いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

2019年01月

消費税10%のマイホームは住宅ローン控除が3年延長?!-平成31年度税制改正大綱

【ポイント】
個人が、消費税率10%が課税された住宅の取得等をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間にその方が住み始めた場合について、住宅借入金等がある場合の所得税額の特別控除の特例が創設される見通しです。

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2019年10月1日に消費税率が引き上げられます。そうなると「大きな買い物は消費税が上がる前に!(2%の消費税も高額ですから!)」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで、平成31年度税制改正大綱には、住宅に対する税制上の支援策として、マイホーム購入時の消費税増税に対する特別控除の施策が盛り込まれました。

個人が、消費税率10%が課税された住宅の取得等(=マイホームの新築、マイホームとして建売住宅や中古住宅購入する、マイホームの増改築など)をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間にその方が住み始めた場合について、住宅借入金等がある場合の所得税額の特別控除の特例が創設される見通しです。

現行の制度では、マイホームを購入された一定の方については、いわゆる「住宅ローン控除」の適用を受けることができます。
新しい制度では、適用年の1年目から10年目までは、現行と同様の金額を控除できる上に、適用年の11年目から13年目まで、さらに所得税額の特別控除を受けることができることとされています。
金額は次の通りです。

(1)一般の住宅(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅以外の住宅)
次のいずれか少ない金額
①住宅借入金等の年末残高(4,000万円を限度)×1%
②(住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等)(※)×2%÷3
(※)4,000万円を限度とする

(2)認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅
次のいずれか少ない金額
①住宅借入金等の年末残高(5,000万円を限度)×1%
②(住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等)(※)×2%÷3
(※)5,000万円を限度とする
なお、東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除額にかかる特例の対象となる再建住宅については、①の割合は1%ではなく1.2%に引き上げられる。

11年目以降の住宅借入金等年末残高、合計所得金額、居住状況等によっては、引き上げられた消費税率2%相当の控除を受けられない可能性もある特例ではありますが、居住開始から11年目となると、自宅のメンテナンスが必要になってくる頃でもあります。
そのときに引き続き、少なからぬ税額控除の恩恵が受けられることは、家計という面から見るとメリットが感じられるように思います!

なお、与党の税制改正大綱とは、与党が税制調査会を中心に翌年度以降にどのように税制を変えるべきかを話し合い、まとめたもので、政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出するものです。したがって、現段階では法制化されたものではありませんので、今後の審議の行方にご注目ください。


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経営判断に失敗した場合―お客様(A社)のケース

ありがたいことに、いずみ会計はお客様に恵まれ、中小企業ながら成長を続ける会社が少なくありません。
こうした会社の成功の秘訣を、折を見て少しずつご紹介していきたいと思います!

成功の秘訣、といいつつも、業務範囲を拡大するなど新しいビジネスをはじめるにあたっては、失敗のリスクもあります。今回はその失敗の事例についてご紹介いたします。

コンピューター関連機器販売を手がけていたA社は、順調に業務を拡大し、お客様のニーズに答えてハードウェアを販売しつつ、システム開発の提案が同時にできるよう業務の範囲を拡大していきました。

当初、システム開発は小さな案件を下請けしていましたが、徐々に自社で直接、システム開発を受けるようになったようです。「リスクは大きいものの、リターンも大きいから」という経営判断からです。

自社で直接システム開発を請け負うようになってからもシステム開発の依頼は途切れず、徐々に大きな案件も受けるようになってきました。
自社SEだけでは開発が追いつかず、外部のSEに外注するなど、かなり大掛かりに開発を行なっていましたが、ここに落とし穴が待っていました。

システム開発は、上手くいけばリターンが大きいのですが、上手くいかなかった場合は、トラブルの対応に苦慮することがあります。最悪のケースだと、やり直さなければならないリスクもあります。
あるシステムの開発で、取引先に追加請求できない費用がかさみ、大きな損失がでてしましました。
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こうなった原因はなんだったのか。
社長の責任として感じたことは、最初の営業の時にどこまでがシステム開発の範囲かの線引きがあやふやだったこと、追加依頼された作業のボリュームを読み誤り、追加金額の見積もりが甘かったため、結果として追加金額がゼロで対応せざるを得なくなるなどが重なり、損失が大きくなってしまったようです。

そこで、大きな損失がでたのを機会に、大規模なシステム開発は中止し、クライアントのニーズにあった小さなシステムの開発に特化しつつ、従来のハードウェア販売を続ける方向に舵を切りなおしました。

大きな失敗をしたときは、まず社長(会社)の責任で何が問題だったのか、分析することが重要です。
その上で、改善できることであれば改善して事業を継続すればよいのですが、改善が望めないのであればその業務は思い切ってやめる、ということも社長の決断にかかってきます。
また、大きな損失がでた後は、その損失を挽回するための柱を考えることも大切です。
A社のように、これまでの経験から手堅い業務を柱にするなど、これも社長の決断になりますね。


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国税庁からの連絡を装った不審なメールにご用心?!

