いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

2016年08月

「平成27年度 査察の概要」発表。まるでドラマ?!

【ポイント】
国税庁が「平成27年度 査察の概要」を発表しました。
平成27年度における査察の着手件数は189件、脱税額は総額138億円だったことがわかりました。
その他、脱税の手口や脱税によって得た不正資金の使い道や隠し場所なども公表されています。



国税庁が「平成27年度 査察の概要」を発表しました。
「査察」とは、適正・公平な課税の実現等を目的として、悪質な脱税者に対して刑事責任の追及を行うものをいいます。

平成27年度において査察に着手した件数は189件、このうち検察庁に告発した件数115件(63.5%)
脱税額は総額138億円(告発分は112億円/告発1件あたりの脱税額9,700万円)

平成27 年度に告発した査察事案で多かった業種・取引は、「建設業」、「不動産業」、「クラブ・バー」、「機械器具卸」など。
また、その事業活動自体に違法または不当な行為が含まれるとして、社会問題化した業種(ネットワークビジネスと称したいわゆる「マルチ商法」「投資詐欺」など)についても積極的に告発した、といいます。

気になる?!脱税の手段・方法は、売上除外や架空の原価・経費の計上が多くみられたほか、

・多額の利益がありながら、故意に税を免れようとして、法定申告期限までに申告書を提出しなかったことから、単純無申告ほ脱犯(平成23年度創設)を適用したもの
・輸出取引を装い、国内における架空の課税仕入とこれに見合う架空の輸出免税売上を計上する方法で不正に還付を受けていた(未遂も含む)ことから、消費税受還付未遂犯(平成23 年度創設)を適用したもの<※輸出免税売上に対応する課税仕入の消費税が還付になることを悪用
・複数の納税者に脱税を持ち掛け成功報酬を得ることを業とする、いわゆる脱税請負人に依頼して不正を行っていたもの
などが挙げられます。
脱税請負人に依頼しておそらく多額の報酬を払った上に刑事罰を受けることになったら、自業自得とはいえまさに「踏んだり蹴ったり」ではないでしょうか?!

脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金、有価証券として留保されていたほか、絵画や高級車の購入、ギャンブルなどの遊興費、特殊関係人(いわゆる「愛人」など)に対する資金援助などに充てられていた事例もみられました。
また、不正資金の一部が海外の預金口座で留保されていた事例もありました。

脱税によって得た不正資金の隠匿場所はさまざまですが、
・居宅のクローゼットに置かれたバッグの中に現金を隠していた
・居宅階段下の物置に積まれた段ボール箱の中に現金を隠していた
・契約したトランクルームに保管された段ボール箱の中に現金を隠していた
という事例が挙げられています。
出てくるのかどうかもわからない現金を探すわけですから、まるで探偵のようだわ!といつも驚きます。

今回の記事は国税庁のプレスリリースを参考に作成いたしましたが、このプレスリリースを見ているだけでもドラマの元ネタ?!のように思えました。
適正申告・納税をしている方には、びっくりされるような内容かもしれませんね?!


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信任状捧呈式の馬車列運行

いずみ会計のある千代田区には、意外とたくさんの名所があります。
その代表的なものといえば、なんといっても皇居
今日は、夏休みに皇居前広場で見ることのできる素敵なイベントをご紹介いたします。

皆様は「信任状捧呈式」をご存知でしょうか?
信任状捧呈式とは、特命全権大使および特命全権公使が派遣国の元首から託された信任状を接受国の元首に提出する儀式のこと(Wikipediaより)だそうです。
わが国では、この儀式は皇居で行われます。

日本へ新たに赴任した国の大使(外交官)は、待機場所の明治生命館から皇居宮殿南車寄せまで自動車か儀装馬車を選ぶことが出来ることになっているそうです。
新任大使の送迎に馬車を利用している国は、世界的に見ても英国やスペインなど数カ国だそうですが、日本の場合、自動車より馬車を希望する大使が多いといいます。

その儀装馬車が通る様子を、皇居前広場で見学することができます。
皇居前広場を馬車が通過する時間は、
平成28年8月10日(水) 午前10時5分頃(1回目)・午前10時30分頃(2回目)の2回です。

160805大使捧呈式
(画像は「千代田区観光協会」まちブログより拝借いたしました)

大使の送迎に使用する儀装馬車は、二頭曳き座馭式(ざぎょしき)と呼ばれるもので、豪華だけど気品のある素敵な馬車です。
そのほとんどが明治の終わりから昭和の初めに製造された、美術品的価値も高いようです。

「信任状捧呈式」自体をご存知の方があまりいらっしゃらないためか、意外とすいていて見やすい(昨年)のもポイントが高いです!

