いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/相続・贈与税

海外居住者に対する国外財産への課税義務、居住年数に要注意

【ポイント】
相続人と被相続人双方が一定期間、海外居住している場合、国外財産の課税がなくなる制度につき、居住期間の要件が「5年超」から「10年超」に延長されました。



これまでは、5年超日本に住所のない親から、5年超日本に住所がない子への相続または贈与について、国外財産に対しては課税を免れることができました。

しかし、この制度を利用して、一部の富裕層の間で親と子の双方が相続税や贈与税の制度がないシンガポールや香港等に住所を移し、5年を経過した後に国外に移した財産を贈与(または相続)させるという租税回避的な行為が見られるようになりました。

こうした問題点を踏まえて、平成29年度の税制改正により、海外居住者に対する相続税・贈与税の納税義務に関して、居住期間の要件が「5年超」から「10年超」に延長されることとなりました。

この制度は、平成29年4月1日以後の相続等から適用されています。
制度的にはすでに始まっておりますのでご注意ください。

相続手続がちょっとラクになるかも?!法定相続情報証明制度、スタート

【ポイント】
平成29年5月29日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用できる「法定相続情報証明制度」がスタートし、相続手続が少しラクになるのでは、と期待されています。


昨日(平成29年5月29日)から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタートしました!
この制度を利用することで、各種相続手続で戸籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなるため、相続手続が少しラクになるのでは、と期待されています。

法定相続情報証明制度は(1)資料収集、(2)法定相続情報一覧図の作成、(3)申出書の記入・登記所へ申出、の3段階を経て、法定相続情報一覧図の写しが必要部数、無料で公布されます。
これを戸籍謄本の束の代わりとして、各種相続手続に使うことができます。

まず資料収集。
・被相続人(亡くなられた方)の戸除籍謄本と住民票の除票、
・相続人の戸籍謄抄本、
・申出人(相続人の代表となって手続を進める方)の氏名・住所を確認することができる公的書類
(運転免許証のコピー、マイナンバーカードの表面のコピーなど。原本と相違がない旨を記載し、申出人の記名・押印が必要です)

に加え、必要に応じて各相続人の住民票の写しや、委任状(委任による代理人が申出の手続をする場合)など、必要に応じて一定の書類を準備します。

次に、法定相続情報一覧図の作成。
A4サイズの白い紙に、被相続人と相続人の関係図のようなものを書きます。
具体的な書き方(主なものの事例)は、法務局のホームページをご参照ください▼
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html

最後に、申出書に必要事項を記入、(1)で準備した書類、(2)で作成した法定相続情報一覧図とあわせて登記所へ申出をします。
申出をする登記所は、被相続人の本籍地、被相続人の最後の住所地、申出人の住所地、被相続人名義の不動産の所在地のいずれかを管轄する登記所から選択可能です。
また、申出や一覧図の写しの交付は、郵送によることが可能です。(この場合、切手を貼った返信用封筒を同封してください)
一覧図の写しは、相続手続に必要な通数、交付されるので、必要通数を確認しておくことも大事ですよ!


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夫名義でマンション購入、ローンは夫婦で返済-贈与にご用心?!

【質問】
夫婦でマンションを購入することにしました。
私たちは共働きなので、マンションの名義を夫としますが、ローンは夫婦の連帯債務で、ローンの返済は共働きの収入から行いたいと思っています。
この場合、贈与税等の問題はあるのでしょうか?

【回答】
マンションの名義が夫単独であるにもかかわらず、ローンの返済は夫婦で行うような場合、ローン返済の年ごとに妻から夫に贈与があったものとされるため、注意が必要です。



ご相談の方のように、マンションの名義が夫単独であるにもかかわらず、ローンの返済は夫婦で行うような場合、ローン返済の年ごとに妻から夫に贈与があったものとされます。
その年のローン返済額に妻の所得が夫婦の所得の合計に占める割合を乗じて計算した金額がその年の贈与額になり、一定金額以上に達した場合には贈与税が課税されますので注意が必要です。

これを避けるために、マンションを夫と妻の名義にすることが考えられます。
この場合も、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合が異なっている場合には、贈与税の問題が生ずることがありますのでご注意ください。


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最大3,000万円の贈与税が非課税に?!の「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」に災害対応の改正が―平成29年度与党税制改正大綱―

