いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

印紙税

駐車場を借りたときの契約書、印紙税はどうなる?

【質問】
駐車場を借りたときの契約書に、印紙税は必要なのでしょうか?

【回答】
その賃貸借契約書が、駐車場という「施設の賃貸借」なのか、「土地の賃貸借」なのかによって印紙税の取り扱いが変わります。



印紙税の基本的な考え方として、建物や施設、物品などの賃貸借契約書には、印紙税がかかりません。
しかし、土地又は地上権の賃貸借契約書は、印紙税額一覧表の第1号の2文書に該当し、印紙税がかかります。

駐車場の賃貸借契約書を内容的に大きく分けると、駐車場という「施設の賃貸借」にあたる場合と「土地の賃貸借」に当たる場合があります。
どちらに該当するかによって、印紙税の取扱いが変わります。

(1)車庫を賃貸借する場合
車庫という「施設」の賃貸借契約書になるため、印紙税はかかりません。

(2)駐車場の一定の場所に駐車することの契約の場合
駐車場という「施設」の賃貸借契約書になるため、印紙税はかかりません。

(3)車の寄託(保管)契約の場合
この契約書は、車という物品を預かる寄託契約書ですから、印紙税はかかりません。

(4)駐車する場所としての土地を賃貸借する場合
駐車する場所として、いわゆる駐車場としての設備のない更地を賃貸借する場合の賃貸借契約書は、印紙税額の一覧表の第1号の2文書「土地の賃借権の設定に関する契約書」に該当し、印紙税がかかります。

なお、土地の賃貸借契約書の記載金額は、目的物の使用収益のための対価(いわゆる地代)ではなく、貸借権の設定のための対価、すなわち権利金、名義変更料、更新料等後日返還されることが予定されていないものの金額をいいます。
例えば、土地賃借権契約書で、その契約書に記載されている金額が月額地代のみであるような場合には、記載金額のない第1号の2文書となります。


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注文請書の印紙税、メール送信すればお得に?!

【質問】
注文請書(受注先に対して受注の意思を明示するために当社が作成する書面)をPDF化して電子メールで受注先に送れば、印紙税がかからないと聞きました。本当ですか?

【回答】
ご質問の注文請書を電子メールで受注先に送った場合、印紙税はかかりません。



ご質問の注文請書は、印紙税法上の「契約書」に該当するため、印紙税の課税文書となります。
それなのに印紙税がかからない、とはどういうことなのでしょうか?

結論から言うと、「課税文書が作成されていない」ために印紙税がかからないのです。
PDFで「作成」しているのになぜ?とさらに混乱されたかもしれませんね。

実は、印紙税法に規定する課税文書の「作成」とは、「単なる課税文書の調製行為」をいうのでなく、「課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう」ものとされ、課税文書の「作成の時」とは、ご相談のケースの場合は「交付の時」とされています。

つまり、注文請書の調製行為(PDF化)を行ったとしても注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書をPDF化して電子メールで送信したとしても、課税文書を「作成」したことにはならない、というのが印紙税法の考え方なのです。
印紙税の課税原因(課税文書の作成の時に課税)が発生していない以上、印紙税はかからないという理屈になります。
ファックス送信した場合も、おおむね電子メールと同様の考え方をします。

ただし、電子メールで送信した後に注文請書の現物を別途持参するなど、相手方に「交付」した場合には、課税文書を作成したことになります。
もちろん、現物の注文請書には印紙税が課されますのでご注意ください。

なお、契約の内容等によっては、電子メールでやり取りした契約そのものが有効かどうか、が争われる可能性などもありますので、詳しくは専門家にご確認ください。


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同じマイホームなのに契約書の印紙に違いが・・・

【質問】
長男と長女がそれぞれにマイホームを手に入れたようです。
マイホーム購入資金の援助をしたのですが、マイホームの契約書を見てふと疑問に思いました。
長男の契約書には印紙が貼られておらず、長女の契約書には印紙が貼られていました。
長男の契約書には何か不備があるのでしょうか?

