いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

リスク

(つぶやき)やりたいこと

「やりたいこと」と「出来ること」や「やるべきこと」は違います。


あれ?と、文字を読みながら考えた方に、もう一度詳しく。



「やりたいこと」は、まさに「やりたい」と考えていることです。


「やりたくない」ことの反対の意味です。


極端な言い方をしてしまえば「やりたい」だけが第一で、それ以上ではないこと、とも言えます。


「出来ること」や「やるべきこと」も、文字の如く。

「出来るか、出来ないか」であるとか
「やるべきか、やるべきでないか」 であるといった
基準の一つにすぎません。


経営者で、一番リスクがあるのは
「やりたいこと」
へ突っ走ってしまうことです。

本当ならば
「やるべきこと」
を優先にして、業務を組み立てなければなりません。


もちろん、「やりたくないこと」を優先する必要もありませんが
「自分がやりたいこと」のみを突っ走るのは、
時としてリスクが大きくなりがちなものです。

一人取締役の企業、社長にもしもの事があったら?!

【質問】
一人取締役の会社を起業して、おかげさまで何とか経営も軌道に乗ってきました。
ところが先日、自転車通勤中に右折してきた車にぶつかりそうになりました。
あわや!のところで何とか衝突は避けたのですが、もし衝突していたら最悪の事態もあり得る・・・とぞっとしました。
もし私に万一のことがあったら、会社はどうなってしまうのでしょうか?

【回答】
「一人取締役」の会社でその取締役がいなくなった場合、新たに取締役を選任する必要があります。選任するのは株主総会ですが、株主総会を招集するのが取締役であるため、招集自体ができなくなります。
株主による招集も可能ですが、裁判所の許可が必要となるなど、手続きが煩雑になります。



 平成18年の会社法の改正以来、株式会社の取締役は1人だけでも可能になりました。
 いわゆる「一人取締役」の企業です。
 この改正以来、会社運営上のその取り回しの良さからこれまでの取締役が複数いた形態から、この一人取締役の形態に変更された経営者も多いのではないでしょうか。

 しかし、一人取締役にはリスクもあります。
 その一つが、たった一人の取締役が亡くなってしまった場合です。

 一人取締役がいなくなった場合、新たに取締役を選任する必要があります。
 選任するのは株主総会です。しかし、株主総会を招集する取締役が不在のため、この招集自体ができません。

 株主による招集も可能ですが、その場合には「裁判所の許可」が必要になります。
 でも、よくあるパターンとして、亡くなった一人取締役がこの会社の100%株主であった、なんて場合はその株主も不在ということになり、株主総会の招集はできません。

 そうなると、この株式の議決権を相続する相続人を確定させる必要が出てきます。
 この場合、相続すべき株式の議決権は、相続人同士の分割の協議によって決めていきます。
 その結果で、どのように分けるかの話し合いがまとまり、かつ、その引き継いだ相続人による同意(総会の招集と議決権の行使)がないと、結局は次の取締役の選任はできず、会社は動けない状態になってしまうのです。

 もし残された相続人同士の仲が悪い、なんて場合には、話し合い自体が進まなくなる可能性だってあります。

 こうなると、実際に会社の業務執行が停止状態になるだけでなく、最悪の場合、取り引き先からも取引を停止される可能性もでてきます。

 こうしたリスクを避けるために、
●一人取締役の持つ株式の相続先を、遺言によって指定しておく
●一人取締役の形態をやめて、複数の取締役を選任しておく
といった手を打っておく必要があります。

 たとえ健康な社長でも、急な事故は防げません。(ご相談の方は、回避できて本当によかったです!)
 万一のことを考えておくのも、社長の責任だと思います!


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(つぶやき)投資

皆様は「投資」をされるタイプですか?

