【質問】
給与所得者の特定支出控除を受けるための「特定支出」って、具体的にどういうものを言うのでしょうか?受ける場合は、確定申告をしなければいけないのでしょうか?

【回答】
給与所得者の特定支出控除をうけるための「特定支出」は、自腹で支払った通勤費等一定の費用で、給与の支払者が証明したものに限られます。また、給与所得者の特定支出控除を受けるには、確定申告をしなければいけません。

180222特定支出控除
「特定支出」とは、次の6つの支出で、自腹で払ったものになります。
1.一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2.転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3.職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4.職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
5.単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6.
次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

「給与所得者の特定支出控除」を受けるための「特定支出」は、これらの特定支出のうち、給与の支払者が証明したものに限られます。会社等に黙って特定支出控除を使うことはできない、とイメージしてください。
また、給与の支払者から補填される部分があり、かつ、その補填される部分に所得税が課税されていないときは、その補填される部分及び教育訓練給付金、母子(父子)家庭自立支援教育訓練給付金が支給される部分がある場合における当該支給される部分は特定支出から除かれます。

たとえば、通勤費のうち、通勤手当として会社から受け取った金額や、資格取得のための専門学校の授業料のうち、教育訓練給付金を受けた金額については「自腹で払った」ことにはならない、ということですのでご注意ください。

給与所得者の特定支出控除を受けるには、確定申告をしなければいけません。
その際、源泉徴収票、特定支出に関する明細書、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、これらの特定支出に関する領収書等を申告書に添付(又は申告書を提出する際に提示)することも必要となります。

なお、「給与所得者の特定支出控除」を受けるための要件は、特定支出が数十万円単位であることが必要となります。具体的には、前回のブログをご参照ください▼
http://www.izumi-kaikei.info/archives/52102458.html


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