いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/所得税

海外転勤者などもNISA口座が継続利用できるように!-平成31年度税制改正大綱

【ポイント】
平成31年度税制改正大綱に、海外転勤等で一時的に出国する居住者等であっても、一定の要件を満たした場合は引き続きNISA口座を利用できることが盛り込まれました。

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120万円までの投資なら株や投資信託などで得た利益(配当金、売却益)が非課税となるNISA(少額投資非課税制度)
資産運用の一つの形として、口座を開設されている方も多いのではないでしょうか。

実はこのNISA(一般NISA、つみたてNISA)口座は、居住者等が海外転勤等により一時的に出国する場合、NISA口座から課税口座へ移管しなければならないという手続き上の煩雑さがありました。
平成31年度税制改正大綱では、この煩雑さに対する改正が盛り込まれています。

改正案では、居住者等がその出国の日の前日までに「継続適用届出書」を提出することで、その出国時から次の(1)または(2)のいずれか早い日までの間は居住者等に該当する者とみなして引き続きNISA口座が利用できる、とされています。

(1)「帰国届出書」を提出する日
(2)当該継続届出書を提出した日から起算して5年を経過する日の属する12月31日


なお、国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなること)をする場合の譲渡所得等の特例(国外転出時課税)の対象となる者は、「継続適用届出書」の提出はできません。
また、「帰国届出書」を提出する日までは、上場株式等を口座で受け入れることはできません。

継続届出書を提出した方が、当該届出書を提出した日から5年を経過する日の属する年の12月31日までに帰国届出書を提出しなかった場合には、同日において「非課税口座廃止届出書」を提出したものとみなし、NISA口座が廃止となる点にもご注意ください。

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老人ホームに入居した被相続人と「空き家に係る譲渡所得の3,000万円控除の特例」-平成31年度税制改正大綱

【ポイント】
被相続人が老人ホーム等に入居し、そのまま自宅に戻ることなく亡くなった場合などでも「空き家に係る譲渡所得の3,000万円控除の特例」が利用できるよう、居住用家屋の要件が改正されることが、平成31年度の税制改正大綱に盛り込まれました。

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親が老人ホームに入所し、それまで親が住んでいたマイホームが空き家になります。
万一、親がそのまま老人ホーム等で亡くなった場合、親が住んでいた空き家に関する譲渡所得の取り扱いについて、平成31年度の税制改正大綱で改正が盛り込まれました。

現行の制度では、相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から2019年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。
(いわゆる「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」です)

今回の税制改正大綱で盛り込まれたのは、この特例の「居住用家屋」の要件に関する改正です。
現行制度の「居住用家屋」は、相続開始直前において被相続人(親など)の居住の用に供されていたこと、相続開始直前において被相続人以外に居住していた人がいないことが要件となっています。

しかし、現行の要件の場合、たとえば親が介護の必要性などから自宅に住み続けることができず、やむなく老人ホーム等に入居し、そのままマイホームに戻ることなく亡くなった場合、空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例を受けることができないという問題がありました。

そこで、今回の税制改正では、一定の要件を満たす場合には、被相続人の居住の用に供されていたものとして特例を受けることができる、ということが盛り込まれています。

その要件とは次の通りです。
(1)被相続人について
・介護保険法に規定する要介護認定等を受けていること
・相続開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと
(2)被相続人の居住用家屋について、被相続人が老人ホーム等に入所したときから相続開始直前まで、
・被相続人による一定の使用がなされていること
・事業の用、貸付の用、被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと


この改正は、2019年4月1日以後に行なう被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等の譲渡について適用されます。

高齢化、核家族化が進む現代の事情にあわせた改正、といえるでしょう。

なお、与党の税制改正大綱とは、与党が税制調査会を中心に翌年度以降にどのように税制を変えるべきかを話し合い、まとめたもので、政府は大綱に従って通常国会に税制改正法案を提出するものです。したがって、現段階では法制化されたものではありませんので、今後の審議の行方にご注目ください。

