いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/所得税

勤続5年以下の役員は、退職金への課税が大幅UP?!

【ポイント】
特定役員(勤続5年以下の役員)の特定役員退職手当等の退職所得の金額は、特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とされています。
通常の退職所得に比べて所得金額が大きくなりがちですので注意が必要です。

180522請求書
通常、退職金に対する「退職所得の金額」は、原則としてその年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされています。

しかし、特定役員の退職金(特定役員退職手当等)については、この残額の2分の1とする措置がなく、特定役員退職手当等の退職所得の金額は、特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とされています。

ざっくり言うと、特定役員退職手当等については、退職所得の金額の半減措置がないため、退職所得が大きくなり、結果として所得税額も大きくなりがちである、ということです。

ちなみに「特定役員退職手当等」とは、特定役員(役員等勤続年数が5年以下である人)が、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。

勤続年数が5年以下の役員の方がいる場合は、役員の方への説明も必要になりますので、十分にご注意ください。

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災害を受けたときの所得税-災害減免法による所得税の軽減措置

【ポイント】
災害のあった年分の所得金額が1,000万円以下の方で、震災、風水害、火災等の災害によって住宅や家財に一定の損害を受けたときは、一定の条件のもと、災害減免法により所得税が減免措置されます。

180403確定申告

今年は大きな災害が立て続けに起きていますので、災害減免法による所得税の軽減措置について少しご説明いたします。
災害によって住宅や家財に損害を受けたときは、災害減免法により所得税が軽減免除されます。

災害のあった年分の所得金額が1,000万円以下の方で、震災、風水害、火災等の災害によって受けた損害額が住宅又は家財の2分の1以上で、かつ、雑損控除の適用を受けない場合は、所得金額に応じて所得税額が軽減免除されます。

具体的には、所得金額が500万円以下の方は所得税の全額が免除され、所得金額が500万円を超え750万円以下の方は所得税額の2分の1が、所得金額が750万円を超え1,000万円以下の方は所得税額の4分の1が、軽減されます。

この場合の「住宅又は家財」とは、納税者、生計を一にする配偶者等でその年の総所得金額等が38万円以下である者が所有する住宅又は日常生活に通常必要な家具、じゅう器、衣服、書籍その他の家庭用動産をいいます。「生活に必要な家財道具」のようなイメージです。
そのため、別荘や書画、骨とう、娯楽品等で生活に必要な程度を超えるものは含まれません。

もし、会社員等の給与所得者が、災害減免法により源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予又は還付を受けた場合は年末調整されませんので、注意が必要です。
この場合、確定申告により所得税及び復興特別所得税を精算することになります。
また、この軽減免除に代えて雑損控除の適用を受けることもできます。


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「ふるさと納税」、一部自治体は対象外になる可能性も?!

【ポイント】
野田総務大臣が、ふるさと納税制度について「過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討する」ことを明らかにしました。
総務省において、見直し案を取りまとめ、与党の税制調査会において議論される予定です。

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9月11日の閣議後会見において、野田総務大臣が、ふるさと納税制度について「過度な返礼品を送付し、制度の趣旨を歪めているような団体については、ふるさと納税の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討する」ことを明らかにしました。

もともと、ふるさと納税は、地方で生まれ育った方たちが故あって地方を離れ、都市部等で社会人として収入を得る中、それを直接今の制度では返すことができないという中で、ふるさとを思う気持ちを寄付という形で届ける、というコンセプトのもと、自分たちの応援したい自治体に寄付をすることによって住民税や所得税に一定の控除額が認められる、というものです。

ふるさと納税制度ができた当初は、寄付と控除という関係性だけでしたが、多くの人たちにふるさとを、その地方を思い出してもらうために「返礼品」という形が生まれ、実際に多くの人がふるさと納税の存在を知り、制度利用が進むようになりました。

ところが、返礼品自体が本来の趣旨とは違う、全く地元にかかわりのない高額商品を提供することによって、多額の寄付を求めるというケースも顕著になってきました。
そこで、総務省はこれまでに2回、返礼割合は3割以内におさめること、返礼品は地場産品にすることなど、本来の趣旨に沿ったものにするよう、自治体に求めてきたといいます。

