いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

経営

勧告、事業社名の公表も?!―消費税の転嫁拒否

【ポイント】
消費税の転嫁拒否行為について、監視・取締りが行われており、重大な転嫁拒否等があった
事業者については、公正取引委員会が勧告を行い、事業者名等が公表されます。



消費税率(8%・10%)の引上げに当たり、「消費税転嫁対策特別措置法」が施行され、消費税率の引上げに当たって、消費税の転嫁拒否等の行為を禁止しています。
これにより、中小事業者等が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備するため、消費税転嫁対策特別措置法に基づき消費税の転嫁拒否等の行為に対して、監視・取締りが行われています。

平成26年4月1日以降に特定供給事業者(売手)から受ける商品又は役務(サービス)の供給について、特定事業者(買手)が特定供給事業者(売手)に対して消費税の転嫁拒否等の行為を行う場合、規制の対象となります。

禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為は次の5類型です。

『買いたたき』
=買手が、通常支払われる対価に比べて対価の額を低く定めることにより、消費税の転嫁を拒否すること。
『減額』
=買手が、消費税率の引上げ分の全部又は一部を、事後的に減じて支払うことにより、結果として消費税の転嫁を拒否すること。
『商品購入、役務利用、利益提供の要請』
=買手が、消費税の転嫁を受け入れる代わりに、買手の指定する商品を購入させたり、役務(サービス)を利用させたり、また、経済上の利益を提供させる行為を行うこと。
『本体価格での交渉の拒否』
=買手が、価格交渉を行う際、売手から本体価格(税抜価格)での交渉の申出を受けた場合には、その申出を拒否してはいけない。
『報復行為』
=買手は、売手が消費税の転嫁拒否等の行為があるとして公正取引委員会等にその事実を知らせたことを理由として、取引数量を減じたり、取引を停止したり、不利益な取扱いを行ってはいけない。

 特定事業者(買手)が消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、公正取引委員会等による調査が行われ、転嫁拒否による不利益の回復など必要な指導が行われます。
 また、重大な転嫁拒否等の行為を行った事業者に対しては、公正取引委員会が勧告を行い、事業者名等が公表されます。


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実は影響が大きい?!営業権の償却方法の変更

【ポイント】
平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。



平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。

「営業権」とは、事業譲渡や企業合併などのM&A取引があった場合に、買い手側の固定資産として計上されるものです。いわゆる「ブランド」や「(老舗の)のれん」のような、目に見えない超過収益力を示すもの、といえます。
これまで、営業権は、減価償却資産として、5年で定額法での償却することとされており、税務上月割計算はしませんでした。
平成29年度の税制改正により、平成29年4月1日以降の取得分について、営業権の償却方法が月割に変更となりました。
これ、実は地味に大きな改正ポイントです。

たとえば、年度末の2ヶ月前に営業権を取得した場合、これまでは営業権の5分の1(1年分)を償却することとされていましたが、月割計算をする場合は営業権の5分の1(1年分)の、さらに2/12(2か月分)が償却額となるため、これまでより償却額が大きく減ることになります。

営業権の償却をするケースはそれほど多くはありませんが、営業権は金額的に大きくなることも多く、影響が大きな改正になりますのでご注意ください。


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御社は本当に中小企業者?中小企業向けの租税特別措置法の適用に要注意

【ポイント】
中小企業向けの租税特別措置法について、中小企業の税制優遇の基準「資本金1億円以下」に、「3年平均15億円以下」の所得基準が追加されることになりました。


これまで、中小企業向けの租税特別措置法について、中小企業の税制優遇の基準は「資本金1億円以下」とされてきました。
しかし、平成31年4月1日以後に開始する事業年度から、資本金の基準に加え、所得基準が追加されることとなりました。

新しい基準は「資本金1億円以下」の基準に、「3年平均15億円以下」の所得基準が追加されることになります。
そういえば最近、中小企業向けの税法上の特例措置を受けるため、企業活動や規模に比べて小さな資本金額の企業が見受けられることが話題となっていましたね・・・。

上記規定を受けて、新たな基準を満たさなかった企業が適用除外となる措置は以下の通りです。
・中小法人等の法人税の軽減税率(所得800万円以下の部分に15%)
・研究開発税制(中小企業技術基盤強化税制の適用)
・所得拡大促進税制(給与等支給額の増加要件・税額控除の上限)
・中小企業投資促進税制(特別償却・税額控除)
・商業・サービス業を営む中小企業者等の経営改善設備の特別償却・特別控除
・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

なお、改正の対象となる措置は、租税特別措置法における中小企業向けの優遇税制のみとなっています。
法人税法に規定される中小企業向け措置(例:法人税率の軽減<所得800万円以下の部分に19%>、貸倒引当金の損金算入、欠損金の繰越控除<100%損金算入可>、欠損金の繰戻還付制度、特定同族会社の特別税率の適用除外など)については、今回の改正の影響はありません。

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深い理由はないけれど3月決算・・・はやめましょう!

