しばらくワールドカップに熱中していましたが、ふと社会に目を転じてみると、日銀総裁が総裁就任後も株式の運用を行っていた問題が、政財界を巻き込んで大変なことになっていました。

 総裁は、6月末時点での残高から手数料や税金を差し引いた全額を慈善団体などに寄付する意向を発表。
 ということで今日は寄附金について考えてみました。


 個人が国や公益法人等に寄附をした場合、支出した寄附金(「特定寄附金」といいます)のうち一定額(全額ではないのですが(苦笑))を所得税控除することができます。これを「寄附金控除」といいます。

 では、一定額=寄附金控除の額とはどのくらいの金額だと思いますか?

 税法上は、「当該年の寄附金合計−5千円」か「当該年の総所得額等の30%」のいずれか少ない方と定められています。
(今般の税制改正において、寄附金の控除下限額が1万円から5千円に引き下げられました。従来は「当該年の寄附金合計−1万円」か「当該年の総所得金額等の30%」の少ない方が寄附金控除額だったのですが、今年からマイナス1万円が5千円に改正されています。)


 わかりやすく説明するために、不謹慎ながら今回の問題を例にして寄付金控除を計算してみると、今回、寄附すると伝えられている金額は約1400万円。

 これがすべて特定寄附金に該当すると考え、さらに今年1年の特定寄附金がこれですべてだと仮定すると、「1400万円−5千円=1399万5千円」または「日銀総裁の総所得金額等の30%」いずれか少ない金額を所得から控除するということになります。