結果として、返礼割合が3割以上だった自治体は1156自治体から246自治体に減少したといいますが、依然として一部の自治体は通知に沿った対応が行なわれない状況があるといいます。
一方で、通知に沿って返礼品の見直しを行なった自治体からは「正直者がバカを見ないようにしてほしい」という要望もある、といいます。

こうしたことを踏まえて、制度本来の趣旨を取り戻すため、今回の見直し検討を決めたといいます。
総務省において、見直し案を取りまとめ、与党の税制調査会において議論を進める予定です。

ふるさと納税という制度は、とてもいい制度だと思います。
たとえば、被災自治体に寄付という形で支援ができ、さらに税制面で恩恵を受けることができることから、災害時における自治体支援の新しい形ができつつあるように思います。
ふるさと納税ワンストップ制度など、使い勝手がよくなる制度も充実しつつある今ですので、今後の議論には注目したいと思います!


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仮想通貨の補償を金銭で受けた場合の取り扱い

【質問】
仮想通貨を預けていた仮想通貨交換業者が不正送信被害に遭い、預かった仮想通貨を返還することができなくなったとして、日本円による補償金の支払を受けました。
金額は、預けていた仮想通貨の保有数×返還できなくなった時点での時価相当額です。
この補償金は、所得税の計算上、どのように取り扱えばよいでしょうか?
180207ビットコイン
【回答】
補償金という名目であっても、ご相談のケースではその補償金は雑所得として取り扱うこととなります。



一般的に、損害賠償金として支払われる金銭であっても、本来所得となるべきもの又は得べかりし利益を喪失した場合にこれが賠償されるときは、非課税にならないものとされています。

一般的に、顧客から預かった仮想通貨を返還できない場合に支払われる補償金は、返還できなくなった仮想通貨に代えて支払われる金銭であり、その補償金と同額で仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれているものと考えられます。

今回のご相談は、一般的なケースに該当するものと思われますので、その補償金は、非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となります。
ちなみに、補償金の計算の基礎となった1単位当たりの仮想通貨の価額がもともとの取得単価よりも低額である場合には、雑所得の金額の計算上、損失が生じます。その場合には、その損失を他の雑所得の金額と通算することができます。

なお、実務上は顧客と仮想通貨交換業者の契約内容やその補償金の性質などを総合勘案して判断することになりますので、判断に迷うときは税務署や税理士等の専門家へお問い合わせください。


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会社員の皆様に朗報?!スマホで確定申告ができるようになります

【ポイント】
スマートフォンやタブレットでも、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」から所得税の確定申告書の作成ができるようになります。
平成31年1月から適用予定です。

180828スマホ

平成31年1月から、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、スマートフォンやタブレット(以下「スマホ等」)でも所得税の確定申告書の作成ができるようになります。

年末調整済みの給与所得者(会社員等)の皆様で、医療費控除又はふるさと納税などの寄附金控除を適用して申告する方は、スマホ専用画面からの申告が可能になります。

スマホ等から申告書を作成し、ID・パスワード方式を利用して送信すれば申告が完了します。
ID・パスワード方式は、税務署で職員との対面による本人確認に基づいて税務署長が通知した「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載された e-Tax用のID・パスワードを利用して「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxによる送信ができるようにするやり方で、マイナンバーカードやICカードリーダライタをお持ちでない方でも利用できます。

e-Taxで送信すれば、源泉徴収票など書面で提出が必要な添付書類の提出は不要です。(ただし、ご自宅で保管する必要があります。)
申告書の控えはPDF形式でスマホ等に保存できるので安心ですね。

ID・パスワード方式は、税務署での職員との対面による本人確認が必要ですが、対面の時間が取れない方は、スマホで申告書を作成し、ご自宅のプリンタやコンビニのプリントサービスを利用して印刷し、税務署に提出することもできます。

医療費控除やふるさと納税の申告書作成は、それほど複雑ではないものの、自宅に帰ってのんびりしたいときに申告書を作成するのはなんとなく面倒くさい?!と思う方も少なくないはずです。
出先などのちょっとした時間に申告書が作れたらとても便利だと思いますので、利用してみてはいかがでしょうか?!

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