いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

経理

税務署への法人設立届出書等の提出、登記簿謄本の添付は省略できます

【ポイント】
平成29年度の税制改正により、納税地の所轄税務署長に提出する「法人設立届出書」に、登記事項証明書の添付が不要になりました。


法人を設立した場合、その設立の日から2ヶ月以内に、納税地、事業の目的等を記載した届出書(法人設立届出書)一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

この法人設立届出書の添付書類について、納税環境整備の一環から、登記事項証明書(いわゆる会社の登記簿謄本)の添付が不要となり、手続が簡素化されることになりました。
ちなみに、設立時の貸借対照表、定款、株主名簿の写しについては、これまでどおり添付する必要があります。

この取り扱いは、外国普通法人となった旨の届出、公益法人等又は人格のない社団等の収益事業開始の届出、公益法人等が普通法人又は協同組合等となった旨の届出、法人課税信託の受託者となった旨の届出、酒類業組合等の成立の届出、酒類業組合等の解散の届出、酒類業組合等の役員等の異動手続についても適用されます。

話が元に戻りますが、法人設立の際に、法務局への設立関連の手続を行っただけで税務署への届出が行われていないケースがたまにあります。
法人設立の際には、税務署への届出もお忘れなく!


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マイナンバー法違反容疑で初の逮捕者!

【ポイント】
マイナンバー通知カードの画像を不正に入手したとして、東京都に住む会社員がマイナンバー法違反(安全管理の妨害)容疑で逮捕されました。



2015年10月に施行されたマイナンバー法
2016年の年末調整から今年の法定調書作成にかかる源泉徴収事務で、本格的にマイナンバーを取り扱いはじめた!という法人がたくさんあることかと思います。

このマイナンバーの取り扱いを定めたのがいわゆる「マイナンバー法」です。
マイナンバー法では、不正にマイナンバーを取得する行為を禁じており違反すると「3年以下の懲役、または150万円以下の罰金が科せられる。」と、実刑を伴う罰則が定められています。

そのマイナンバー法違反により、昨年12月に全国初とみられる逮捕者が出ました。

上司だった女性のマイナンバー通知カードの画像を不正に入手したとして、東京都練馬区に住む25歳の会社員を、マイナンバー法違反(安全管理の妨害)容疑で逮捕した、というニュースです。

2016年2月、容疑者が当時勤務していた会社の上司の女性のパソコンに侵入し、保存されていたマイナンバー通知カードが写った画像を盗み取った、というのが逮捕容疑のようです。
社内ネットワークの欠陥に気づいた容疑者が女性のパソコンに接続し、画像を一部の社員だけが閲覧できるチャット上に公開し、「画像をコピーして駅にばらまいてやろう」などと書き込んでいたということです。

面白半分でやったことが重大な法令違反になってしまい、警察のお世話になることもあるマイナンバー制度。
皆さんの会社等でも、管理体制とともに、社員に対する教育も今一度見直してみてください!

領収書や請求書の束が邪魔でしょうがない!

【質問】
領収書や見積書、請求書などの書類の束がかなりのボリュームで困っています。
これらの書類がスキャンできればいいのに、と思うのですが・・・

【回答】
電子保存法によるスキャナ保存制度により、一定の要件の下、領収書等の国税関係書類をスキャナにより保存することが認められています。平成27年の税制改正で初めて要件緩和等も行われました。



電子帳簿保存法によるスキャナ保存とは、国税関係書類の保存方法の一つです。
領収書、請求書、見積書等の国税関係書類について、真実性・可視性を確保するため、一定の要件の下、スキャナによる保存(スキャナを利用して作成された電磁的記録による保存)を認めるものです。

平成17年4月に創設された制度ですが、今般、初めての要件緩和等が行われました。
主なポイントは以下の通りです。

(1)スキャナ保存の対象となる国税関係書類の範囲
これまで、契約書・領収書等の国税関係書類については、その記載された金額が3万円未満のものに限りスキャナ保存の対象となっていましたが、今回の改正により金額に関わらず全てスキャナ保存の対象となりました。

(2)スキャナ保存要件の緩和など
スキャナ保存の際に必要とされていた電子証明が不要になります。(ただし、電子署名を廃止した一方で、タイムスタンプを付すことが必要となりました。)
保存要件を緩和する一方で、いわゆる「適正事務処理要件」を満たす必要があります。

(3)適時入力方式に係る要件の緩和など
見積書などの一般書類をスキャナ保存する際に必要とされていた書類の大きさ情報の保存が不要になりました。
一般書類をスキャナ保存する際に、白黒階調(いわゆるグレースケール)による読み取りが認められるようになりました。

改正後の要件でスキャナ保存をするためには、電子データの保存により書類の保存に代える3カ月前の日までに「申請書」を提出する必要があります。
つまり、申請書を提出して3カ月経ってからでないとスキャナ保存ができないのでご注意下さい。

既にスキャナ保存の承認を受けている書類であっても、平成27年9月30日以後に「申請書」を提出して承認を受けない場合、従来の要件で保存することになりますので、あわせてご注意下さい。


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従業員がマイナンバー提示を拒否してきたら?!-マイナンバーの実務Q&A

【質問】
今年の年末調整で、従業員からマイナンバーを提供してもらい、各種書類を作成することになるかと思いますが、もし従業員がマイナンバーの提示を拒否してきたらどうすればよいですか?

