いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/消費税

消費税の軽減税率、平成31年10月1日からです!

【ポイント】
平成31年10月1日から、消費税率が10%に引き上げられるとともに、軽減税率制度も導入されます。(当初は平成29年4月1日からの予定でした)


数年前には大きな話題となっていた消費税等の軽減税率
当初は平成29年4月1日から適用される予定でしたが、消費税等の税率の10%への引き上げ時期が平成31年10月1日に変更となったことに伴い、軽減税率の実施も平成31年10月1日となりました。

そのため、「軽減税率って何だっけ?」となっている方も少なくないかもしれません。
今日は、消費税等の軽減税率制度の概要について改めておさらいいたします。

軽減税率制度は、平成31年10月1日、以下のものの譲渡(平たく言うと「売買」)が対象となります。

(1)飲食料品(酒類を除く)
※ただし、いわゆる「外食」や「ケータリング」は軽減税率の対象外
(2)週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)

軽減税率制度が実施されると、消費税等の税率が軽減税率8%と標準税率10%の複数税率になります。
消費税等の申告等を行うためには、原則として、企業等が取引を税率の異なるごとに区分して記帳するなどの経理(区分経理)をする必要があります。
仕入税額控除の適用のための帳簿、請求書等の保存についても、区分経理に対応した保存が必要になります。

ただし、区分経理をすることができない中小事業者(基準期間における課税売上高が5000万円以下の事業者)については、売上税額や仕入れ税額の特例に係る経過措置もあります。
これについては、平成28年11月の税制改正により、中小事業者以外の事業者については、税額計算の特例は措置されないこととなったのでご注意ください。


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勧告、事業社名の公表も?!―消費税の転嫁拒否

【ポイント】
消費税の転嫁拒否行為について、監視・取締りが行われており、重大な転嫁拒否等があった
事業者については、公正取引委員会が勧告を行い、事業者名等が公表されます。



消費税率(8%・10%)の引上げに当たり、「消費税転嫁対策特別措置法」が施行され、消費税率の引上げに当たって、消費税の転嫁拒否等の行為を禁止しています。
これにより、中小事業者等が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備するため、消費税転嫁対策特別措置法に基づき消費税の転嫁拒否等の行為に対して、監視・取締りが行われています。

平成26年4月1日以降に特定供給事業者(売手)から受ける商品又は役務(サービス)の供給について、特定事業者(買手)が特定供給事業者(売手)に対して消費税の転嫁拒否等の行為を行う場合、規制の対象となります。

禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為は次の5類型です。

『買いたたき』
=買手が、通常支払われる対価に比べて対価の額を低く定めることにより、消費税の転嫁を拒否すること。
『減額』
=買手が、消費税率の引上げ分の全部又は一部を、事後的に減じて支払うことにより、結果として消費税の転嫁を拒否すること。
『商品購入、役務利用、利益提供の要請』
=買手が、消費税の転嫁を受け入れる代わりに、買手の指定する商品を購入させたり、役務(サービス)を利用させたり、また、経済上の利益を提供させる行為を行うこと。
『本体価格での交渉の拒否』
=買手が、価格交渉を行う際、売手から本体価格(税抜価格)での交渉の申出を受けた場合には、その申出を拒否してはいけない。
『報復行為』
=買手は、売手が消費税の転嫁拒否等の行為があるとして公正取引委員会等にその事実を知らせたことを理由として、取引数量を減じたり、取引を停止したり、不利益な取扱いを行ってはいけない。

 特定事業者(買手)が消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、公正取引委員会等による調査が行われ、転嫁拒否による不利益の回復など必要な指導が行われます。
 また、重大な転嫁拒否等の行為を行った事業者に対しては、公正取引委員会が勧告を行い、事業者名等が公表されます。


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個人事業でも消費税の納税義務、あります!-こんな方はご用心-

【質問】
フリーランスで活動している者です。
個人なので消費税については関係ないと考えていいですよね?

【回答】
フリーランスなどの個人事業主であっても、消費税の課税事業者の要件に該当すれば、消費税等の申告・納税義務が発生します。


「個人への支払なので、消費税は関係ない」と考えている方は少なくありません。

しかし、実際のところ、次のいずれかに該当する個人事業者の方は、平成28 年分の消費税及び地方消費税(まとめて「消費税等」といいます)の確定申告が必要です。

(1)基準期間(平成26年分)の課税売上高が1,000万円を超える方
(2)基準期間(平成26年分)の課税売上高が1,000万円以下で、「消費税課税事業者選択届出書」を提出している方
(3)(1)、(2)に該当しない場合で、「特定期間」(平成28年分の場合は、平成27年1月1日から平成27年6月30日までの期間)の課税売上高が1,000万円を超える方(※)

