いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

ユニークな税制

日本にもあった!他の国では珍しい税金―入湯税

海外には、日本では考えられないようなユニークな税制があります。
逆に、海外の人からビックリされるような、日本独自の税制というものもあります。

その一つが、入湯税です。
入湯税は「入湯施設の利用と市町村の行政サービスとの関連に着目し、鉱泉浴場所在の市町村が課する目的税」です。
鉱泉浴場がある全ての施設(旅館、ホテル、温泉、スーパー銭湯、健康センターなど)が、入湯客から入湯税を徴収し、市町村に納入する仕組みです。
鉱泉浴場での入湯に対して、1人1日150円が基本となっています。
徴収した入湯税は、環境衛生施設の整備、鉱泉源の保護管理施設の整備、消防施設その他消防活動に必要な施設の整備、観光の振興(観光施設の整備を含む)などに使われています。
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入湯税は旅館の宿泊代金や温泉の利用料に含まれているため、「150円も税金が!」というイメージはなく、何気に徴収されている税金ではないでしょうか。
しかし、入湯税の税収は200億円を超えており、なかなかの金額です。
温泉好きな方は、人よりも多くの税金を支払っている?!と言えるかもしれませんね。


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本当にあった?!世界の税制―独身税

世界には、日本では想像できないようなユニークな税制があります。
その国が抱える課題を解決するために導入されることもありますが、中には思惑通りに進まず失敗に終わった税制もあります。

ブルガリア1968年から1989年まで約20年間実施されていた「独身税」も、今はなき税制の一つです。
この独身税は、25歳以上の独身者のみが対象で、収入の5~10%を税金として微収するものでした。
婚姻者と比べて税金を高くすることで、結婚を促し、結婚する人を増やして出生率を上げることを狙っていたようです。
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しかし、収入の5~10%というのは大きな税負担です。仮に年収300万円の方であれば、15~30万円という、かなり痛い金額です。
そのため、独身税の負担のせいで独身者がお金を貯めることができず、結婚や出産が難しくなり、より出生率が低下するという悪循環に陥りました。
実際、独身税が導入されていた間、ブルガリアの出生率2.18から1.86へと下がってしまい、目論見は完全に外れてしまいました。

ブルガリアの失敗を見て、その後独身税を導入する国はありません。
少子化に苦しむ日本が万一、独身税を導入したら「独身税の負担のせいで独身者がお金を貯めることができず、結婚や出産が難しくなり、より出生率が低下する」というブルガリアの二の舞になりそうな気がします?!


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本当にある!世界の珍しい税制―ポテトチップス税

世界には、日本にはないユニークな税制が結構あります。
ユニークだな!と思うその税制も、なんとなく課税しているのではなく、その国ならではの制度や課題、お国柄などが反映されていて面白いです。

今日は「ポテトチップス税」についてのお話しです。
これはハンガリーで実際に課税されているもので、その名の通りポテトチップス等に5~20%課税されているものです。

実は、ハンガリーは成人の約4人に1人が肥満、という「肥満体国」なのだそうです!
政府は国民の健康対策として、ポテトチップスをはじめとする糖分・塩分の高い菓子、飲料などに課税するようになったのが、いわゆる「ポテトチップス税」です。
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日本で特定の食品(酒類以外で)に「健康対策として」と課税するのはちょっと想像しづらいですが、近年の健康志向の高まりを受けてポテトチップス税に似た税制を取り入れている国は他にもあります。
例えば、アメリカやフランスでは砂糖の入った炭酸飲料に「ソーダ税」を、デンマークではバターやチーズに「脂肪税」などが課されているといいます。
お国柄、なのかもしれませんね。


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