いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税金/税務調査

税務署から送られてくる「一般取引資料せん」、提出しないとダメ?

【質問】
税務署から「一般取引資料せん」が送られてきて、提出するように言われました。
これは何のための書類ですか?提出しなければならない書類なのでしょうか?

【回答】
主に税務調査(反面調査)の資料として、売上、仕入れ、外注費、リベートなどの取引について詳細な内容を記載するものです。提出は任意ですが、放置していると税務署から督促されることがあります。


法人や個人事業主の方々の中には、ご相談の方のように税務署から「売上・仕入・費用・リベート」に関する資料(「一般取引資料せん」といわれ、単純に「資料せん」ともいいます)が送られてきた、という方もいらっしゃるかもしれません。

一般取引資料せんは、売上、仕入、外注費、リベートなどの取引について、取引先の名称、住所、取引年月日、取引金額、振込先の銀行口座番号、取引内容などを記載するものです。
一般取引資料せんは、税務署において税務調査(反面調査)の資料として活用されることが多いようです。
提出方法は、資料せんの用紙による提出のほか、Excel形式などのデータで作成し、FD・MOなどの磁気ディスクやCD・DVDなどの光ディスクにより提出することもできます。

一般取引資料せんの提出は任意ですが、放置していると税務署から督促を受ける場合もあります。
もし資料せんが届いたらば、記載して提出することをオススメいたします。

紙ベースでもデータ形式でも、一般取引資料せんは記載事項が意外と多く、作成するのに手間がかかります。
しかもちょっと踏み込んだ内容ですし、全ての法人に送られてくるものではないため
「この書類は本当に税務書類なの?提出しても大丈夫なの?そもそも、提出しなければいけないものなの?」
と心配になられる方もいらっしゃいます。
ご心配な方は、顧問税理士等の専門家にご相談ください。


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もし、無予告調査がきたらば・・・

【ポイント】
税務調査の無予告調査は法律的にも認められています。
無予告調査がきた場合、後日への日程調整は可能です。


税務調査は事前に連絡があるケースが多いのですが、いきなり会社に調査官がやってきて「今から税務調査をしたいのですが」と言われる、いわゆる無予告調査もあります。
たとえば、飲食店などの現金商売のように、事前に税務調査の連絡をしてしまうと、売上金額が正しく申告されているかどうか、税務署が把握しにくいと考えられるような場合に無予告調査は行われがちです。

無予告調査は、法律で認められているため、調査自体を断ることはできません。(これを「受忍義務」といいます)
ただし、調査官が来た日に調査を受けなければならないというわけではありません。
税務調査を他の日にしてください、単なる日程の調整であり、拒否にはなりません。
そのため、無予告調査に対する対応として、以下の3点をオススメいたします。

(1)事務所に入れず、すぐに税理士に連絡する
「税理士に連絡しますのでそのままで少しお待ちください」と断った上で、すぐに税理士に連絡をしてください。あえて社内に入れないほうが、事前にトラブルを防ぐことができます。

(2)予定がある旨を伝える

顧問税理士がすぐに対応できない場合や社長に予定がある場合は、はっきり伝えて問題ありません。

(3)次の調査予定を決める

(2)だけで終わらせず、次の調査予定を必ず決めるようにしてください。
税務調査は拒否することはできません。そのため、今日は無理ですが日程を変えれば調査を受けます(嫌がっているわけではない)という意思を示すことが重要です。


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税務調査の終わり方は3パターン?!

【ポイント】
税務調査を受けた結果は、申告是認・更正・修正申告いずれかのパターンが考えられます。


税務調査を受けた場合、結果として3つのパターンが考えられます。

(1)申告是認=調査の結果、誤りがなかった場合
税務調査を行った結果、申告内容に誤りがなかった場合は「申告是認」となります。
この場合、税務署は「誤りがなかった」旨の内容を記載した書面を発行することになります。
なお、申告是認はあくまでも、税務調査が行われた時期のものです。
今後その申告について将来的に税務調査をされない、税務調査が行われても誤りが指摘されない、というわけではありませんのでご注意ください。

(2)更正=誤りが見つかり、税務署からの処分を受ける場合
税務調査の結果、誤りが見つかった場合で、税務署から「このように直します、追徴税額はこれだけです」という処分が下ることがあります。これが更正です。
調査官の指摘に納得ができない場合で、かつ調査官(税務署)としても是正すべきと判断した場合に行われます。
税務調査の結果として、更正になったとしても追徴税額が増えるなどの不利益はありません。
また、更正に納得できない場合、不服申し立てという手続に移行することができます。
更正の場合、調査官はその処分をする理由や追徴税額の金額を説明しなければなりません。必ず説明を受けてください。

(3)修正申告=誤りが見つかり、指摘に納得した場合
税務調査で誤りが見つかった場合、更正ではなく修正申告になることのほうが多いかと思います。
更正は税務署からの処分であるのに対し、修正申告は誤りの指摘に納得して提出するもの、という違いがあります。
修正申告をする場合、調査官は①不服申し立てをすることができない(裁判などは起こせない)、②更正の請求ができる(後で税金を納めすぎていることに気づいたとき、還付請求することができる)ということを説明しなければなりません。
また、修正申告を提出する際に、税務署(調査官)から、上記の説明を受けたことについて、書面に署名・押印を求められることがあります。

いずれにせよ、税理士がいない状態での税務調査は、納税者側が圧倒的に不利になりがちです。
税務調査のときは、必ず顧問税理士等を立ち合わせるようにしましょう!


