いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/法人税

大法人の電子申告が義務化に、中小企業は?!

【質問】
大法人は電子申告しなければいけなくなった、と聞きましたが本当ですか?
中小企業には関係ないのでしょうか?

【回答】
2020年4月1日以後に開始する事業年度から、大法人の法人税、地方法人税及び消費税の電子申告が義務化されます。
現在のところ、中小企業については義務化の対象外となっていますが、今後は徐々に電子申告が義務化される法人の範囲が広がることが予想されます。


180313電子帳簿保存
平成30年度の税制改正で、大法人(内国法人のうち、事業年度開始の時において資本金の額等が1億円を超える法人など)の法人税や地方法人税、消費税の確定申告書、中間申告書及び修正申告書の提出について、電子申告(e-Tax)による提出が義務付けられました。
2020年4月1日以後に開始する事業年度から適用となります。
適用後は、電気通信回線の故障、災害その他の理由により電子申告が出来ない場合で、納税地の所轄税務署長の承認を受けない限り、書面による提出ができなくなりますので注意が必要です。

そうなると、中小企業もいずれは電子申告が義務化されるのでは?という点が気になりますよね。
この点については何も発表がないため、完全に個人的な予測になりますが、昨今の納税環境の電子化の進展具合を鑑みて、多くの中小企業について、電子申告が義務化される日が来ることは時の流れではないかと思います。
ただし、現実問題として、一気に全法人に義務とするのではなく、電子申告が義務化される法人の範囲が徐々に広がっていくのではないか、と予想しています。


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30万円未満の減価償却資産、一括償却できるのは一時的なものだった?!

【ポイント】
一定の中小企業者等が1件30万円未満の減価償却資産(いわゆる少額減価償却資産)を取得した場合に、一定の要件のもとに全額を損金に算入できる特例制度の適用期限が、平成32年3月31日まで2年間延長されました。(所得税も同様)

180424少額減価償却資産
いわゆる「少額減価償却資産」の特例とは、従業員1,000人以下の中小企業者等が、1件30万円未満の減価償却資産(いわゆる少額減価償却資産)を取得した場合に、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として全額を損金に算入することができる制度です。
かなり使い勝手がよいため、この制度のお世話になった方はかなり多いように感じます。

当たり前のように使っていた制度かもしれませんが、実はこの制度、期限付きの特例措置という扱いに変わりはありません。
平成30年度の税制改正で、適用期限が平成32年3月31日までの2年間、延長されました。所得税についても同様の扱いとなります。

この制度が特例、ということは「本則」もあります。
全ての企業に対して適用される「本則」は以下の通りですのでご注意ください。

●取得価額10万円未満・・・全額損金算入(即時償却)
●取得価額20万円未満・・・3年間で均等償却(3年間で毎年1/3ずつ損金算入できる)
●それ以外・・・通常の減価償却を行なう


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中小企業者向け「所得拡大促進税制」がよりシンプルに

【ポイント】
平成30年度の税制改正で、中小企業者等向けの所得拡大促進税制の見直しが行なわれ、一定の賃上げ等を達成した場合に給与等支給増加額の15%又は25%を税額控除するとされました。
従来よりも、シンプルな制度になったのが特徴です。


180417所得拡大促進税制
青色申告書を提出する中小企業者が国内雇用者に対して賃上げをした場合、法人税が優遇される制度「所得拡大促進税制」です。
平成30年度の税制改正により、よりシンプルな制度として生まれまわりました。

改正前は、給与支給額要件が、基準年度(平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち、最も古い事業年度の直前事業年度)との比較などを含めて3用件を満たす必要がありましたが、改正により、賃上げ率が前年度比1.5%以上の1点になりました。(基準年度との比較要件は廃止

また、税額控除については、原則として給与等支給額の対前年度増加額の15%、一定の基準を満たした場合は25%(いずれも法人税額の20%が上限)となりました。

25%にするための「一定の基準」とは、(1)および(2)を満たすことをいいます。

(1)賃上げ率が前年度比2.5%以上
(2)次の(イ)又は(ロ)のいずれかの要件を満たしていること

 (イ)教育訓練費等が対前年比10%以上増加していること
 (ロ)事業年度終了の日までに、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、その経営力向上計画に従って経営力向上が確実に行なわれたものとして証明されたこと

なお、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用されます。

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「電子帳簿保存」は、パソコンで帳簿を作っていればOK・・・ではない?!

【質問】
パソコンで元帳等のデータを入力・管理している場合、電子帳簿保存しているといってよいのでしょうか?

【回答】
電子帳簿等につき、あらかじめ税務署長等の承認を受け、かつ、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行う場合に限り、電子帳簿保存が認められます。


180313電子帳簿保存
実は国税関係帳簿書類(元帳や注文書、領収書等)は、紙ベースで保存することが原則です。(ですので、会計事務所等に決算をお願いしている場合は、その事務所から元帳等のプリントアウトが届くことがあるかと思います)
国税関係帳簿書類の保存は、申告納税制度の基礎をなすもの、と考えられています。
とはいうものの、取引規模の大きな方にとっては、数年分もの帳簿書類を紙ベースで保存しておくのは非常に困難な場合もあります。

そこで、納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等のために、あらかじめ税務署長等の承認を受け、かつ、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形であれば、電磁的記録等の保存等を行うことができる、とされています。

単純に「パソコンで帳簿を作っているから電子帳簿」というわけではありませんのでご注意ください。


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実は影響が大きい?!営業権の償却方法の変更

【ポイント】
平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。



平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。

「営業権」とは、事業譲渡や企業合併などのM&A取引があった場合に、買い手側の固定資産として計上されるものです。いわゆる「ブランド」や「(老舗の)のれん」のような、目に見えない超過収益力を示すもの、といえます。
これまで、営業権は、減価償却資産として、5年で定額法での償却することとされており、税務上月割計算はしませんでした。
平成29年度の税制改正により、平成29年4月1日以降の取得分について、営業権の償却方法が月割に変更となりました。
これ、実は地味に大きな改正ポイントです。

たとえば、年度末の2ヶ月前に営業権を取得した場合、これまでは営業権の5分の1(1年分)を償却することとされていましたが、月割計算をする場合は営業権の5分の1(1年分)の、さらに2/12(2か月分)が償却額となるため、これまでより償却額が大きく減ることになります。

営業権の償却をするケースはそれほど多くはありませんが、営業権は金額的に大きくなることも多く、影響が大きな改正になりますのでご注意ください。


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