【質問】
東北地方で旅館を経営しています。
このたびの震災では、幸いなことに宿泊棟などに直接の被害はありませんでした。
しかし、交通手段が未だ寸断状態で、観光客が当館に来ていただくことができない状況が続いています。

とはいえ、従業員を解雇するに忍びなく、従業員は自宅待機にして少ないながらも給与を支払っていますが、それもそろそろ限界です。

【回答】
震災の影響で観光客が減少し休業を余儀なくされた事業所が、労働者に休業手当を支払ったときは、雇用調整助成金が利用できます。



 今回の震災では働き口を失った方も多くいると聞きます。
 2カ月以上、休業状態でも従業員を解雇せず給与を支払っているご相談者の方には、本当に頭が下がります。
 これからの復興に向けて、働き口の確保(生活の糧の確保)は急務ですね。


 今日は、雇用関連の助成金や失業手当の特例的な扱いについてご紹介いたします。


 震災に伴う経済上の理由により休業を余儀なくされた事業所の事業主の方が、労働者に休業についての手当を支払えば、雇用調整助成金が利用できます。

 これは、震災の直接被害者だけでなく、以下のような間接的な被害の場合も適用されます。

・ 交通手段の途絶により、従業員が出勤できない、来客がない等のため事業活動が縮小した場合
(ご相談の方のようなケースですね)

・ 事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合

・ 避難指示など法令上の制限が解除された後においても、風評被害により観光客が減少したり、農産物の売り上げが減少した場合


 また、従業員の方にとっても、失業給付が受給できる特例があります。

 事業所が直接的な震災被害を受けた場合になりますが、震災被害の影響で事業所が休業し、一時的に離職を余儀なくされたことにより、賃金が支払われない労働者の方は、特例的に雇用保険の失業給付を受給できます。

 交通の断絶等により、住所を管轄するハローワークに来所できない場合、お近くのハローワークでも対応できるそうです。


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