会社の案内が広告スペースで掲示されてます。


ということは、更に実質の広告掲示数は、減っているのかもしれませんね。

(つぶやき)税金は高い?!

税金払うのって、大変だよね?
税金って、何でこんなに高いの?


雑談で聞かれる質問のトップです。


そして、税金が高いという質問について。


税金が安い!という質問は、ほぼ皆無ですから(^-^;)、税金は高いと思われるのが普通かもしれません。


実際にその方にとって本当に高いかどうかというよりは、予定してなかった支払いのストレス、と私は解釈してます。


儲かってる利益があれば、税金もそれに比例して発生するのが基本です。


ただし、消費税は少し考え方が違うので、少し注意が必要ですね。

(つぶやき)税金のために?!

税金用の預金をしている社長がいます。

消費税納税分程度を別口座で保管する、といった意味合いです。


やはり消費税の納税は、会社経営で金額が大きい税金ですよね。

通常の運転資金とは別口座で税金用資金を保管すること。
個人的にはお奨めします。

育児休業終了後の保険料優遇制度

【質問】
育児休業を取っておりましたが、子どもを保育園に預けるメドがたったため職場に復帰します。
ただ、子どもがまだ小さいため短時間勤務を行っています。
給与がかなり下がってしまうため、育児休業前の高い水準の社会保険料などを支払うのが正直、かなりきつい状況です。

【回答】
育児休業から職場に復帰した際には、社会保険料や給付の面で不利にならないような特別措置があります。


 保育園の待機児童が社会問題化する中、子どもの出産時期によっては育児休業を目一杯とらずに保育園探しをはじめ、メドがついたらば復職するご相談の方のようなケースが増えています。

 このような場合、短時間勤務や残業をしない勤務形態を取ることも多いでしょう。給与額が減ることもあります。


 社会保険では、保険料や給付面で本人に不利にならないような制度が設けられています。

■保険料:育児休業等終了時月額変更届
 社会保険の被保険者が育児休業を終了し、本人の申し出で短時間勤務等や残業免除等を行い休業前に比べて賃金が変動した場合(育休の対象の子を引き続き養育し、3歳未満である場合)は、報酬変動が随時改定(月額変更届)に該当しない時でも、標準報酬の改定を申し出る事ができます。

 改定は育児休業終了月の翌日の属する月以後3カ月のうち支給基準日数17日以上の日の平均額を計算します。

 随時改定と異なり、固定的賃金の変動を伴わない場合や、従前の標準報酬月額との差が1等級であっても適用となります。

 改定が1月から6月にあった場合はその年の8月まで、7月から12月にあった場合は翌年の8月まで適用されます。

■給付面:厚生年金養育期間標準報酬月額特例申出書
 3歳未満の子を養育する被保険者又は被保険者であった人で養育期間中の各月の標準報酬月額が養育期間開始月の前月の標準報酬を下回る場合、申し出により、従前の標準報酬で将来の年金額が計算されるような特例措置を受けることができます。

 申請には子の生年月日や本人との身分関係が明らかになる戸籍抄本等と、養育確認のための住民票の写し等が必要です。


 ちなみに、住民税にも徴収猶予の制度があります。
 育休をとる本人の申し出により、休業中の1年以内の期間、一時に納税するのが困難であると市区町村の長が認める場合、その間は徴収免除されます。

 住民税は復帰後に延滞金とともに納税しますが延滞金は2分の1相当額(市区町村によっては全額)が免除されます。


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