今日ご紹介するのは、社団法人日本時計学会さんです。1948年に発足し、日本の時計産業の発展とともに歩んできた歴史ある学会です。
 お話は、事務局長の吉村靖夫さんに伺いました。


■学問分野ではなく、精密機器「時計」を中心とした学会
-活動について教えてください。
吉村氏
「学会の多くが学問分野を基礎に成り立っているのに対し、本学会は具体的な対象物とし『時計』という精密機器が中心にあることです。

 時計の要素技術、設計、製造技術、材料やシステムに至るまで、あらゆる技術を取り扱っています。

 学会発足当初は、時計といえば機械式が主流でした。この当時は、いかにして正確に時を刻む時計を作るのか、という計時機能の向上が焦点でした。

 1970年代前後にクオーツ時計が発売されるようになると、設計や製造技術、あるいはオリンピック競技のタイム測定のような時間計測技術の向上など、幅広い時計応用技術を取り扱うようになりました。」

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■広がる時計応用技術
吉村氏
「時計の技術は常に発展しています。

 たとえば、ダイバーズウォッチのように水圧や水深を測る機能を付加した時計は、時計本来の計時機能に新たな機能を付加したものです。

 また電波時計のように自動的に時刻を補正する技術も確立し、新たな市場を築いています。

 ソーラーパネルや外気温と体温の温度差を利用して発電するしくみなど、動力の面でも様々な工夫がなされています。

 一方で、純粋な機械式時計は精度とデザインの洗練度を上げ、精密機械の極致として独自の世界を展開しています。」

-日々何気なく使っている時計も、いろいろな方向で技術革新があったんですね!
吉村氏
「最近では、センシングや通信機能を付加した製品も開発が進んでいます。
 まだ開発段階ですが、体温や脈拍を計測し、無線で監督・コントロールする機器のようなものが一例です。

 これらは『身につける情報機器』として新たな製品分野をつくりつつあります。

 小さく、軽く、身につけることもできて、精密性が高い、という時計製造の技術は、我々の生活の最先端を支える技術に欠かせないものです。」


■学会誌「マイクロメカトロニクス」にこめられた想い
-学会誌について教えてください。
吉村氏
「1957年に学会誌として『日本時計学会誌』を刊行しました。

 時代の流れとともに、時計応用技術は、計時機能にとどまらず、様々な産業に使われるようになりました。

 こうした裾野の広がりを受けて、1998年に学会誌の名前を『マイクロメカトロニクス』に変更しました。

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 学会誌は、時計に関連する技術の学術論文や解説を掲載しています。
 最新の技術応用例だけでなく、これまでの時計技術の変遷を記録した貴重な技術アーカイブにもなっています。

 本学会は、これまでの実績を踏まえて新しい時計技術の情報交換の場であり続けたいと思っています。」

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■いずみ会計に一言!
吉村氏
「月に1回、当学会の事務所にコンサルタントとして来ていただいています。判断が非常に早く、有言実行の方、というイメージですね。」
(取材協力:ライター山崎実由貴)


社団法人 日本時計学会
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