【ポイント】
平成28年度の与党税制改正大綱に、消費税の軽減税率制度を、平成29 年4月1日から導入することが明記されました。
あわせて、複数税率制度に対応した仕入税額控除の方式として、平成33 年4月1日から適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)を導入することも示されました。



平成28年度の与党税制改正大綱に、消費税の軽減税率制度を、平成29 年4月1日から導入することが明記されました。

軽減税率は6.24%(地方消費税と合わせて8%)で、軽減税率の対象となる「取引」(課税資産の譲渡等)は次のように明記されました。

(1)飲食料品の販売(食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除く。)の譲渡をいい、外食サービスを除く。)
(2)定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の販売(譲渡)

メディアでも数多く報道されてきましたが、どのようなときに軽減税率が適用されるのか、の線引きに戸惑うことが今後出てきそうです。

たとえばファストフードのような業態では、イートインとテイクアウトで税率が異なるということになりそうです。(イートインは10%、テイクアウトは8%の軽減税率が適用される)
また、公園等で軽食を販売し、多くの人が公園内で食べるような店の場合、公園内にある店が用意したいすやテーブルに座って食べるならばイートインとして扱うが、公園に備え付けられたベンチで食べるならばテイクアウト、などという「本当にそこまで店が管理できるの?」という事例まで紹介されていました。

細かい話はさておき、食品関連の卸売業、小売業、外食などの飲食店業、スーパー、コンビニ、書店、流通業など、軽減税率に該当する取引とそれ以外の取引の両方を扱うであろう業種は、大きな影響を受けること間違いありません。
特に中小規模の事業者にとっては、複雑な軽減税率に対応するのも大変な作業になることが予想されます。

税制改正大綱には、複数税率制度に対応した仕入税額控除の方式として、適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)が、平成33 年4月1日から導入されることも明記されています。

消費税の軽減税率については、法制化に向けて議論が重ねられる予定ですので、今後の動きに注目したいですね。

※なお、与党税制改正大綱とは、次の年度の税制改正の主要項目や今後の税制改正に当たって、与党の基本的な考え方を示したものです。
そのため、現時点では決定事項ではありません。
正式な法令等の改正内容やタイミングにご注意ください。


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