いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/消費税

個人事業でも消費税の納税義務、あります!-こんな方はご用心-

【質問】
フリーランスで活動している者です。
個人なので消費税については関係ないと考えていいですよね?

【回答】
フリーランスなどの個人事業主であっても、消費税の課税事業者の要件に該当すれば、消費税等の申告・納税義務が発生します。


「個人への支払なので、消費税は関係ない」と考えている方は少なくありません。

しかし、実際のところ、次のいずれかに該当する個人事業者の方は、平成28 年分の消費税及び地方消費税(まとめて「消費税等」といいます)の確定申告が必要です。

(1)基準期間(平成26年分)の課税売上高が1,000万円を超える方
(2)基準期間(平成26年分)の課税売上高が1,000万円以下で、「消費税課税事業者選択届出書」を提出している方
(3)(1)、(2)に該当しない場合で、「特定期間」(平成28年分の場合は、平成27年1月1日から平成27年6月30日までの期間)の課税売上高が1,000万円を超える方(※)

(※)「特定期間」における1,000 万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額によることもできます。

大雑把に言うと、平成26年分の課税売上高(宅地の賃貸料など、課税売上高に含めないものもありますが、ざっくり「売上」の金額と考えてください)が1,000万円を超える方や、平成27年の上半期だけで課税売上高が1,000万円を超えてしまった方は、消費税の申告・納税等の手続きが必要になります。

特に、この年度だけ課税売上高が1,000万円を越えてしまい、ご本人が自覚しないままに消費税の申告・納税義務が発生していることがありますのでご注意ください。

逆に言うと、平成28年分の消費税等について、確定申告が必要な(1)から(3)の要件に当てはまらない方が、平成28年中に設備投資等たくさんの課税仕入(非常にざっくりになりますが「経費」や資産の購入等の支出と考えてください)を行い、消費税の確定申告をすれば消費税が戻ってくるような場合でも、平成27年12月末までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出していない方は、消費税の確定申告ができません。(当然、税金も戻ってきません

設備投資等、大きな支出をする際には消費税等の申告・納税を考えて、早めに手続きをしておくことも重要です。
個人に消費税は関係ない、なんてことはありませんよ!


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

個人の消費税確定申告、みなし仕入率変更にご注意ください!

【ポイント】
個人事業主の平成28年分の消費税の確定申告にあたり、簡易課税制度のみなし仕入率が変更になった業種がありますのでご注意ください。



この時期に「確定申告」といえば、個人の所得税等の確定申告を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、いわゆる「個人の確定申告」は所得税だけではありません。消費税、贈与税など、3月をめどに提出期限がくるものがいくつかあります。

意外に思われるかもしれませんが、個人でも要件を満たした方には消費税の申告・納税義務があります。(個人だから消費税は関係ない、というのは誤解です!)
今日は、個人の消費税の確定申告関連で、平成28年分の申告から適用される簡易課税制度のみなし仕入れ率の改正についてお話しいたします。

簡易課税制度のみなし仕入率は、以下のように改正されています。

●金融業及び保険業が、第四種事業から第五種事業へ(みなし仕入率60%から50%へ)
●不動産業が第五種事業から新たに設けられた第六種事業へ(みなし仕入率50%から40%へ)


この改正は、原則として、個人事業者については、平成28年分から適用されます。(法人の場合は平成27年4月1日以後に開始する課税期間から)

ただし、「消費税簡易課税制度選択届出書」を平成26年9月30日までに提出しており、これにより平成27年分から簡易課税制度を選択した個人事業者については、経過措置により、改正前のみなし仕入率が適用されます。

簡易課税制度を適用している該当業種の個人事業主の方はご注意ください。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」発表―(2)消費税

【ポイント】
国税庁が発表した「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人消費税の調査事績について、調査件数自体は前年度からほぼ横ばいだったにもかかわらず、追徴税額は25%増と大幅に増えていることがわかりました。


国税庁が「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。

平成27事務年度において、法人消費税について、法人税との同時調査として約9万件(前年対比98.7%)の実地調査を実施、このうち消費税の非違があった法人は5万2千件(同99.9%)、その追徴税額は565億円(同125.1%)となりました。

非違が認められる割合は調査対象法人の57%半数以上を占めることになります。
驚くべきは追徴税額の増加で、調査数や非違が認められた法人数は前年比で大きな変化がないものの、追徴税額は25.1%増となっています。
大口の案件があったのかもしれませんが、それだけではなく、注意すべき数字だと思いました。

また、消費税については「消費税還付申告法人に対する取組」ということも積極的に行っています。
虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得るケースが見受けられることから、消費税還付申告法人のうち、不正還付等を行っている疑いのある法人については的確に選定し、厳正な調査が行われるという特徴があります。

平成27事務年度においては、消費税還付申告法人7千5百件(前年対比100.4%)に対して実地調査を行い、消費税152億円(同197.4%)を追徴課税したといいます。
また、非違があった件数のうち、重加算税の対象となる「不正計算があった件数」は約8百件(同105.2%)、これに係る追徴税額は30億円(同266.4%)となりました。
こちらも、調査対象法人数はほぼ横ばいなのに対して、追徴課税額が約2倍から2.5倍に増えている、という気になる結果になりました。

消費税は、赤字法人であっても納税義務が発生する可能性が高く、その金額も決して少なくないという特徴があります。
それだけに、不正も起こりやすいのかもしれません。
消費税の納税資金をあらかじめプールしておくなど、税理士等と相談しながら適正申告・納税の準備をしておくことをオススメいたします!


