いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/法人税

実は影響が大きい?!営業権の償却方法の変更

【ポイント】
平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。



平成29年度の税制改正において、営業権の償却方法について、取得年度の償却限度額の計算上、月割計算を行うこととなりました。

「営業権」とは、事業譲渡や企業合併などのM&A取引があった場合に、買い手側の固定資産として計上されるものです。いわゆる「ブランド」や「(老舗の)のれん」のような、目に見えない超過収益力を示すもの、といえます。
これまで、営業権は、減価償却資産として、5年で定額法での償却することとされており、税務上月割計算はしませんでした。
平成29年度の税制改正により、平成29年4月1日以降の取得分について、営業権の償却方法が月割に変更となりました。
これ、実は地味に大きな改正ポイントです。

たとえば、年度末の2ヶ月前に営業権を取得した場合、これまでは営業権の5分の1(1年分)を償却することとされていましたが、月割計算をする場合は営業権の5分の1(1年分)の、さらに2/12(2か月分)が償却額となるため、これまでより償却額が大きく減ることになります。

営業権の償却をするケースはそれほど多くはありませんが、営業権は金額的に大きくなることも多く、影響が大きな改正になりますのでご注意ください。


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御社は本当に中小企業者?中小企業向けの租税特別措置法の適用に要注意

【ポイント】
中小企業向けの租税特別措置法について、中小企業の税制優遇の基準「資本金1億円以下」に、「3年平均15億円以下」の所得基準が追加されることになりました。


これまで、中小企業向けの租税特別措置法について、中小企業の税制優遇の基準は「資本金1億円以下」とされてきました。
しかし、平成31年4月1日以後に開始する事業年度から、資本金の基準に加え、所得基準が追加されることとなりました。

新しい基準は「資本金1億円以下」の基準に、「3年平均15億円以下」の所得基準が追加されることになります。
そういえば最近、中小企業向けの税法上の特例措置を受けるため、企業活動や規模に比べて小さな資本金額の企業が見受けられることが話題となっていましたね・・・。

上記規定を受けて、新たな基準を満たさなかった企業が適用除外となる措置は以下の通りです。
・中小法人等の法人税の軽減税率(所得800万円以下の部分に15%)
・研究開発税制(中小企業技術基盤強化税制の適用)
・所得拡大促進税制(給与等支給額の増加要件・税額控除の上限)
・中小企業投資促進税制(特別償却・税額控除)
・商業・サービス業を営む中小企業者等の経営改善設備の特別償却・特別控除
・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

なお、改正の対象となる措置は、租税特別措置法における中小企業向けの優遇税制のみとなっています。
法人税法に規定される中小企業向け措置(例:法人税率の軽減<所得800万円以下の部分に19%>、貸倒引当金の損金算入、欠損金の繰越控除<100%損金算入可>、欠損金の繰戻還付制度、特定同族会社の特別税率の適用除外など)については、今回の改正の影響はありません。

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賃上げするなら今でしょ?!所得拡大促進税制がさらに進化

【ポイント】
給与等支給額の総額が基準事業年度と比べて一定割合以上増加していることなど、一定要件を満たした中小企業等は、現行の10%の税額控除にさらに12%を上乗せ、最大で合計22%の税額控除を受けることができます。



企業等に対する賃上げ支援を税制面で支えてきた「所得拡大税制」
平成29年度の税制改正では、賃上げに踏み切る中小企業を強力に後押しするため、現行の制度をさらに拡充することになりました。

現行の支援措置は、平成24年度からの給与増加額の10%が税額控除されるというものですが、今回の改正ではこれに加え、前年度比2%以上賃上げした中小企業(青色申告法人に限る。青色申告をしている個人事業主もOK)は、最大でその増加額の22%の税額控除を受けることができることになりました。

適用要件は以下の通りです。
(1)給与等支給額(※1)の総額が、平成24年度(基準事業年度※2)と比べて一定割合以上増加していること(平成29年度の場合、基準年度より3%以上増加していること)
(2)給与等支給額の総額が前事業年度以上であること
(3)平均給与支給額(※3)が、前事業年度を上回ること
(上回る率によって税額控除率が変わります)
・2%未満=平成24年度の給与等支給額の総額からの増加額の10%が税額控除
・2%以上=前年度からの増加額について、税額控除額を12%上乗せ(22%)