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公的年金と確定申告

【ポイント】
原則として、公的年金等に係る雑所得のみで、公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いて残額がある方は、確定申告書の提出が必要となります。



公的年金等に係る雑所得のみで、公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いて残額がある方は、確定申告書の提出が必要です。
ただし、公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において、公的年金等に係る雑所得以外の各種の所得金額が20万円以下である場合には、所得税等の確定申告は必要ありません。

最近では、公的年金等を受けながらアルバイト等のお仕事を続けられる方や、ふるさと納税や公益法人等への寄附によって所得税の還付が受けられる方もいらっしゃいます。
この場合は、確定申告が必要になることもありますので、注意が必要です。

また、所得税等の確定申告が必要ない場合であっても住民税の申告が必要な場合があります。細かい点は自治体によって異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村の窓口にお尋ねください。


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確定申告ナシにふるさと納税の恩恵が?!「ふるさと納税ワンストップ特例制度」

【質問】
会社員がふるさと納税した場合、確定申告をしないですむ制度があると聞きました。
どうすればよいですか?

【回答】
確定申告の不要な給与所得者等が寄附を行う場合、一定の手続きを行った方については、確定申告を行わずにふるさと納税の寄附金控除を受けられる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」があります。

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年末が近づくにつれてよく見かけるようになったCMの一つが、ふるさと納税のポータルサイトのCMです。いくつものふるさと納税ポータルサイトがあることに驚いていますが、それだけ制度が浸透してきているということなのでしょうね。

総務省のホームページには、「最近、ふるさと納税を巡り、寄附金の詐取を目的とする複数の偽サイトが存在する旨報じられており、実際に寄附者が金銭をだまし取られる被害も発生しています。
怪しいと感じた場合は、お申し込みをされる前にご確認いただく等、悪質な詐欺には十分にご注意ください。」
という注意喚起もありますので、この点もぜひご注意ください。

さて、質問の回答に戻りますが、確定申告の不要な給与所得者等が寄附を行う場合、確定申告を行わずにふるさと納税の寄附金控除を受けられる特例があります。
これを「ふるさと納税ワンストップ特例制度」といいます。

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を受けるためには、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、それぞれに申請書を提出する必要があります。

なお、「ふるさと納税ワンストップ特例」の適用に関する申請書を提出された方が確定申告を行う場合には、ワンストップ特例の適用を受けることができません。
確定申告を行う際に、全てのふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含める必要があります。
たとえば、いつもは確定申告をしない会社員の方でも、いわゆる「住宅ローン控除」の初年度にあたる場合は、確定申告が必要になるので注意が必要です。

ふるさと納税に関して所得税及び復興特別所得税の確定申告(いわゆる「確定申告」)を行った場合、所得税のほか、住民税から寄附金控除を受けることができます。
一方、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用を受ける方は、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う住民税の減税という形で控除が行われます。


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勤続5年以下の役員は、退職金への課税が大幅UP?!

【ポイント】
特定役員(勤続5年以下の役員)の特定役員退職手当等の退職所得の金額は、特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とされています。
通常の退職所得に比べて所得金額が大きくなりがちですので注意が必要です。

180522請求書
通常、退職金に対する「退職所得の金額」は、原則としてその年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされています。

しかし、特定役員の退職金(特定役員退職手当等)については、この残額の2分の1とする措置がなく、特定役員退職手当等の退職所得の金額は、特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とされています。

ざっくり言うと、特定役員退職手当等については、退職所得の金額の半減措置がないため、退職所得が大きくなり、結果として所得税額も大きくなりがちである、ということです。

ちなみに「特定役員退職手当等」とは、特定役員(役員等勤続年数が5年以下である人)が、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。

勤続年数が5年以下の役員の方がいる場合は、役員の方への説明も必要になりますので、十分にご注意ください。

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