【回答】
年末調整など、必要なときに従業員の個人的な考えでマイナンバーの提示を拒むことはできません。番号法の趣旨やマイナンバーを記載することが法律で定められていることなどを丁寧に説明し、提供を受けて下さい。事前に従業員向け勉強会などを開催することも有効です。



実務的には今年の年末調整くらいから徐々に必要となってくるマイナンバー。
しかし、国民の理解が十分に進んでいる、とは言えないのが現状です。
今後、メディアでも取り上げられる機会は増えてくるとは思いますが、急激に正しい理解が進むかどうかは未知数です。

もしかしたらば、マイナンバーは重要な個人情報で、むやみに人に教えてはいけない!ということが一人歩きして、例えば年末調整のときなど、必要であるにも関わらず、提示を拒否する人が出てくる可能性もあります。

マイナンバーを扶養控除申告書などの書類に記載して会社に提出することは、所得税法などで定められています。
そのため、年末調整など必要な場面で、従業員の個人的な考えでマイナンバーの提示を拒むことはできません。

こうした場合は、番号法の趣旨やマイナンバーを記載することは法律で定められていることなどを丁寧に説明し、提供を受けるようにしてください。
(どうしても提供を拒む場合は、税務署など書類の提出先に指示をあおいでください)

また、こうした事態を未然に防ぐために、従業員向けにマイナンバー勉強会などを開催することもオススメです。

資料は、内閣官房のマイナンバー制度紹介のホームページなどから、無料でダウンロードできる資料を使えば便利で間違いがありません。
さらに、勉強会を開催することによって、マイナンバー担当者の理解もより深まることになり一石二鳥?!ですよ。

■内閣官房のマイナンバー制度HPはこちら▼
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/


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売掛金の時効は5年ではないの?!

【質問】
飲食店を営む者です。
お客さんからの飲食代のツケを回収したかったのですが、知り合いから「ツケは1年で時効になる」と聞きました。
私は「売掛金の時効は5年」と聞いていたのでのんびり構えていましたが、1年だとするとかなり時間が無く、焦ります。

【回答】
商法の規定では、商売上の債権の時効は5年で成立するとされています。
しかし、民法上は、売上債権の種類により、3年、2年、1年と細かく規定されており、飲食店の飲食代金のツケは1年で時効が成立します。
判例では民法規定が優先されますが、現在、民法改正の議論が進んでおり、最終的にどのような改正になるのか注目が集まっています。



 商売上の債権は、商法第522条により、原則として5年間で時効が完成することになっています。
 商人間でのお金の貸し借りや、家賃、地代、広告費、などは、5年によって時効が完成となります。

 ただし、売掛金については、民法173条の規定により、種類ごとに3年、2年、1年、などと細かく決められており、非常に短期で消滅時効が完成となります。
 現在の判例では、民法173条の規定が、商取引に関する債権の消滅時効の期間を5年とする商法の規定に優先する、とされています。

 民法173条に定める「売掛金の消滅時効」の主なものは、以下のとおりです。

【3年の消滅時効】・・・
・建設業者の工事請負代金
・ホームページ作成代金
・病院の診療代、薬剤費
など

【2年の消滅時効】・・・
・卸売業、小売業などの販売する物品の商品代金
・理髪店の理容代金やクリーニング屋の代金
・学習塾や習い事の月謝
・弁護士の報酬金
など。

【1年の消滅時効】・・・
・運送業者の運送代金、レンタカー代金
・ホテルや旅館の宿泊料
・飲食店の飲食代金(飲み屋のツケなど)
など

 実は現在、民法改正の議論が進められています。
 2月の法制審議会では「民法改正の中間試案」がまとめられ、早ければ2015年の国会に改正案提出となりそうです。

 今回の民法改正では、現行民法173条の規定が撤廃になるかも?という議論もあるようです。
 もし実現すれば、回収できる債権が増加するかもしれませんね。

 ナニゲに今回の改正は1世紀ぶりの大改正、と言われており、特に債権について大幅な改正がなされる予定だそうです。
 但し、まだまだ議論の真っ最中。
 最終的にどのような内容で落ち着くかは未定ですが、ぜひ注目したい改正点ですね。


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