月給や日当を総称して「給料」や「給与」と呼びます。

 一般的には給料=給与と考える人が多いように感じますが、実は微妙な違いがあることをご存知ですか?

【給与】 
 給与とは、公務員や会社員の給料や賞与など、「勤務に対する対価の総称」のことです。税法上は、俸給・給料・賃金・歳費・賞与及びこれらの性質を有するものと考えられています。
(「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう」所得税法第28条、「給料、賃金、賞与等その名目のいかんにかかわらず、雇用関係またはこれに準ずる関係に基づいて提供される労務の提供の対価として支払われるもの」税務判例)

 「勤務に対する対価」の中には、金銭で支給されるものばかりでなく、現物給与(経済的利益:たとえば食事の現物支給や値引き販売、低利での金銭貸し付け、創業記念品等などで一定のもの)も給与に含まれます。

 つまり、給与とは給料も賞与も現物支給も含め、広い意味で「勤務に対する対価として会社から支払われたもの」なのです。


【給料】
 これに対して、税法において「給料」とは、勤務の対価として会社から受け取る報酬の名目や性質を示したものです。
 会社から勤務の対価として受け取る報酬のうち、月給や週給、日給を「給料」と解釈しています。


【賞与】
 ちなみに、サラリーマンおまちかねの「賞与」も、勤務の対価として会社から受ける報酬の名目の1ジャンルという扱いになります。給料とは違い「定期的に支給される一時金」のことです。

 賞与制度の原型とも言われているのが、職人や商人の間では「お仕着せ」の習慣。主人から奉公人に対し、盆暮れになると季節にあった着物を与えていたそうです。
(武士の場合、「四季施」といわれる季節ごとの着物代が、支給されていたようです)

 今では「お仕着せ=一方的に押し付けられる」という意味で使われていますけれど・・・。


 現在でいういわゆる「ボーナス」を最初に支給したのは三菱だといわれています。

 1876年ライバル会社との競争に勝った際、社員の労苦に報いるため臨時に給料とは別にお金を支給したそうです。
 このことを社員に知らせるための文章に「別紙(べっし)目録(もくろく)通り賞(しょう)与(あたえ)候(そうろう)・・・」とあったことからその臨時支給のお金は「賞与」と呼ばれるようになったのだとか。

 現在のように、多くの企業で賞与が支払われるようになったのは、昭和に入ってからのことです。