私は株式や投資に全く疎い方です。
ちなみに、個人で株式を購入したことはありません。
利回りが小さくても、定期預金を選ぶタイプです。
自営業というリスクがある仕事をしているせいか、
仕事以外でのリスクは、回避したい・・・
平凡?な感覚があります。

でも自営業の方は全般的に、投資に興味が高いようです。
リスクを含めて投資をするのは、「受け入れられるリスク」の範囲、
それから「引き際はいつか」の判断、が、一番のポイントですね。

(つぶやき)公開買付

あるホールディングス株式について、外部の公開買付、及び取締役、監査役の推薦が行われている話を
皆さんも新聞などでご覧になったかもしれません。

似たような話は、時々発生しているようです。

株式会社の理論では、このようなことは、起こり得ます。

良い、悪いではなく、
好き、嫌いでもなく、
起こり得る仕組みが前提になっている、ということです。

世の中に株式会社はたくさんありますが、ある一定以上になると
こういう場面に対するリスクも経営者は考えないといけませんね。

知人と2人で設立する会社、役員の任期は?

【質問】
同じ会社で働いている同期の知人と一緒に独立し、新しい会社を設立する予定です。
2人とも役員(取締役)となり、私が代表取締役を務める予定です。
会社法が施行されてから、取締役の任期は最長10年になったとききます。
登記するにあたって、取締役の任期は何年に設定するのが適当でしょうか?

【回答】
もし、取締役の任期を最長の10年にした場合、登記手続きの手間や費用を抑えられるメリットがありますが、一度選任した取締役を正当な理由なく解任した場合は解任によって生じた損害を賠償しなければならないリスクもあります。
知人の方との信頼関係、メリットとリスクなどを考え、後々もめ事に発展しないように任期を短めに設定することも考慮すべきでしょう。



 ご相談の方のおっしゃるとおり、会社法施行前までの取締役の任期は2年を超えることができませんでしたが、会社法の施行によって、発行するすべての株式が譲渡制限株式である会社(いわゆる非公開会社)の場合には、取締役の任期を定款で最長10年まで伸長することができるようになりました。
 また、定款に記載する任期を取締役ごとに設定することも可能です。

 新設会社の場合、取締役の任期を10年とするところが多いのではないでしょうか?

 株式の譲渡制限規定を置いている会社はオーナー企業型の会社が多く、役員が変わることが稀です。
 ですから、任期を長期(10年など)にしておいたほうが、重任(再任)登記の回数が多くなってしまう短期(2年など)に比べて、登記手続きの手間と費用を削減できるというメリットがあるからです。

 とはいうものの、リスクがあることにも注意が必要です。

 会社法第339条第1項では、株主総会の普通決議にて、特に理由を付すことなく、取締役の解任ができると規定しています。

 ただし、同条第2項において、「正当な理由なく解任された者は、解任によって生じた損害を賠償できる」とも規定しています。

 その取締役が不正行為や法令違反行為をした、職務への著しい不適任(経営能力の著しい欠如)などが、会社法の定める「正当な理由」に該当するようです。
 (ちなみに解任決議が成立するとその会社の登記簿にも「解任」と記載されます。企業イメージが低下する、と敬遠する方もいるようですね)

 10年はあっという間ですが、長い期間です。
 その間には何が起きるかはわかりません。

 選任した取締役は必ずしも期待に応えてくれる人物であるとは限りませんし、初めは同じ方向を見ていた場合でも時間の経過とともに変わってくることも、よくある話です。

 そうなったときに、総会の決議で解任できたとしても、その理由に合理的なものがなければ「自分に落ち度はない」と思っている方なら、おそらく残りの任期中の役員報酬を要求してくるでしょう。

 こうしたリスクを考えると、取締役がこれから先も自分1人だという場合や、身内や十分に信頼できる人物を取締役として迎え入れる場合でなければ、任期は10年より短くする、という選択もあり得ます。
 
 ご相談の方の場合は、知人との信頼関係やメリット・デメリットなどを考え、後々もめ事にならないよう任期を短めに設定しておくことも一つの手段として考えておくべきかもしれません。


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