(※1)ざっくり言うと、その事業年度内の国内雇用者役員等は対象外になります)に対する給与等の支給額をいいます(ただし、出向者の給与などで、出向元から支払われた給与等の金額は除きます)。
(※2)平成25年4月1日以降に新規設立した会社で基準事業年度が存在しない場合は、平成25年4月1日以後に開始する最も古い事業年度(当該事業年度に給与等の支給がない場合は、国内雇用者に対して給与等を支給する最初の事業年度)の給与等支給額の0.7に相当する金額が基準雇用者等給与等支給額となります。
(※3)雇用者1人あたりの月平均給与額です。原則として、継続雇用者(適用を受けようとする事業年度および前事業年度において給与等の支給を受けた国内雇用者)に対する給与等の支給額や雇用者数を用いて計算します。

前年度まで賃上げはしなかったけれど、この制度ができたから使ってみようかな?という方も、適用要件を(1)から1つずつ、順番に確認し、3つの要件を満たしていれば特例を使うことができます。

いつ賃上げするの?今でしょ?!
と、ちょっと前に流行した言葉を使ってみたくなるような制度ですので、検討してみてはいかがでしょうか!


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法人税の申告書ってなんであんなに分厚いの?

【質問】
法人税の申告書ってなんであんなに分厚いんですか?

【回答】
「別表」とよばれる所得金額の計算の明細や税額計算の明細がついているからです。


法人税は、法人の企業活動により得られる「所得」に対して課される税です。
法人税額は「所得」の金額に対して税率を掛け算して、税額控除額があれば差し引いて計算します。

式で書くと
●(所得金額×税率)-税額控除額=法人税額
となります。
申告書を見てもよくわからない!と思われるかもしれませんが、計算していること自体は実はとってもシンプルなのです。

1つずつ見ていくと、まず法人の「所得」の金額は、原則として益金の額(主に売上高や土地・建物の売却収入など)から、損金の額(主に売上原価や販管費、災害等による損失や費用など)を引いた金額になります。

式で書くと
●益金の額-損金の額=法人の「所得」の金額
となります。

これだけ見ると、「普通に当期の利益が所得の金額なのでは?」と思われるかもしれませんが、半分その通りです。
実際の法人税額の計算方法は、税引前当期利益を基礎に、法人税法の規定に基づく一定の加算又は減算(税務調整)を行って、所得金額を算出する、という方法をとります。
この加算や減算の明細や、税額計算の明細が、法人税の申告書の後ろのほうについている「別表」というものになります。

ボリュームのある法人税の申告書ですが、しくみ自体はシンプルなものですので、ご興味があったら一度じっくりご覧になってみてください!


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「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」発表―(1)法人税

【ポイント】
国税庁が発表した「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人税の調査事績として9万4千件の実地調査が行われ、調査対象法人の73%以上の法人に法人税の非違が認められたことがわかりました。


国税庁が「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。

まず、法人税の調査事績の概要について、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人9万4千件について実地調査を実施し、このうち法人税の非違があった法人は6万9千件(うち「不正計算があった件数」は1万8千件)だったことがわかりました。

実地調査件数、非違があった件数、非違があった件数、不正計算があった件数など、平成26事務年度と比べて大きな変化はありません。

実地調査対象法人の実に73%を超える法人に法人税の非違が認められ、重加算税の対象となる「不正計算があった」法人は調査対象法人の約2割にのぼることがわかります。
つまり、実地調査は当局側がそれなりにアタリをつけて調査を行っているのではないか、ということが予想されます。
(実際、申告納税事績等の情報は、国税綜合システム=KSKシステムによって一元管理されており、税務調査や滞納整理の参考として活用されているといいます)

実地調査で多くの法人に非違が認められているとはいえ、日ごろから適正申告・納税をしている法人であれば、何も怖がる必要はありません。
身に覚えがないのに実地調査がくる、となった場合には、顧問税理士を立ち会わせるなど、税務調査への対応も丁寧に行うことも重要ですよ!


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