いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

がん保険

がん保険の「健康回復給付金」は非課税所得なの?

【質問】
先日、女性特有のがんで入院した際に、加入していたがん保険から入院給付金、手術給付金のほか、「健康回復給付金」(被保険者が特定がんにより入院した後、療養するために退院したとき及び退院日から2年間退院日の3か月毎の応当日に生存しているときに15万円を支給するもので、2年間合計120万円)を受け取りました。
この健康回復給付金は、所得税法上、非課税として取り扱って差し支えありませんか。

【回答】
一定の場合は、非課税所得として取り扱います。



ご相談の「健康回復給付金」は、次のような事由に該当するため、非課税所得として取り扱って差し支えありません。

(1)被保険者が特定がんと診断されている場合に限って支払われる給付金であること。

(2)この給付金は、退院後のリハビリ費用、検診費用、家事代行費用等の補てんを行うものとすれば、従来の在宅療養給付金(一時金として支払われ、非課税所得とされている)を3か月毎に分割して支払うものと変わりがないこと。

※なお、この情報は国税庁「タックスアンサー」でも公開されています。
<がん保険の健康回復給付金>
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/01/02.htm


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終身保障タイプのがん保険の取扱いが変更に

【質問】
終身保障タイプのがん保険が節税になると聞きました。
どのように節税になるのか教えて下さい。

【回答】
これまでは、支払保険料は全額損金に算入できましたが、2012年4月28日から終身保障タイプのがん保険に対する取扱いが変わりました。
保険期間開始の時から保険期間の50%相当期間を経過するまでの期間(前払期間)の間は、支払った保険料の一部を資産として計上することになります。



 これまでは、契約者・保険受取人が法人、被保険者を役員又は従業員とするがん保険契約で、一定の要件に該当するがん保険は、終身保障タイプの場合でも、全額損金扱いとなっていました。

 しかし国税庁は
「がん保険(終身保障タイプ)に係る取扱いは、2012年4月27日をもって廃止する。」
(ただし、同日前の契約に係るがん保険(終身保障タイプ)に係る取扱いについては、なお従前の例による)
との取扱いを公表しました。

 今後契約するがん保険については、以下のような取扱いとなります。

● 終身払込の場合
加入時の年齢から105 歳までの期間を計算上の保険期間とします。
この保険期間開始の時から保険期間の50%に相当する期間を経過するまでの期間(前払期間)と、前払期間経過後では損金算入額が変わります。

イ 前払期間
各年の支払保険料の額のうち2分の1に相当する金額を前払金等として資産に計上し、残額を損金の額に算入する。

ロ 前払期間経過後の期間
各年の支払保険料の額を損金の額に算入するとともに、前払期間に資産計上した保険料の金額から一定の計算式にのっとって取り崩し、損金の額に参入する。

有期払込(一時払を含む。)についても、似たような処理となります。

これまでがん保険は「節税」のノウハウとして広く使われてきましたが、節税目的では少し使いづらくなるかもしれませんね。
とはいえ、がんは多くの人が亡くなる原因ともなる病気です。
経営者は保険本来の目的を今一度考えて、検討されてもいいのでは?と思います。


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