いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

2020年12月

そもそも「税制改正大綱」って何?

【ポイント】
税制改正大綱(税制改正の大綱)とは、各省庁から上がってきた税制改正の要望を与党の税制調査会を中心にまとめ、翌年度以降の税制改正の方針をまとめたものです。「税制改正の大綱」が閣議決定され、これをもとに法案が作成され、翌年2月に審議されることとなります。

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令和3年度税制改正の大綱が、12月21日に閣議決定しました。
この時期になると「そろそろ税制改正大綱が出るな」などと思うものですが、そもそも「税制改正大綱」って何なのでしょうか?

税制改正は毎年行われています。
その範囲は個人の所得税から法人税、資産課税(相続税や贈与税など)、消費税、関税、税務上の手続き…などなど、かなり幅広い範囲で毎年どこかが変わっています。
「毎年どこかが変わっている」と漠然と言われても困ってしまいますよね。

そんな時に役立つのが「税制改正大綱」です。
「税制改正大綱」は、次年度はどんな税制改正が行われるのかの方針をまとめたものです。

税制改正大綱はどのようにしてできるかというと…
まず各省庁から税制改正の要望が出されます。
与党の税制調査会を中心に、こうした要望を受けて翌年度以降の税制改正の方針をまとめて「税制改正大綱」を作ります。

大体、与党の税制改正大綱が先に発表され、これをもとに「税制改正の大綱」が閣議決定される、という流れが一般的です。(与党から出されるものは「税制改正大綱」、閣議決定されるものは「税制改正の大綱」といわれます)

その後は税制改正の大綱をもとに法案が作成され、翌年2月に改正法案が国会で審議されます。
審議された法案は3月に成立し、4月から新しい税制が施行されるという流れが一般的ですが、税制改正大綱の段階で施行時期が遅めに予定されているものは、法案成立が遅くなることもあります。

税制改正大綱は、次年度の税金関連の法律がどう変わるのかをチェックするために、私たち税理士にとっては極めて重要な情報です。

また、後々施行される可能性が高いとはいうものの、税制改正大綱の時点ではあくまでも「法案のたたき台」といった状態であり、決定事項ではない点は注意が必要です。

12月21日に閣議決定した「税制改正の大綱」の詳細については、年明けから詳しくご説明していきます!

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令和3年度税制改正の大綱、閣議決定

【ポイント】
12月21日に税制改正の大綱が閣議決定しました。家計と民需を下支えするための施策やポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現するための税制上の措置などが盛り込まれています。

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令和3年度税制改正の大綱が、12月21日に閣議決定しました。

令和3年度の税制改正の大綱は、家計と民需を下支えするため、固定資産税の評価替えへの対応、住宅ローン控除の特例の延長などが盛り込まれました。
また、中小企業の経営資源の集約化による事業再構築を促す措置や、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現するために、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置が創設されました。

主な項目は次の通りです。

<個人所得税関連>
・住宅ローン控除の特例の延長等
・セルフメディケーション税制の見直し
・国や自治体が実施する子育てに係る助成等の非課税措置
・退職所得課税の適正化


<資産税関連>
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充
・日本で働く外国人が死亡した際に外国在住の家族が相続により取得する国外財産の相続税に関する措置
・教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
・土地に係る固定資産税等の負担調整措置


<法人税関連>
・中小企業向け投資促進税制等の延長
・所得拡大促進税制の見直し
・中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設
・繰越欠損金の控除上限の特例
・コロナ禍を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し
・デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設
・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
・活発な研究開発を維持するための研究開発税制の見直し
・株式対価M&Aを促進するための措置の創設


<消費税関連>
・自動車に関する税金
・金密輸に対応するための改正


その他、納税環境整備、関税などにも改正があります。

詳しくは年明けから少しずつ説明していきます!

※なお、税制改正の大綱は、税制改正の方向性を示したものです。今後の税務の方向性を確認するうえで重要な情報ですが、現時点では正式な決定事項ではありませんのでご注意ください。


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東京都の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」、なりすましにご用心!

【ポイント】
東京都の営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(11月28日-12月17日実施分)の「なりすまし」が発生しています。LINEでの連絡や口座番号・暗証番号を聞いてくるものにはご用心ください

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東京都の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(11月28日~12月17日実施分)」の申請がはじまりましたが、この協力金に関する「なりすまし」も発生しておりますのでご注意ください。

東京都は、この協力金について「書類の不備に関するご連絡についても、口座番号や暗証番号などの口座情報をお聞きすることは一切ございません」といいますので、口座番号や暗証番号を聞いてくるものは「なりすまし」です。

また、LINEによる連絡を行うこともありません。

下記以外の宛先での書類の再提出を求めることはありませんので、ご注意ください。
郵送:〒130-8790 日本郵便株式会社 本所郵便局 私書箱第37号
営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金
(11月28日~12月17日実施分) 申請受付

*過去の協力金の郵送先と異なりますので、ご注意ください。

おかしいな、と思ったら、東京都ステッカー申請・感染拡大防止協力金相談センター(03-5388-0567)まで問い合わせてみてください。
受付期間は午前9時から午後7時(土日祝日も開設、12月31日~1月3日のみお休み)です。

いつもとは勝手の違う手続きですので、戸惑うこともあるかと思いますが、怪しい問い合わせやLINEの連絡など、不審なものはすぐに相談センターに問い合わせてください!


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東京都の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」の申請受付開始

【ポイント】
東京都の営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(11月28日-12月17日実施分)の申請受付が12月18日(金)14時からはじまります。

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新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京都が、23区と多摩地域の各市町村の酒類の提供を行う飲食店及びカラオケ店の皆様に営業時間短縮の協力要請を行いました。
この要請に応じて、対象となる店舗を運営されている方で、営業時間の短縮に協力した中小企業、個人事業主等の皆様に対して「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(11月28日~12月17日実施分)」が支給されます。
その申請受付が、12月18日(金)14時からはじまります。

営業時間の短縮要請期間11月28日-12月17日分についての申請受付期間は12月18日から2021年1月25日までです。
申請書類は東京都のHPからダウンロードできます。

23区及び多摩地域の各市町村に主たる店舗又は従たる店舗を有し、かつ、大企業が実質的に経営に参画していない中小企業等で酒類を提供する飲食店、カラオケ店の方など一定の方が申請できます。
中小企業と同規模の従業員数のNPO法人や一般社団法人・一般財団法人も申請可能です。

申請要件等、詳しくは東京都のHPをご参照ください▼
https://jitan.metro.tokyo.lg.jp/nov/index.html


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白色申告者でも、一定の損失は繰越可能?!-事業用資産に生じた災害による損失等

【ポイント】
個人の白色申告者であっても、純損失のうち「事業用資産に生じた災害による損失等」については、その損失額を翌年以後3年間(2021年から2023年)にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

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個人事業者の場合、純損失を3年間繰り越せる「純損失の繰越」や、前年度の所得税を還付する「純損失の繰戻し」青色申告者だけの特例になります。

ただし、いわゆる白色申告者であっても、純損失のうち「事業用資産に生じた災害による損失等」については、その損失額を翌年以後3年間(2021年から2023年)にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

「事業用資産に生じた災害による損失等」とは、棚卸資産や固定資産に生じた直接の被害(廃棄損など)に加え、その被害の拡大・発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための費用(消毒液や配備マスクの費用等)も該当します。
翌年以後に繰り越される損失等(災害による損失等)の例は次の通りです。

●飲食業者等の食材(棚卸資産)の廃棄損
●感染者が確認されたことにより廃棄処分した器具備品等の除却損
●施設や備品などを消毒するために支出した費用
●感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気洗浄機等の購入費用
●イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

ちなみに次のようなものは、災害により生じた損失等に該当しませんのでご注意ください。
・客足が減少したことによる売上げ減少額
・休業期間中に支払う人件費
・イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料


「事業用資産に生じた災害による損失等」は申告にもかかるものです。具体的な損失の範囲などは、税務署や顧問税理士までご相談ください 。

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