【ポイント】
平成29年度の与党税制改正大綱に、「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」について、新築時期の要件や住み始めの時期に関する要件が一定の災害時に緩和されることが盛り込まれました。


「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度とは、平成27 年1月1日から平成33 年12 月31 日までの間に父母や祖父母など(=直系尊属)から、マイホームの新築、取得又は増改築等(=新築等)に充てるための金銭(=住宅取得等資金)をもらったとき(=贈与を受けたとき)、一定の要件を満たすときは、贈与税が非課税(一定の非課税限度額あり)となる制度です。

贈与税の申告手続きが必要になるものの、非課税限度額が大きい(最大3,000万円)ため、この制度を使う方も少なくありません。

この制度について、平成29年度の与党税制改正大綱で少し改正のポイントがありました。

「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度の適用を受けるための「一定の要件」の中には
●新築時期の要件
贈与を受けた年の翌年3月15 日までに、住宅取得等資金の全額を充ててマイホーム等の新築等をすること。
●住み始めの時期に関する要件
贈与を受けた年の翌年3月15 日までに新しいマイホームに居住すること、又は同日後遅滞なく新しいマイホームに居住することが確実であると見込まれること。
(ただし、贈与を受けた年の翌年12 月31 日までにその家屋に居住していないときは、この制度の適用を受けることができなくなり、贈与税の修正申告が必要になります。)
があります。

これらの要件につき、災害等やむをえない事情がある場合には、その時期に関する要件が緩和されることが盛り込まれました。

具体的には、
●そのマイホーム等が災害により滅失等したことによって住むことができない状態であれば、居住要件は免除される。
●また、災害等によるやむをえない事情により、翌年12月31日までに住み始めることができなかった場合は、その居住期限をその贈与を受けた年の翌々年12月31日まで延長する。
災害等に起因するやむをえない事情により贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築ができなかったときも、翌々年3月15日までに新築をすれば、この制度の適用を受けることができる。

最近、大きな災害が続いています。災害自体は起きてほしくないのですが、万一に備えた制度であることは重要だと思います。
(家に住むことができなくなるほどの災害だと生活にも支障がでていますから、そんなときに面倒な税務手続きのことなんて、考えられないですよね・・・)
今後の動きにも注目したいです。

※なお、与党税制改正大綱とは、次の年度の税制改正の主要項目や今後の税制改正に当たって、与党の基本的な考え方を示したものです。
そのため、現時点では決定事項ではありません。
正式な法令等の改正内容やタイミングにご注意ください。


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法務省、「法定相続情報証明制度」(仮称)を新設予定

【ポイント】
報道によると、法務省は、相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を来年度に新設すると発表。
これまでは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など大量の書類一式を、登記所や各金融機関の窓口ごとに提出する必要があったが、新制度では、最初に書類一式を登記所に提出すれば、その後は登記所が発行する1通の証明書の提出で済むようになる見通し。



法務省が、相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を来年度に新設すると発表した、というニュースが流れてきました(時事通信社)。

現在は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など、大量の書類一式を集め、登記所や各金融機関の窓口に「それぞれ」提出する必要がありました。

ただでさえ大量の書類なのに、それを窓口ごとに提出しなければならないというのは、相続人にとって大きな負担になっています。
新制度では、最初に書類一式を登記所に提出すれば、その後は登記所が発行する1通の証明書の提出で済むようになるのだそうです。

「法定相続情報証明制度」は、政府が6月に決定した「ニッポン1億総活躍プラン」などに盛り込まれていたもので、法務省はパブリックコメントを実施した上で登記に関する規則を改正し、来年5月の運用開始を目指すといいます。

相続手続きの簡素化は、相続人や金融機関などの負担軽減を図るとともに、相続結果の登記を促して所有者不明の不動産を解消することが狙いです。

たとえば、現行制度で遺産を相続する場合、不動産登記の変更、相続税の申告、銀行口座の解約などのため、大量の戸籍書類一式をその都度、官民全ての窓口に提出する必要があります。
新制度では、まず登記所に書類一式を提出してもらい、登記所から相続情報を記載した証明書を交付してもらい、金融機関などでは証明書の写しの提出だけで手続きが行えるようになるようです。

実際になさった方はわかるかと思いますが、各窓口への提出書類、準備だけでも大変です。
この制度は早く実現してくれるといいな!と思います。


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