(※)「特定期間」における1,000 万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額によることもできます。

大雑把に言うと、平成26年分の課税売上高(宅地の賃貸料など、課税売上高に含めないものもありますが、ざっくり「売上」の金額と考えてください)が1,000万円を超える方や、平成27年の上半期だけで課税売上高が1,000万円を超えてしまった方は、消費税の申告・納税等の手続きが必要になります。

特に、この年度だけ課税売上高が1,000万円を越えてしまい、ご本人が自覚しないままに消費税の申告・納税義務が発生していることがありますのでご注意ください。

逆に言うと、平成28年分の消費税等について、確定申告が必要な(1)から(3)の要件に当てはまらない方が、平成28年中に設備投資等たくさんの課税仕入(非常にざっくりになりますが「経費」や資産の購入等の支出と考えてください)を行い、消費税の確定申告をすれば消費税が戻ってくるような場合でも、平成27年12月末までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出していない方は、消費税の確定申告ができません。(当然、税金も戻ってきません

設備投資等、大きな支出をする際には消費税等の申告・納税を考えて、早めに手続きをしておくことも重要です。
個人に消費税は関係ない、なんてことはありませんよ!


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個人の消費税確定申告、みなし仕入率変更にご注意ください!

【ポイント】
個人事業主の平成28年分の消費税の確定申告にあたり、簡易課税制度のみなし仕入率が変更になった業種がありますのでご注意ください。



この時期に「確定申告」といえば、個人の所得税等の確定申告を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、いわゆる「個人の確定申告」は所得税だけではありません。消費税、贈与税など、3月をめどに提出期限がくるものがいくつかあります。

意外に思われるかもしれませんが、個人でも要件を満たした方には消費税の申告・納税義務があります。(個人だから消費税は関係ない、というのは誤解です!)
今日は、個人の消費税の確定申告関連で、平成28年分の申告から適用される簡易課税制度のみなし仕入れ率の改正についてお話しいたします。

簡易課税制度のみなし仕入率は、以下のように改正されています。

●金融業及び保険業が、第四種事業から第五種事業へ(みなし仕入率60%から50%へ)
●不動産業が第五種事業から新たに設けられた第六種事業へ(みなし仕入率50%から40%へ)


この改正は、原則として、個人事業者については、平成28年分から適用されます。(法人の場合は平成27年4月1日以後に開始する課税期間から)

ただし、「消費税簡易課税制度選択届出書」を平成26年9月30日までに提出しており、これにより平成27年分から簡易課税制度を選択した個人事業者については、経過措置により、改正前のみなし仕入率が適用されます。

簡易課税制度を適用している該当業種の個人事業主の方はご注意ください。


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「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」発表―(2)消費税

【ポイント】
国税庁が発表した「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人消費税の調査事績について、調査件数自体は前年度からほぼ横ばいだったにもかかわらず、追徴税額は25%増と大幅に増えていることがわかりました。


国税庁が「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。

平成27事務年度において、法人消費税について、法人税との同時調査として約9万件(前年対比98.7%)の実地調査を実施、このうち消費税の非違があった法人は5万2千件(同99.9%)、その追徴税額は565億円(同125.1%)となりました。

非違が認められる割合は調査対象法人の57%半数以上を占めることになります。
驚くべきは追徴税額の増加で、調査数や非違が認められた法人数は前年比で大きな変化がないものの、追徴税額は25.1%増となっています。
大口の案件があったのかもしれませんが、それだけではなく、注意すべき数字だと思いました。

また、消費税については「消費税還付申告法人に対する取組」ということも積極的に行っています。
虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得るケースが見受けられることから、消費税還付申告法人のうち、不正還付等を行っている疑いのある法人については的確に選定し、厳正な調査が行われるという特徴があります。

平成27事務年度においては、消費税還付申告法人7千5百件(前年対比100.4%)に対して実地調査を行い、消費税152億円(同197.4%)を追徴課税したといいます。
また、非違があった件数のうち、重加算税の対象となる「不正計算があった件数」は約8百件(同105.2%)、これに係る追徴税額は30億円(同266.4%)となりました。
こちらも、調査対象法人数はほぼ横ばいなのに対して、追徴課税額が約2倍から2.5倍に増えている、という気になる結果になりました。

消費税は、赤字法人であっても納税義務が発生する可能性が高く、その金額も決して少なくないという特徴があります。
それだけに、不正も起こりやすいのかもしれません。
消費税の納税資金をあらかじめプールしておくなど、税理士等と相談しながら適正申告・納税の準備をしておくことをオススメいたします!


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