【質問】
領収書や見積書、請求書などの書類の束がかなりのボリュームで困っています。
これらの書類がスキャンできればいいのに、と思うのですが・・・

【回答】
電子保存法によるスキャナ保存制度により、一定の要件の下、領収書等の国税関係書類をスキャナにより保存することが認められています。平成27年の税制改正で初めて要件緩和等も行われました。



電子帳簿保存法によるスキャナ保存とは、国税関係書類の保存方法の一つです。
領収書、請求書、見積書等の国税関係書類について、真実性・可視性を確保するため、一定の要件の下、スキャナによる保存(スキャナを利用して作成された電磁的記録による保存)を認めるものです。

平成17年4月に創設された制度ですが、今般、初めての要件緩和等が行われました。
主なポイントは以下の通りです。

(1)スキャナ保存の対象となる国税関係書類の範囲
これまで、契約書・領収書等の国税関係書類については、その記載された金額が3万円未満のものに限りスキャナ保存の対象となっていましたが、今回の改正により金額に関わらず全てスキャナ保存の対象となりました。

(2)スキャナ保存要件の緩和など
スキャナ保存の際に必要とされていた電子証明が不要になります。(ただし、電子署名を廃止した一方で、タイムスタンプを付すことが必要となりました。)
保存要件を緩和する一方で、いわゆる「適正事務処理要件」を満たす必要があります。

(3)適時入力方式に係る要件の緩和など
見積書などの一般書類をスキャナ保存する際に必要とされていた書類の大きさ情報の保存が不要になりました。
一般書類をスキャナ保存する際に、白黒階調(いわゆるグレースケール)による読み取りが認められるようになりました。

改正後の要件でスキャナ保存をするためには、電子データの保存により書類の保存に代える3カ月前の日までに「申請書」を提出する必要があります。
つまり、申請書を提出して3カ月経ってからでないとスキャナ保存ができないのでご注意下さい。

既にスキャナ保存の承認を受けている書類であっても、平成27年9月30日以後に「申請書」を提出して承認を受けない場合、従来の要件で保存することになりますので、あわせてご注意下さい。


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