いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

令和4年度税制改正

売上げに関する帳簿 を作成・保存していない事業者の加算税―令和4年度税制改正

【ポイント】
帳簿を作成・保存する義務のある事業者が、売上げに関する帳簿を保存していなかったことや帳簿の売上げについての記載が不十分であったことが税務調査において把握された場合には、帳簿に記載すべき事項に関する申告漏れ等に対して通常課される過少申告加算税等 (過少申告加算税・無申告加算税) の割合が最大10%加重されます。

221122

令和4年度税制改正により、帳簿を作成・保存する義務のある事業者が、申告所得税、法人税・地方法人税、消費税の税務調査において、税務職員から「売上げ(業務に係る収入を含む)に関する調査に必要な帳簿」の提示等を求められ、かつ、次のいずれかに該当する場合には、帳簿に本来記載等をすべき事項に関する申告漏れ等に対して課される通常の過少申告加算税・無申告加算税(過少申告加算税等)の割合が 10%又は5%加重されることとなりました。詳しくは、次の通りです。

① 帳簿の提示等をしなかった場合
⇒ 過少申告加算税等の割合が 10%加重されます。

② 帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の半分未満だった場合
⇒ 過少申告加算税等の割合が 10%加重されます。

③ 帳簿への売上金額の記載等が、本来記載等をすべき金額の半分以上3分の2未満だった場合
⇒ 過少申告加算税等の割合が5%加重されます。

この規定は令和6年1月1日以後に法定申告期限等が到来する申告所得税・法人税・消費税について適用されます。(申告所得税については令和5年分の確定申告に対する修正申告等から対象です)


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住宅ローン控除に残高証明書の添付は不要です!―年末調整

【ポイント】
令和4年度の税制改正で、確定申告・年末調整で住宅ローン控除の適用を受けるときに納税者の残高証明書の提出又は提示が不要となりました。

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昨年までは、確定申告・年末調整で住宅ローン控除を受ける際に銀行等から交付された住宅ローンに係る残高証明書を提出又は提示する必要がありました。

令和4年度の税制改正で、納税者の残高証明書の提出又は提示を不要とする改正が行われました。(これに代えて、銀行等が年末残高の情報等を記載した調書を税務署に提出することになっています)
令和5年から年末調整・確定申告で残高証明書の提出は必要ありませんので、慌てずにご対応ください!

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少額の減価償却資産等の取得価額の損金算入の特例(資産の範囲)―令和4年度税制改正

【ポイント】
令和4年度の税制改正で、少額の減価償却資産等の取得価額の損金算入制度等の対象資産から、貸付(主要な事業として行われるものを除く)の用に供した資産を除くことが決まりました。

220510
法人が取得し、事業の用に供した少額減価償却資産等については、現在、
①取得価額10万円未満の減価償却資産については、供用年度において全額損金算入できる
②取得価額20万円未満の減価償却資産については、3年間で均等償却
③中小企業者等が取得した30万円未満の減価償却資産については、合計300万円までを限度に、全額損金算入できる(2024年3月31日までの適用期限延長)

といった特例があります。

しかし、当期の利益を圧縮する目的で、自らが行う事業で使用しない少額な資産を大量に取得し、その取得した資産を貸し付けの用に供する事業者が多数現れました。
特例制度を利用して、大量取得した少額減価償却資産を全額当期の損金に算入し、賃貸料や売却益を当期以降複数の年度の益金に算入することにより、損金と益金の計上時期の相違を利用した節税スキームです。
税務調査の現場でも、ドローンや建築用足場など、1つ当たりの取得価額が10万円未満の少額減価償却資産を大量に取得後、即時償却を行い、その資産を他社に貸し出すケースが多数見受けられたといいます。

今回の改正では、このようなスキームに対処するため、少額減価償却資産等の取得価額の損金算入の特例の対象となる資産から、貸付(主要な事業として行われるものを除く)の用に供した資産を除くこととされました。

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中小企業の賃上げ促進税制―令和4年度税制改正

【ポイント】
令和4年度の税制改正で、雇用者全体の給与総額が対前年比で1.5%以上の賃上げをした中小企業について、税額控除の控除率が最大25%から最大40%に引き上げられました。



積極的な賃上げや人材投資を行った一定の中小企業に対しては、雇用者全体の給与総額の対前年度増加額に対して最大25%の税額控除が認められています。(所得拡大促進税制)
令和4年度の税制改正により、その控除率が最大40%にまで拡大することとなりました。

雇用者全体の給与総額が、対前年度増加率1.5%以上の中小企業については、その増加額に対して基本的に15%の金額が税額控除されます。
令和4年度の税制改正では、これに加えて、雇用者全体の給与総額が対前年度増加率2.5%以上だった場合にさらに15%の上乗せが、教育訓練費(一定の要件あり)の対前年度増加率が10%以上だった場合はさらに10%の上乗せがあります。(15%+15%+10%=40%が最大です)
適用期限は2022年4月1日から2024年3月31日までに開始する各事業年度とされ、1年間期限が延長されています。
220419

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住宅ローン控除に残高証明書の提出が不要に?!―令和4年度税制改正

【ポイント】
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けるために、これまでは銀行等から交付された住宅ローンに係る残高証明書を提出又は提示しなければなりませんでしたが、令和4年度の税制改正で残高証明書の提出等が不要となります。

220412

住宅ローン控除の適用を受けるには、確定申告・年末調整の際に銀行等から交付された住宅ローンに係る残高証明書を提出又は提示することになっています。

令和3年度の税制改正により、納税者の残高証明書の提出又は提示を不要とする改正が行われました。
納税者の申告利便の向上の観点から行われた改正です。

なお、納税者から残高証明書の提出は不要となりますが、これに代えて、銀行は年末残高の情報等を記載した調書を税務署に提出することになります。

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