いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

2021年05月

QRコードを悪用したサイバー犯罪(2)QRコードで偽リンクへ誘導する

私たちの日常にすっかりおなじみになったQRコード
Webサイトを開く、アプリのダウンロード、ポイント登録、料金の支払いや送金、募金など、「ピッ」とするだけで様々な用途に使える手軽さも魅力ですよね。
210528-01
こうした「使いやすくて実用的なQRコードは、サイバー犯罪にも便利に使われていること」があり、注意が必要だということが、カスペルスキー社のデイリーレポート「QRコードを悪用したサイバー犯罪」(以下「カスペルスキー社レポート」で発表されました。

その手口の一つが、偽リンクへの誘導です。
カスペルスキー社レポートによると
「QRコードを読み込むことで、SNSやオンラインバンキングサイトのログインページに見せかけたフィッシングサイトが表示されるかもしれません。」と注意を呼び掛けています。

フィッシングサイトに人を誘導してログイン情報を入力させるやり方はサイバー犯罪で昔から使われてきた手法ですので「怪しいメールのURLは安易にクリックせず、リンクを確認する」ことを徹底し、被害を未然に防いでいる方は少なくありません。

しかしQRコードでは短縮URLをQRコードにしてある場合もあるので「QRコードを読み取った後に表示されるWebサイトへのアクセスを促すメッセージ上では、アクセスしようとしているWebサイトが本物か偽物かを判別できない」(カスペルスキー社レポート)こともあります。

サイトへの誘導という面では、悪質な社会活動家たちが「自分たちの考えを広めようとQRコードのすり替える」(カスペルスキー社レポート)事例もあるといいます。
最近では、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連のチェックイン用案内にあったQRコードを改竄し、ワクチン接種反対のWebサイトに飛ぶようにしたとして、オーストラリアで男が逮捕されています」(カスペルスキー社レポート)ということがあったようです。

ピッとするだけで簡単にホームページを閲覧できるのは便利ですが、便利さと困ったことは裏表なんだな、と思います。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

インボイス制度で免税事業者がとる方法は三択?!-(3)簡易課税制度を適用する

【ポイント】
インボイス制度がはじまると、「インボイスの保存」が消費税の仕入税額控除の要件となります。インボイスは消費税の課税事業者しか発行することができません。
免税事業者の場合、インボイス制度が始まったときに取りうる方法の一つが「簡易課税制度を適用する」です。基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、簡便な計算により仕入税額控除の金額を計算することができます。

210525

2023年10月1日から、消費税の「インボイス制度」がはじまり、仕入税額控除を受けるために保存すべき請求書等が適格請求書(いわゆるインボイス)に代わります。

インボイスは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」(いわゆる「インボイス発行事業者」)しか発行することができませんが、インボイス発行事業者として登録を受けられるのは、消費税の課税事業者(=消費税の申告・納税が必要な方)に限られます。
つまり、免税事業者はインボイスが発行できません。

最悪の場合、「インボイスを発行してくれる事業者じゃないと仕入税額控除ができないから、なるべくインボイスを発行しない事業者との取引を少なくする」と、取引先事業者から選別される可能性も否定できず、小規模事業者にとっては死活問題になり得る大きな問題です。

インボイス制度に対して、免税事業者が取りうる選択肢は3つになります。
(1)メリット・デメリット双方を理解したうえで免税事業者を続ける
(2)消費税の課税事業者(原則課税)になる
(3)消費税の簡易課税制度を適用する


このうち、今回は「(3)消費税の簡易課税制度を適用する」についてお話しいたします。

消費税の納税額の計算は、原則として
課税売上げに係る消費税額-課税仕入れ等に係る消費税額
で計算します。
しかし、その課税期間の前々年又は前々事業年度(以下「基準期間」)の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、仕入控除税額の計算を行うことができます。
これを簡易課税制度といいます。

簡易課税制度は、文字通り簡易な計算方法で仕入税額控除が計算できる点がメリットですが、注意点もあります。
詳しくは、次の機会にお話しいたします。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

QRコードを悪用したサイバー犯罪(1)そもそもQRコードとは?