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「平成27年度 査察の概要」発表。まるでドラマ?!

【ポイント】
国税庁が「平成27年度 査察の概要」を発表しました。
平成27年度における査察の着手件数は189件、脱税額は総額138億円だったことがわかりました。
その他、脱税の手口や脱税によって得た不正資金の使い道や隠し場所なども公表されています。



国税庁が「平成27年度 査察の概要」を発表しました。
「査察」とは、適正・公平な課税の実現等を目的として、悪質な脱税者に対して刑事責任の追及を行うものをいいます。

平成27年度において査察に着手した件数は189件、このうち検察庁に告発した件数115件(63.5%)
脱税額は総額138億円(告発分は112億円/告発1件あたりの脱税額9,700万円)

平成27 年度に告発した査察事案で多かった業種・取引は、「建設業」、「不動産業」、「クラブ・バー」、「機械器具卸」など。
また、その事業活動自体に違法または不当な行為が含まれるとして、社会問題化した業種(ネットワークビジネスと称したいわゆる「マルチ商法」「投資詐欺」など)についても積極的に告発した、といいます。

気になる?!脱税の手段・方法は、売上除外や架空の原価・経費の計上が多くみられたほか、

・多額の利益がありながら、故意に税を免れようとして、法定申告期限までに申告書を提出しなかったことから、単純無申告ほ脱犯(平成23年度創設)を適用したもの
・輸出取引を装い、国内における架空の課税仕入とこれに見合う架空の輸出免税売上を計上する方法で不正に還付を受けていた(未遂も含む)ことから、消費税受還付未遂犯(平成23 年度創設)を適用したもの<※輸出免税売上に対応する課税仕入の消費税が還付になることを悪用
・複数の納税者に脱税を持ち掛け成功報酬を得ることを業とする、いわゆる脱税請負人に依頼して不正を行っていたもの
などが挙げられます。
脱税請負人に依頼しておそらく多額の報酬を払った上に刑事罰を受けることになったら、自業自得とはいえまさに「踏んだり蹴ったり」ではないでしょうか?!

脱税によって得た不正資金の多くは、現金や預貯金、有価証券として留保されていたほか、絵画や高級車の購入、ギャンブルなどの遊興費、特殊関係人(いわゆる「愛人」など)に対する資金援助などに充てられていた事例もみられました。
また、不正資金の一部が海外の預金口座で留保されていた事例もありました。

脱税によって得た不正資金の隠匿場所はさまざまですが、
・居宅のクローゼットに置かれたバッグの中に現金を隠していた
・居宅階段下の物置に積まれた段ボール箱の中に現金を隠していた
・契約したトランクルームに保管された段ボール箱の中に現金を隠していた
という事例が挙げられています。
出てくるのかどうかもわからない現金を探すわけですから、まるで探偵のようだわ!といつも驚きます。

今回の記事は国税庁のプレスリリースを参考に作成いたしましたが、このプレスリリースを見ているだけでもドラマの元ネタ?!のように思えました。
適正申告・納税をしている方には、びっくりされるような内容かもしれませんね?!


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無予告の税務調査

【質問】
税務調査の手続きで、無予告調査について規定が定められたという話を聞きました。
税務調査は予告なしに行われるようになるのでしょうか?

【回答】
無予告調査については、事務運営指針と通達により、要件が定められることとなりました。
また、要件に従っていない無予告調査は、これらの規定を根拠に抗弁できるようになりました。


平成25年1月1日以降実施される税務調査において「税務調査の手続き」が詳細に規定されるようになりました。
その中の一つが、無予告調査に関する要件の整備です。

これまでは、法律上に税務調査は「事前の通知をしなければならない」と記載されているわけではなかったため、事実上認められていたと解釈されていました。

しかし、法改正により、事務運営指針と通達により、無予告調査に関する要件が定められました。

事務運営方針では、「事前通知を行わない場合の手続き」として

「実地の調査を行う場合において、納税義務者の申告もしくは過去の調査結果の内容またはその営む事業内容に関する情報その他国税庁、国税局又は税務署がその時点で保有する情報に鑑み、

(1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ
(2)その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ

があると認められる場合には、事前通知を行わないものとする。

この場合、事前通知を行わないことについては、法令及び手続き通達に基づき、個々の事案の事実関係に即してその適法性を適切に判断する。」

としています。

さらに通達では、定義を明確に定めています。
これにより、不当な(=要件に従っていない)無予告調査は、これらの規定を根拠に抗弁できるようになりました。

無予告調査の要件整備は、全ての税務調査が無予告になるということではありませんので、ご安心下さい。


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