【回答】
建売住宅の供給(不動産の譲渡契約書)の場合は不課税文書となりますが、請負契約に基づく家屋の建築は課税文書となります。



印紙税でよく問題になるのが、その契約の文書が請負契約か、売買契約か、という点です。

請負契約だと2号文書または7号文書という扱いになり、印紙税がかかります。
一方で物品の売買契約ならば、継続する売買契約で第7号文書になるものを除き、不課税文書になります。

契約書を拝見しておりませんのであくまでも推測になりますが、一般的に建売住宅の場合は不動産の譲渡契約書を取り交わすこととなり、これは売買契約と認められます。
そのため、契約書に印紙税はかかりません。

いわゆる注文住宅で、家屋の建築に関する請負契約を結んだ場合、この文書は一般的に「2号文書」という扱いになり、印紙税がかかります。

請負契約か、売買契約か、の判別については、基本通達で一定の基準が示されています。

【請負契約に該当すると認められるもの】
●注文者の指示に基づき一定の仕様又は規格等に従い、製作者の労務によって工作物を建設することを内容とするもの
(具体例)家屋の建築、道路の建設、橋りょうの架設・・・など

●注文者が材料の全部又は主要部分を提供(有償、無償を問わない。)し、製作者がこれによって一定物品を製作することを内容としたもの
(具体例)生地提供の洋服の仕立て、材料支給による物品の製作・・・など

●製作者の材料を用いて注文者の設計又は指示した規格等に従い一定物品を製作することを内容とするもの
(具体例)船舶・車両・機械・家具等の製作、洋服等の仕立て・・・など

●一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするもの
(具体例)大型機械の取り付け・・・など

●修理又は加工を内容とするもの
(具体例)建築・機械の修繕、塗装・・・など

【売買契約に該当すると認められるもの】
●一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするものであるが、取付行為が簡単であって、特別の技術を要しないもの
(具体例)テレビを購入した時のアンテナの取付けや配線・・・など

●製作者が工作物をあらかじめ一定の規格で統一し、これにそれぞれの価格を付して注文を受け、当該規格に従い、工作物を製作し、供給することを内容とするもの
(具体例)建売住宅の供給(不動産の譲渡契約書)・・・など

●あらかじめ一定の規格で統一された物品を、注文に応じ製作者の材料を用いて製作し、供給することを内容とするもの
(具体例)カタログ又は見本による機械、家具等の製作・・・など


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消費税増税に伴う契約金額の変更文書の印紙税(1)

【質問】
取引先との相談によって、消費税増税に伴って、増税分だけを
請負契約書には「当初の請負金額1,050万円(うち消費税額等50万円)を1,080万円(うち消費税額等80万円)に変更する」と記載したのですが、印紙税はいくらになるのでしょうか?

【回答】
記載金額のない2号文書として200円の印紙税が課されます。



前回、請負契約で消費税増税分の値上げをする場合、文書の作り方によって印紙税が変わってくることをご紹介いたしました。
そのポイントは、記載金額によって印紙税額が変わる、というものです。

では、ご相談の方のように、請負契約書において「当初の請負金額1,050万円(うち消費税額等50万円)を1,080万円(うち消費税額等80万円)に変更する」と記載した文書はどのような扱いになるのでしょうか。

この文章は、新たに課される消費税等相当額のみを増額するための契約書の契約金額を変更するものなので、「記載金額のない2号文章」になります。

そのため、印紙税額は200円となります。


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やり方次第で金額100倍に?!消費税増税に伴う契約書

【質問】
消費税増税に伴って、これまで1,050万円(消費税込み)で請負契約していたものを1,080万円(消費税込み)に金額変更することにしました。
新たに交わす契約書の作成にあたり、注意することはありますか?

【回答】
示す結果が同じであっても、契約書の記載方法や交わし方によって、必要な印紙税の金額が変わってきます。(200円から20,000円まで幅があります)



請負契約書や領収書など、印紙税が課される文書(「課税文書」と言います)は、「印紙税額一覧表」に20項目が分類されています。
そのうち、請負に関する契約書(工事請負契約書、請負金額変更契約書など)は印紙税額一覧表の「番号2」に定められているため、「2号文書」などと言われることもあります。

印紙税の金額は、契約書等における「記載金額」(ざっくり言うと「取引金額」)によって決定されます。
そのため、今回のポイントは、ご相談のような状況をどのように契約書の形に落とし込むのか、によって印紙税額がかなり変わってくる、というところです。

例えば、請負契約書上で「消費税等を50万円から80万円に増額する」「消費税等を30万円増額する」のように、取引全体の金額が明記されていない場合は「記載金額がない2号文書」として取扱い、印紙税額は200円となります。

ただし、「請負金額1,050万円」と記載された請負契約書を「請負金額1,080万円」と記載した請負契約書に差し替えるような場合は「2号文章」の中で契約金額5,000万円以下、という扱いになるため、それぞれの契約書に20,000円の印紙税が課せられます。


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