私たちの日常にすっかりおなじみになったQRコード
Webサイトを開く、アプリのダウンロード、ポイント登録、料金の支払いや送金、募金など、「ピッ」とするだけで様々な用途に使える手軽さも魅力ですよね。
210521
こうした「使いやすくて実用的なQRコードは、サイバー犯罪にも便利に使われていること」があり、注意が必要だということが、カスペルスキー社のデイリーレポート「QRコードを悪用したサイバー犯罪」で発表されました。

ところで、皆さんはQRコードってそもそもどういうものだかご存知ですか?
カスペルスキー社のレポートによると「単なるバーコードの進化版」だといいます。

QRコード読み取りアプリを開いてスマートフォンのカメラ(またはカメラ機能)をQRコードに向けるとコードが読み込まれ、特定のWebサイトへの移動やアプリのダウンロードを促すメッセージが表示される、というのはよくあるパターンです。

これに加えて、特定の情報を取得するような、メッセージを表示する以外の動作をするQRコードもあります。
例えば、ゲスト用Wi-Fiネットワークの名前とパスワードを読み込めるようなQRコード、お金をやり取りするためのQRコードなどを作成するアプリもあるのです。

ところが、人間にはQRコードが読めません。自分で作ったQRコードもああいう形になったんだ、という感じですから、他人が作ったものはなおさら、実際に何が書かれているものなのか、スキャンするとどうなるのかがわからないままに「ピッとしてみる」ことになります。

そのため「問題なく使えるというのはコードを作成した人に悪意がないことが前提」(カスペルスキー社レポートより)となります。
ここが悪用されるスキになる、と言われています。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

インボイス制度で免税事業者がとる方法は三択?!-(2)消費税の課税事業者になる

【ポイント】
インボイス制度がはじまると、「インボイスの保存」が消費税の仕入税額控除の要件となります。インボイスは消費税の課税事業者しか発行することができません。
免税事業者の場合、インボイス制度が始まったときに取りうる方法の一つが「課税事業者(原則)になる」です。赤字企業でも消費税の納税額が発生する可能性が高いのでキャッシュフローに注意しましょう。



2023年10月1日から、消費税の「インボイス制度」がはじまります。
現在、消費税の「仕入税額控除」を受けるには、一定の帳簿や請求書等を保存していることが条件となっていますが、インボイス制度のもとでは保存すべき請求書等が適格請求書(いわゆるインボイス)に代わります。

インボイスは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」(いわゆる「インボイス発行事業者」)しか発行することができませんが、インボイス発行事業者として登録を受けられるのは、消費税の課税事業者(=消費税の申告・納税が必要な方)に限られます。
つまり、免税事業者(基準期間(2年前)の課税売上高が1000万円以下の方などの小規模事業者で消費税の申告・納税義務のない方)はインボイスが発行できないということです。

インボイス制度に対して、免税事業者が取りうる選択肢は3つになります。
(1)メリット・デメリット双方を理解したうえで免税事業者を続ける
(2)消費税の課税事業者(原則課税)になる
(3)消費税の簡易課税事業者になる


このうち、今回は「(2)消費税の課税事業者(原則)になる」についてお話しいたします。課税事業者になれば当然、インボイス発行事業者になることができます。

免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書(以下「課税選択届出書」といいます。)を提出し、課税事業者となる必要があります。
ただし、インボイス登録日が令和5年10月1日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、「登録申請書」を提出し、審査を受けることで登録できます。

消費税の課税事業者(原則)になった場合、消費税の納税額は
売上げ等で預かった消費税額-仕入れ・経費の支払い等で支払った消費税額(インボイスがあるものに限る)=納付する消費税額
として計算します。
仕入・経費の支払い等で支払った消費税額をマイナスすること「仕入税額控除」といいます。

ここで注意すべきは、人件費は仕入税額控除の対象にならないことです。
人件費は消費税がかからない取引で、支払った消費税額がないからです。
210518
業績自体が赤字でも、消費税は納付する可能性が高くなります。
意外と金額がかさむことも多いので、資金繰りには常に注意しておきましょう。
例えば消費税納付のために毎月一定額を積み立てておくと、納付の際の資金繰りの一助になりますよ。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

国税勤務経験のある力士

戦前の話になりますが、大場竹蔵という少年が高等小学校卒業後、仙台税務監督局(又は税務署)で給仕として働いていました。
大変に体格のよい少年だったようで、大正12(1923)年、仙台税務監督局に税務監督官として転任してきた鈴木新之助氏が「関取ともなれば局長や大蔵大臣とも対等に話せるようになる」と、熱心に角界入りを勧めたそうです。

ちょうどその頃、千賀ノ浦親方(関脇綾川五郎次)リンゴを使った飲料の製造免許を申請するために仙台税務監督局を訪ねて来ました。
これを好機と見て、鈴木氏は大場少年を親方に紹介したといいます。
210514
角界入りした大場少年は、大正14(1925)年1月場所に綾昇竹蔵という四股名で初土俵を踏み約20年の力士生活を送り、最高位は関脇にまで昇りつめました。
引退後は年寄千賀ノ浦を襲名しています。

雇用関係が流動的だった時代とはいえ、給仕の少年が関脇になったというのは驚きでした!


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから