いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/源泉所得税

講演講師に「お車代」を払ったときの取り扱い

【質問】
講演講師に「お車代」を支払いました。この場合、源泉税はどのように取り扱えばよろしいでしょうか?

【回答】
「お車代」の名目であっても実質的に講演講師料であるならば、源泉所得税の対象となり、旅費や宿泊費などの支払も原則的には報酬・料金等に含まれます。



講演講師に対して講演料を支払うときは、報酬・料金等として所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。

時には、講演講師に対してお車代や謝金、取材費、調査費などの名目で支払をする場合がありますが、これらの実態が講演料と同じ場合には、すべて源泉徴収の対象になります。

ただし、旅費や宿泊費として通常必要な範囲の金額で、報酬・料金等の支払者が直接ホテルや旅行会社等に支払うような場合(=講演などの依頼者が、講師の旅費や宿泊費を手配してもらった旅行会社に直接支払いをする場合)は、報酬・料金等に含めなくてもよいことになっています。
ちなみに、この場合は旅費交通費として扱い、源泉徴収の対象外となります。

配偶者控除等、見直しへ―平成29年度 与党税制改正大綱―

【ポイント】
平成29年度の与党税制改正大綱が公表され、所得税・個人住民税の配偶者控除・配偶者特別控除の見直しが明記されました。



平成29年度の与党税制改正大綱が公表されました。
「個人所得課税改革、企業の『攻めの投資』や賃上げの促進など経済の好循環の強化、ローカルアベノミクスの推進、酒税改革などに取り組む。あわせて、日本企業の健全な海外展開を支えつつ、国際的な租税回避に効果的に対応できるよう、国際課税の見直しを進める。」
という与党税制改正大綱の中でも、特に注目されたのが、所得税・個人住民税の配偶者控除・配偶者特別控除の見直しについてです。

以下、国税(所得税)のポイントについてお話しいたします。(個人住民税もおおむね同じような適用となります)

まず、配偶者控除について。
現在は、原則として納税者に所得税法上の控除対象配偶者(生計を一にする配偶者で、年間の合計所得金額が38万円以下(給与所得のみの場合、給与収入が103万円以下)であるなど一定の要件を満たす配偶者)がいる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができるとされています。

今回の税制改正大綱では、納税者の合計所得金額が900万円以下の場合はこれまでどおり38万円の配偶者控除が受けられますが、900万円を超えると段階的に控除額が小さくなり合計所得金額が1,000万円を超える納税者については、配偶者控除の適用ができなくなる、とされています。

次に配偶者特別控除について、所得控除額38万円(注)の対象となる配偶者の合計所得金額の上限が、現行の40万円未満から85万円(給与所得のみの場合、給与収入150万円)以下に引き上げられます。
(注)合計所得金額900万円以下の納税者の場合。

給与収入150万円という水準は、安倍内閣が目指している最低賃金の全国加重平均額である1,000円の時給で1日6時間、週5日勤務した場合の年収(144万円)を上回るものとなります。

さらに、給与収入のみの配偶者の収入が150万円を超えたあとは、201万円にかけて段階的に控除額が小さくなります。

これまでも、配偶者特別控除の導入によって、配偶者の給与収入が103万円を超えても世帯の手取り収入が逆転しないしくみになっていて、税制上はいわゆる「103万円の壁」は解消していましたが、長らく103万円の壁は心理的な壁として作用していることが指摘されていました。
今回の税制改正大綱で、150万円という数字が大きく報道されたため、103万円の心理的な壁がなくなるかもしれませんね。

※なお、与党税制改正大綱とは、次の年度の税制改正の主要項目や今後の税制改正に当たって、与党の基本的な考え方を示したものです。
そのため、現時点では決定事項ではありません。
正式な法令等の改正内容やタイミングにご注意ください。


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今年の年末調整でのマイナンバーの取り扱いについて

【質問】
すでに社内規定により従業員のマイナンバーを収集しています。
この場合、年末調整の書類に改めてマイナンバーを記載してもらう必要はあるのでしょうか?

【回答】
社内規定等に基づいてマイナンバーをすでに提出してもらっている場合、規定により提出を受けたマイナンバーを利用することができます。



当初は、年末調整の際に扶養控除等申告書などにマイナンバーを記載してもらうことになっていました。
しかし、年末調整書類へのマイナンバー記載は強制ではなくなったため、別の形でマイナンバーを収集した皆様も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
そういった場合、今回のご相談のように年末調整で改めてマイナンバーを記載してもらう必要があるのか、という質問をよく耳にします。

まず、年末調整にあたっては、従業員からマイナンバーを報告してもらう必要があります。
その際、社内規程等に基づき、すでに従業員からマイナンバーを提出してもらい、管理しているのならば、その管理しているマイナンバーを使って年末調整事務を行うことができます。

また、すでに社内規定等に従ってマイナンバーを提出してもらっている場合、今年の年末調整では、扶養控除等申告書などの年末調整関係書類に「別途報告済みのマイナンバーと相違なし」というメモ(記載)を添えればOKです。

具体的には、年末調整関係書類のマイナンバー記載欄に「報告済みのマイナンバーと相違なし」といったスタンプを押すなどの措置をとれば大丈夫です。


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通勤手当の非課税限度額、拡大。実は中小企業にとって朗報?!

【ポイント】
平成28年度の与党税制改正大綱に、通勤手当の非課税限度額が現行月額10万円のところ、月額15万円に引き上げられることが明記されました。



平成28年度の与党税制改正大綱に、通勤手当の非課税限度額を月額15 万円(現行:10 万円)に引き上げることが明記されました。
また、高速バスなど有料道路を利用する通勤者の手当も、上限を10万円から15万円に引き上げることとなりそうです。

この改正は、平成28 年1月1日以後に受けるべき通勤手当について適用される予定です。

この改正により、東京や新大阪から約200キロ圏内の新幹線通勤がカバーできるようになる、といわれています。
具体的には、従来の非課税枠では東京-三島だったところが東京-静岡までに、東北新幹線は東京-小山が東京-那須塩原までに、山陽新幹線は新大阪-姫路が新大阪-岡山にまで延びるといわれています。

これだけ聞くと多くの会社では、「うちの会社では、わざわざ15万円もかけて遠方から通ってもらう必要はないから…」と思われるかもしれませんね。
ただ、私は改正の本質はもっと別のところにあると思います。

この改正の目的は、「地方在住の従業員が働き続ける環境づくりを推進」することではないかと思います。

実際問題、地方に住みながら毎日出勤するのは時間的にも体力的にもかなり大変ですので、非課税枠が増えたからといって、これまでどおりの枠組みで遠距離通勤者が劇的に増えるとは思えません。

ただし、今の世の中ならばクラウドサービス等を利用することにより、わざわざ仕事場へ足を運ばなくとも仕事ができるようにするなど、在宅ワークの仕組みを整えること等によって、地方に住みながら働き続けてもらうことは可能です。
その上で必要に応じて通勤してもらう、という勤務形態も十分にありえるでしょう。

こうした仕組みづくりが進めば、地方に住む優秀な人材を自社に取り込むことができるようになるのでは、と考えています。
人材の確保に苦労することの多い中小企業にとって、長い目で見れば大きなプラスになる改正なのでは、と思います!

通勤手当の非課税枠の拡大も、企業の捉え方ひとつで意義が変わってくると思います。


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忘れがち?!復興特別所得税の計算

【ポイント】
年末調整で年税額を計算する際、復興特別所得税を含めた年税額(年調年税額)を計算してください。



サラリーマン等、お勤めをされている方(所得税の源泉徴収義務者)は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間、源泉所得税を徴収する際に復興特別所得税を併せて徴収することとなっています。

そのため、年末調整において年税額を計算する際にも、復興特別所得税を含めた年税額(以下「年調年税額」)を算出する必要があります。

年調年税額は、算出所得税額から(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を控除した後の税額(年調所得税額)に102.1%を乗じて算出(100円未満は切り捨て)します。

実は、復興特別所得税が課税されなかった平成24年以前は、年調所得税額がその方の給与に対する源泉所得税額になっていました。
そのため、平成24年分以前の源泉徴収簿を使っている場合や、平成24年以前の制度に対応した給与ソフト等を使っている場合、102.1%を乗じた年調年税額を計算し忘れるということが意外と起こりがちなようです。

年末調整の際、今一度ご確認下さい!


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