【ポイント】
「令和3事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によると、富裕層に対する調査で1件当たり申告漏れ所得金額、1件当たり追徴税額ともに過去最高になったことがわかりました。

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国税庁が、富裕層に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に積極的に税務調査を行っていることがわかりました。
富裕層とは、有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人、海外投資等を積極的に行っている個人などが該当します。

令和3事務年度においては、富裕層向けの実地調査(特別・一般)2,227 件(前事務年度は2,158 件)が実施されました。
1件当たりの申告漏れ所得金額は、過去最高の 3,767 万円となっており、前事務年度の2,259 万円と比べても大幅にUP、所得税の実地調査(特別・一般)全体の 1,613 万円と比べても 2.3 倍となっています。
申告漏れ所得金額の総額 839 億円(前事務年度は 487 億円)に上ります。

1件当たりの追徴税額も、過去最高の 1,067 万円となり、前事務年度の543 万円の2倍近く、所得税の実地調査(特別・一般)全体の 323 万円に比べて3.3 倍となっています。また、追徴税額の総額は 238 億円(同 117 億円)に上ります。

特に、海外投資等を行っている「富裕層」に対しては、1件当たりの追徴税額2,953 万円で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の 323 万円に比べ 9.1 倍と高額となっています。
近年は、海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などもチェックされています。
「海外だから日本の国税の目は届かない」というのは、昔のことになりつつあるのかもしれませんね。

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