【質問】
某メーカーの販売代理店を営んでいます。お中元シーズンに、取引先メーカーから新製品のロゴや商品名が大きく入った宣伝用の軽自動車を無償で受け取りました。
税務申告の上で何か気をつけなければいけないことはありますか?


【回答】
広告宣伝用資産に該当する自動車は、メーカーが取得した価額の3分の2-販売業者がその取得のために支出した金額=経済的利益の額となります。もらった資産が30万円以下なら経済的利益の額はないものとされます。


 ご相談の方のように、取引先メーカーが宣伝のための車を営業車として販売業者に渡すことがあります。
 ほかにも特定の商品用にデコレーションされた陳列棚など、広告宣伝を兼ねた資産がメーカーと販売業者の間でやり取りされることもあります。

 このような、広告宣伝をかねた資産を「広告宣伝用資産」といいます。
 陳列棚や冷蔵庫、容器、大きいものでは展示用モデルハウスも同様で、製品名やメーカー名の広告宣伝が目的と明らかなものが該当します。

 細かく言うと、自動車なら「車体の大部分に一定の色彩でメーカーの製品名または社名を表示し、その広告宣伝を目的としていることが明らかなもの」が広告宣伝用資産、と定義されています。


 通常、販売業者がメーカーから資産をタダまたは安価で譲られた場合には、メーカーが取得したときの価額を経済的利益の額として益金に算入します。(取得のために販売業者が支出した金額があればそれを引いた額)

 ただし、その取得した資産が「広告宣伝用資産」なら扱いが若干異なります。

 広告宣伝用資産の場合、

(メーカーが取得した価額の3分の2)-(販売業者がその取得のために支出した金額)=経済的利益の額

となります。
 提供したメーカー側にも宣伝効果という「利益」があるため、単なる贈与とは区別しています。

 もらった資産が30万円以下なら経済的利益の額はないものとされます(同一メーカーから2以上の資産をもらったときは、その合計額)。

 また、もらった資産が広告宣伝用看板などのように専ら広告宣伝用となる資産は、取得による経済的利益の額はないとされています。


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