景気後退で働く人の労働時間が減り、所得も減少しつつある傾向が明らかになりました。


 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」などの調査によると、昨今の景気後退で働く人の労働時間が減ってきたことがわかりました。


 最近10年の日本の実労働時間は、週休2日制の進展もあり、1,800時間台半ばで推移していました。

 しかしこの数字はパートタイム労働者を含んだ全労働者の平均労働時間であり、むしろ一般労働者の労働時間はここ数年は増加傾向にありました。

 週60時間以上働く長時間労働者は30代では5人に1人という調査結果もあり、08年度の過労による労災認定者数も心の病の人は過去最多、過労自殺や過労死も過去2番目の高水準でした。

 景気が悪化し、企業間の競争が激化した職場では、人件費削減から最低限の従業員で仕事をしていることも多いのではないでしょうか。
 私も、一部の方の労働環境が厳しくなっていることを肌で感じます。


 一方で、08年秋に生じた金融危機以降雇用情勢が悪化して、労働時間が減った職場も大幅に増えています。

 調査によると正規社員では3割程度、非正規社員では4割以上が労働時間が減ったと答えています。
 たとえば大企業の工場などでは、一斉休業日が増えるなど、正規社員の労働時間も減っているようです。


 また、労働時間と密接な関係のある所得の面でも一世帯当たりの平均所得は1994年の年664万円をピークに減少傾向にあります。

 07年には世帯収入は556万2千円と19年ぶりの低水準となりました。
 これは非正規社員の増加や高齢者単身世帯の増加の影響も受けているようですが、年間平均100万円の減少、というのは手痛いですね。

 所定外労働時間(残業時間)も09年4月には月13時間と前年同月比で22.3%減じています。


 過重労働が問題となる一方で、労働時間の減少による所得の減少も問題となってきました。

 本来、労働時間が減って余暇が増えるのはうれしいはずですが、収入が減ると余暇を楽しむ余裕がなくなりますし、将来設計にも影をおとしてきます。

 家族団欒の時間が増える事は良い事ですが、空いた時間の使い方に本人だけでなく、家庭でも戸惑っている・・・という方もいらっしゃるようです。


 今は企業も働く人も働く環境と収入のベストバランスを探っている時期なのかもしれませんね。


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