【ポイント】
売上の季節変動が大きい商売、お金に余裕がない月の2ヶ月前決算期、繁忙期と決算期が重なっている場合などは、決算期の設定を慎重に行い、場合によっては決算期の見直しも視野に入れてください。



法人を設立して、考えなければいけないことの一つが「決算期」です。
この「決算期」、あまり深く考えずに「決算といえば3月でしょ?」「なんとなく年末じゃない?」と適当に決めたが故に、その後苦労することもあります。

業態や資金繰りの都合によって、オススメ(&オススメできない)決算期があるので、心当たりの方はチェックしてください!

●売上の季節変動が大きい商売の決算期
スキー場や海水浴場などがわかりやすい例になりますが、売上に季節変動がある業種の場合、決算期は売上が上がる月を避けるのがベターです。

売上が上がる月は利益の予測が立てにくく、予想を上回る売上により利益が急増したり、予想を下回る売上で赤字になったり、資金繰りも立てにくくなります
売上に季節変動がある業種の場合、売上が上がる月が期首から事業年度の真ん中あたりにあると、事業計画も資金繰りも立てやすくなります。

●お金に余裕がない月の2ヶ月前の決算期は避ける!
資金繰りの事を考えると、お金に余裕がない月の2ヶ月前の決算期は避けたほうがよいでしょう。
決算から2ヶ月後には、決算の申告期限とともに、法人税・消費税などの納付期限がやってくるため、この時期は、通常業務よりも多くのキャッシュが必要になります。

特に、従業員にボーナスを支払う月、納期の特例を受けている場合の7月や1月(源泉税の支払があるため)、売掛金の回収が少ない月、仕入れの支払いが多い月などは、ただでさえ通常より多くのキャッシュが必要となるため、注意が必要です。

●繁忙期と決算月が重なっている場合は決算期変更も視野に!
決算月から申告月にかけては、通常の会計業務に加え、決算業務が必要となります。
特に、商品数が多い小売や卸売りなどの業種は、商品などの在庫を数える「棚卸」作業にかなりの時間が取られます。
決算業務に手を取られ、本業に影響を及ぼすことがないように、繁忙期に決算が重ならないように設定することがベターです。
実際に、小売業の大手企業は、いわゆる「ニッパチ」(2月、8月の閑散期)を決算月とするところも少なくありません。
もし「繁忙期と決算期がダダかぶり」の場合は、決算期の変更も視野に入れたほうがよいでしょう。


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『「知らなかった」では済まされないお寺の税務』(鎌倉新書)

私、浦田泉の著書『「知らなかった」では済まされないお寺の税務』(鎌倉新書)が発売となりました!
170210お寺の税務
この本は、宗教法人の税務に関して、その基本から税務調査の事例まで、2017年時点の最新事情を踏まえて解説しています。

永代供養墓や納骨堂、公益法人、NPO法人など、宗教法人の運営を取り巻く事業は常に変化しています。税務処理も時代に応じた対応が必要です。

また、近頃、宗教法人に対して、税務署からの「おたずね」の文書が届くケースが増えています。
税務署からの問い合わせがあっても、正しい運営をしており、正しく納税事務を行っていれば、なんの問題もありませんが、税務当局に、宗教法人の特殊な運営の実態を知ってもらい、宗教法人側も税に関する正しい知識を身につけることも必要です。
さらに「調査」が来てからの対応では、思わぬ不備も生じがちになりますので、これからの納税シーズンに向けて、特に宗教法人の皆様にはぜひご準備いただきたい一冊です。

宗教法人に関する税務は、株式会社と違うことも多いですので、ご住職やお寺にお勤めの方のみならず、色々な方にご一読いただければと思います!


●『「知らなかった」では済まされないお寺の税務』(鎌倉新書)
※「鎌倉新書オンラインショップ」からご購入いただけます▼
http://kamakura.shop24.makeshop.jp/shopdetail/000000000646/


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