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

インボイスが発行できない消費税の免税事業者はどうなるの?

【質問】
フリーランスで活動をしている個人事業主ですが、消費税のインボイス方式がはじまった場合、私のような免税事業者はインボイスが発行できないということでしょうか?
仕事に悪影響がでないでしょうか?

【回答】
請求そのものはこれまでどおり行うことは可能です。ただし、免税事業者は消費税額を上乗せして請求することが事実上、できなくなります。



インボイス方式の導入は、消費税法上、大きな転換点となる改正です。
とはいえ、気になる方も多いかと思いますので、私個人の予想や考え方を含めて、考察してみようと思います。

「インボイス方式」とは、消費税法上、課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができる方式のことをいいます。

課税事業者は「インボイス」の発行が義務付けられており、また、自ら発行した「インボイス」の副本の保存が義務付けられていること、「インボイス」に適用税率・税額の記載が義務付けられていること(ただし記載されている事項が整っていれば様式は自由)などといった点に加えて、免税事業者は「インボイス」を発行できないという特徴があります。

そうなると「免税事業者はどのように請求をすればよいのか?事業に影響は出ないのか?」といった疑問が出てくるかと思います。

請求そのものは、インボイス以外の方式(これまでどおりの請求書など)で行うことに問題はありません。
ただし、インボイス方式は、消費税額の計算上、インボイスの記載された税額のみを控除できるしくみですので、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除ができないということになります。

つまり、これまでは免税事業者であっても消費税を上乗せして請求することができたのですが、インボイス方式がはじまると、事実上、免税事業者は消費税を上乗せした金額での請求ができなくなるということです。

免税事業者は、このまま免税事業者を続けるか、あえて課税事業者になるかという決断を迫られることになるかもしれません。

課税事業者になった場合は、売上に消費税を上乗せして請求することができますが、インボイスの発行や管理の事務的な作業量が大幅に増えることになるでしょう。
また、当然のように消費税の納税義務が発生することにも注意が必要です。

免税事業者を続けるとすれば、消費税の納税義務はありませんが、これまで上乗せしていた消費税等は事実上、請求できなくなります。
取引先にも免税事業者であることがわかってしまいますので、取引先の心証も気になります。
実質上の値引きを甘んじて受け入れ、かつ、仕入価格には消費税が含まれるとなると、利益が圧迫される可能性が高いです。
このように、課税事業者になっても免税事業者を続けても、それぞれにメリット・デメリットがあります。

インボイス方式は、平成33年4月からはじまる予定で、まだまだ先の話になります。
制度開始までに、現行制度に改正が加えられる可能性も低くありませんので、今後の法令の動きにも注目したいですね。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

平成33年4月から導入?!消費税の「インボイス方式」って何?

【質問】
消費税の「インボイス方式」ってどういうものなのでしょうか?

【回答】
消費税法において、平成33年4月から導入が予定されている「適格請求書等保存方式」のことをいいます。
「適格請求書等保存方式」(インボイス方式)は、原則として登録を受けた課税事業者が交付する「適格請求書」に従って消費税額の計算を行うことが特徴です。



平成33年4月1日から、消費税法上、適格請求書等保存方式(インボイス方式)が採用される税制改正案が今国会に提出されています。

インボイス方式とは、原則として税務署の登録を受けた課税事業者のみが発行できる「適格請求書」(インボイス)にしたがって消費税額を計算することが特徴です。

まず、売り手側の観点で見ると、インボイスを発行できるのは登録を受けた課税事業者のみとなります。そして事業者から求められた場合の適格請求書の交付・保存が義務付けられます。
インボイスには発行者の名称等、取引年月日、取引の内容、税率ごとに合計した対価の額及び適用税率、消費税額交付を受ける事業者の名称等のほかに、登録番号も記載する必要があります。
税務署への登録は平成31年4月から行える予定です。
なお、免税事業者がインボイスを発行するなど偽りの交付行為については罰則もあります。

買い手側の観点から見ると、インボイスの保存が仕入税額控除の要件となるところがポイントです。
つまり、免税事業者からの仕入れについては、仕入税額控除ができなくなります。

消費税の納税額の計算方法も、これまでは原則として税込価格を税率で割り戻して計算する方法がとられていましたが、インボイス方式のもとでは「適格請求書」に記載された消費税額の積み上げ計算が原則となります。

このように、インボイス方式の導入は、消費税法上、大きな転換になります。
まだ先の話になりますが、今後の動きにもぜひご注意ください。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから