今日は通勤手当のお話です。

 所得税法は、通勤に必要な費用について、原則として非課税扱いとすることとしています。よく「通勤手当」などといわれています。

 公共交通機関の発達した都会にお住まいの方は、電車やバスを利用して通勤することがほとんどではないでしょうか。
 ですから、都会の方にとって「通勤に必要な費用(通勤手当)」とは「1ヶ月の定期代」というのが基本感覚だと思います。


 しかし、そうではない地域の会社ではマイカー通勤者の比率が上がります。
 中には、マイカーでなければ通勤できない場所にある会社も少なくありません。

 では、マイカー通勤者にとって「通勤に必要な費用(通勤手当)」とは、どういうものなのでしょうか。


 マイカーでの通勤代も通勤手当として非課税となります。
 問題はその金額の決め方です。

 というのも、一言でマイカーといっても、その燃費は車によって異なりますし、有料道路を利用して通勤する社員もいるかもしれません。
 最近のガソリン代の値上げもマイカー通勤者には見過ごせない出来事でしょう。

 基本的に、マイカー通勤者に支給する通勤費の非課税限度額は通勤距離(片道)によって、以下のように決められています。

◆2km以上10km未満:4,100円
◆10Km以上15km未満:6,500円
◆15Km以上25km未満:11,300円
◆25Km以上35km未満:16,100円
◆35Km以上45km未満:20,900円
◆45km以上:24,500円
※2km未満の場合は全額課税対象。

 ただし、片道通勤距離が15km以上で、電車やバスなどを利用して通勤した場合の通勤定期券代が、上の距離毎の金額を超える場合はその金額を限度額としても構いません。

 また、同じ場合で利用できる交通機関が無いときは、通勤距離に応じたJR線の1か月当たり通勤定期券代としても良いことになっています。(10万円が限度です)

 また「2キロ未満の場合は全額課税対象」というのは「通勤手当に対しても所得税が課税される」ということです。

 たとえば会社の近くにお住まいの方をパートでお願いしたりしている業種の場合には、通勤距離が2キロ未満の方の該当者が多くなりやすいので、給与計算の時には注意が必要です。


 話はかわりますが、昨年くらいから、多くの地方自治体において「ノーマイカーデー運動」が実施されています。
 渋滞緩和と地球環境の保護を目的に、役所の職員や住民に公共交通機関の利用を呼びかけているものす。

 地方にいくほどマイカー保有率は高く、都会に比べて使い勝手の悪い公共交通機関を利用する人が減っているのです。
 しかし、お年寄りや子どもなど交通弱者のために、赤字路線だからといって即廃止するわけにもいかない、ということが地方の電鉄会社やバス会社が抱える悩みでもあります。

 電車やバスの地域路線は公共のインフラ。自治体が旗振り役になって交通機関の利用機会を増やすことは、公共のインフラ維持のためにも重要なことなのです。