【ポイント】
「所得税に関する重要なお知らせ」などの件名で、国税庁からの連絡を装った不審なメールが送信されています。税務署からのお知らせは定型文が定められており、添付ファイルが添付されることもありません。不審なメールにご注意ください。

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年明けは、個人の確定申告の準備に追われている方も多いかと思います。

しかし最近、「所得税に関する重要なお知らせ」などの件名で、国税庁からの連絡を装った不審なメールが送信されていることがわかり、国税庁は注意喚起をしています。

国税庁では、e-Taxの利用にあたり、メールアドレスを登録している方に対して、メッセージボックスに情報が格納された際などに、登録しているメールアドレス宛てに「e-Tax(国税電子申告・納税システム)‹info@e-tax.nta.go.jp›」の 送信元表記で、定型文の「税務署からのお知らせ」メールを送信しています。
また、「税務署からのお知らせ」メールには、添付ファイルが添付されることはありません。

定型文に当てはまらないものや、添付ファイルが添付された「税務署からのお知らせ」メールについては、「酷似又は偽装したメールであり、e-Taxから送信したものではない」とのことですので、注意してください。

万一、不審なメールを受信された場合は、メールを開封せずに削除するなど、取り扱いには十分にご注意ください。

※なお、税務署からのお知らせメールの定型文はこちらでご確認ください▼
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_oshirase_mail.htm

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お客様のニーズに合わせた業務範囲の拡大―お客様(A社)のケース

ありがたいことに、いずみ会計はお客様に恵まれ、中小企業ながら成長を続ける会社が少なくありません。
こうした会社の成功の秘訣を、折を見て少しずつご紹介していきたいと思います!

コンピューター関連機器販売を手がけていたA社は、まだパソコンの利用が一般的でない頃からハードウェアの販売を手がけ、Windows95のリリースを機に広がったパソコン需要の波に乗って順調に業務を広げていきました。

すると、ハードウェアを導入した取引先から、「既存システムでは使いにくい」システム開発の相談を受けることが増えてきました。
当時、システム開発を手がけていたのは大手のシステム会社が中心でした。
しかし、大手システム会社のシステムは非常に高価かつ総合的な機能を持つものが多く、導入したくてもコストが見合わない、使わない機能が多いなどの課題を感じるクライアントも少なくなかったといいます。

そこで、「既存システムでは満足できない、自社オリジナルのシステムがほしい。」というクライアントの要望にこたえて、手始めにオリジナルの給与計算ソフトと勤怠ソフトをつくり、相互に連動させるシステムを開発しました。
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こうしたことをきっかけに、A社はハードウェアを販売しつつ、システム開発の提案が同時にできるよう、業務の範囲を拡大していきました。

お客様のニーズにあわせて、業務の範囲を広げていくことはよくあることです。
業務範囲をどこまで拡大していくか、どのように拡大していくのか、は多分に経営判断に係わる部分です。
決断するときは決断することも重要です。


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平成31年度税制改正大綱、閣議決定

【ポイント】
「平成31年度税制改正の大綱」が閣議決定されました。消費税率の引き上げに伴う需要変動の平準化等の観点から、住宅に対する税制上の支援策などが盛り込まれています。



昨年12月21日、「平成31年度税制改正の大綱」が閣議決定されました。
今回は、その概要と傾向について、少しお話しいたします。

今回の税制改正大綱の背景として、2019年10月1日からの消費税率の引上げという大きなポイントがあります。
平成26年4月の消費税率引き上げの際には駆け込み需要の反動減といった大きな需要変動が生じ、景気の回復力が弱まることとなったという経験を踏まえ、需要変動の平準化等の観点から、住宅に対する税制上の支援策が講じられること、また車体課税について、地方の安定的な財源を確保しつつ大幅な見直しが盛り込まれました。

また、経済成長の果実を地方にも波及させていくために、地域経済を牽引する企業に対する集中的な支援等が講じられるとともに、都市・地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から、特別法人事業税(仮称)及び特別法人事業譲与税(仮称)の創設等が盛り込まれました。

このほか、森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設、国際的な租税回避により効果的に対応するための国際課税制度の見直し経済取引の多様化等を踏まえた納税環境の整備等を行うことも検討されています。

与党の税制改正大綱とは、与党が税制調査会を中心に翌年度以降にどのように税制を変えるべきかを話し合い、まとめたもので、政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出するものです。
したがって、現段階では法制化されたものではないものの、今後の税制がどのように変わっていくのかを見る上で重要な資料となります。

次回以降、その内容について詳しくお話ししていきます。


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