東京の真ん中で、おとぎ話のような素敵な光景が見られること間違いなし?!
時間をとって、あるいはお仕事の合間に?!見学してみてはいかがでしょうか?


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オススメ書籍「不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣」

今日は、いずみ会計とご縁のある武神 健之さん(産業医・一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事)の著書「不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣」(産学社)をご紹介いたします。
1608057つの習慣
著者の武神 健之さんは産業医として1年間に約1000人の方々と面談されている方です。
その中で「同じような環境にあっても、メンタルが不調になる方とそうでない方がいる」ということに気づいたそうです。

メンタルが不調にならない人は、不安などのネガティブな気持ちにどう対応しているのか?日々のストレスにどう対処しているのか?メンタルが不調になる人との違いは何なのか?

こうしたことに注目しながら面談を続けているうちに、
「メンタルが不調に陥らない人たちに共通している習慣が、7つに集約できることに気づいた」
といいます。

この本は、不安やストレスにうまく対処している人たちに共通する7つの習慣について、詳しく解説されています。
好きなことをする、体を動かす、人に話すなど、7つの習慣が紹介されていますが、ただ漠然とそれをするのではなく、こういう理由だからよい、やるならこうするのが効果的である、といった理論的かつ具体的な紹介のされ方なのでわかりやすいです。
一つ一つの例がわかりやすいので、できるところから取り入れられるのもうれしいポイントです。

確かにビジネスで成功している方は、大忙しでストレスフルな生活を送っていそうなのに、どこかに余裕が感じられる方が多いような気がします。
確かに不思議ですが、その謎を解く鍵が、ちょっとした日常の習慣なんだろうな、と思いました!

■不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣
武神 健之(著)/産学社/2015年
※アマゾン1位獲得!【ストレス・心の病気部門】
▼ご購入はこちらから▼(Amazonへのリンクです)
http://bit.ly/kt7habs


■一般社団法人 日本ストレスチェック協会さんのHPはこちら▼
https://jsca.co.jp/
※無料で厚生労働省が示す標準的9質問のストレスチェックテスト、メンタルヘルス健診を実施中!
ストレス対策やメンタルヘルス対策の分野において、人と企業の意識の役割に関する研究・教育・普及啓発活動を行っています。

「税務調査」と「査察」、何が違うの?

【質問】
税務調査と査察、違いは何ですか?

【回答】
「税務調査」とは、一般的に、国税局や税務署の職員が納税者の事務所や事業所等に赴き、申告内容の確認などを目的として国税通則法に基づく質問検査権を行使して行う任意調査のことをいいます。
一方「査察」は、一般の税務調査とは別に、特に大口・悪質な脱税をした者に対して、税金を納めさせるだけではなく、懲役または罰金という刑罰を課すために行われる特別な捜査のことをいいます。



税務調査は、申告内容が正しいかどうかを帳簿などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、是正を求めるものです。
国税局や税務署の職員が納税者の事務所や事業所等に赴き、申告内容の確認などを目的として国税通則法に基づく質問検査権を行使して行う任意調査のことを、俗に「税務調査」と言われることが多いかと思います。

税務調査の場合、原則として、納税者(及び税務代理権限証書を提出している税理士)に対し調査の開始日時・開始場所・調査対象税目・調査対象期間などを事前通知します。

税務調査の際には、質問検査権に基づく質問への回答、調査担当者の求めに応じた帳簿書類などの提示又は提出などが求められます。
場合によっては、納税者の承諾を得た上で、調査担当者が、提出された帳簿書類などを預かることもあります。(その際には、預り証が発行されます)

税務調査で申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、調査結果の内容(誤りの内容、金額、理由)を説明し、修正申告や期限後申告(以下「修正申告等」といいます。)が勧奨される、というのが大まかな税務調査の流れになります。

これに対して、一般の税務調査とは別に、特に大口・悪質な脱税をした者に対しては、税金を納めさせるだけではなく、懲役または罰金という刑罰を課すための特別な調査を行います。
これが査察調査(いわゆる「査察」)です。
査察は、国税庁と国税局に配置されている国税査察官(俗に言うマルサ)があたり、税務調査と違って強制捜査になるというのも特徴です。

査察の大まかな流れは、まず脱税情報の収集し、その内容を検討します。
査察が必要となった場合は裁判官へ許可状を請求し、査察対象の事務所や居宅などの「強制捜査」を行います。
捜査の際には、証拠物件の差し押さえ、質問調査等も行うことがあります。
査察書類をまとめて検察官へ告発すると、検察官の捜査がはじまります。
その後、裁判所へ起訴を経て判決が下されるというのが大まかな流れになります。

査察は言うに及びませんが、基本的に任意調査である税務調査も、業務の貴重な時間を割いて対応することになりますので、日ごろから適正申告・適正納税を心がけたいですね。


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