【質問】
飲食店を経営しています。不況に加え、新型インフルエンザの流行が追い討ちをかけて売上が減少しています。背に腹はかえられず、今月から社員を自宅待機扱いにしていますが、会社として何か打てる手はありませんか。

【回答】
新型インフルエンザで売り上げが減少し、社員を休業させた時には、「雇用調整助成金」及び「中小企業緊急雇用安定助成金」が「インフルエンザの発生及び感染拡大に伴う特例」として、対象となる制度の改正がありました。
2009年7月31日迄に初回の計画届を提出し雇用維持をしている事業主については、国内発生が確認された2009年5月16日までさかのぼって、支給申請ができるようになりました。



 依然として罹る人が多い新型インフルエンザ。
 大手企業では、従業員の家族に新型インフルエンザに罹った人がでたときに、従業員を自宅待機とする、などの措置をとる企業もあるようです。

 ある新聞の調査によると、企業で新型インフルエンザ流行時に事業を継続できるよう事業継続計画を立てている企業は9%程度、という結果が出ています。


 新型インフルエンザは今後暫く続くとみられ、持病のある方や高齢者、妊婦、子供等には配慮する必要があるものの、企業は流行時期に合わせた柔軟な対応が求められているようです。

 欠勤が一定以上の人数になった時は在宅勤務、交替勤務、応援人員のやりくり等も必要ですが、もともと中小企業では人員の余裕はあまりないので、いざという時には拡大しないように手を打つぐらいとなるかもしれません。


 一方で、このような状況下で、新型インフルエンザで売り上げが減少し、社員を休業させた時には、「雇用調整助成金」及び「中小企業緊急雇用安定助成金」が「インフルエンザの発生及び感染拡大に伴う特例」として、対象となる制度の改正がありました。

 もともと、「雇用調整助成金」とは景気の変動、産業構造の変化等に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、休業や教育訓練又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金又は出向労働者に係る賃金負担額の一部を助成するものです。

 さらに最近の改正で新型インフルエンザの対応の緊急性をふまえ、2009年7月31日迄に初回の計画届を提出し雇用維持をしている事業主については、国内発生が確認された2009年5月16日までさかのぼって、支給申請ができるようになりました。

 生産量要件も緩和され「生産指標の直近3カ月の月平均値がその直前3カ月又は前年同期に比べ5%以上減少している事業所の事業主」の「3カ月」要件は「1ヵ月」に緩和されています。

 対象は「新型インフルエンザの影響による客数や受注量等の減少」を理由に休業を行う事業所で、計画書を「新型インフルエンザ対応事業所の事業活動の状況に関する申出書」とともに都道府県労働局長に提出しておきます。

 支給申請は判定基礎期間の末日から起算して2カ月以内となっています。



いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから