いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

増税

不動産業で簡易課税制度を適用したい!-注意点

【質問】
不動産業を営む者です。
次の年度から簡易課税制度を使いたいと思っていますが、何か注意すべき点はありますか?

【回答】
不動産業、金融及び保険業についてはみなし仕入率が下がる改正がありました。
該当業種で簡易課税制度の適用をお考えの方は再度、ご検討いただくことをおススメいたします。



消費税の納付額の計算方法は、おおざっぱに言うと原則として

<課税売上高(税抜き)×6.3%>-<課税仕入高(税込み)×6.3/108>

のように計算します。

しかし、前々年または前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下等、一定の条件を満たす比較的小規模な事業者の場合、消費税の納付税額の計算方法は、原則的な課税方式のほか、「簡易課税方式」という計算方式のいずれかを選択することが認められています。

簡易課税制度とは、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行います。
仕入控除税額は、課税売上高に対する税額の一定割合(=みなし仕入率)となり、業種等によって変わります。


今回の改正により、一定業種のみなし仕入率が変更されました。

具体的に言うと、これまで第四種事業に区分されていた「金融及び保険業」が第五種事業へ、またこれまで第五種事業に区分されていた「不動産業」が新設の第六種へ改正されることになりました。

いずれも、みなし仕入れ率が減少となるため、結果として実質的な増税となります。

該当業種で既に簡易課税の適用を受けている方や、これから適用の検討をされる方は、再度の検討をおススメいたします。


なお、平成26年9月30日までに、新たに「簡易課税選択届出書」を提出した場合には、その後の2年間は改正前のみなし仕入率が適用されるという経過措置があります。


簡易課税制度は一度選択すると、原則として2年間は実額計算による仕入税額の控除(原則的な方法)に変更することはできません。

今回の改正ポイントも含めて、簡易課税制度を選択するかどうかは再度、慎重にご検討いただき、経過措置もうまく使う事がポイントとなります。


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(つぶやき)消費税増税

ある経営者が、消費税改訂について、かなりのご立腹です。


「俺は消費税増税に反対なんだ!」
という話です。

あまりにご立腹なので、聞いてみました。

「選挙に行ってますか?」

その経営者は「忙しくて選挙には行ってないよ」とのこと。


では「次回は選挙に行って、その気持ちを反映した議員さんを選んでください」
としか、私には言いようがありません。


私個人も消費税増税は、避けられたらいいな、という気持ちもあります。


何にせよ税金が増税になるときには、一旦、景気が冷えることもあります。

では、減税になると、景気が急に良くなるか?というと
必ずしもそうではありません。

バランスが難しいですよね。

ただし、中小企業には景気が冷えることが一番怖いです。


とはいいつつ、今回の消費税改訂は、中小企業も乗り越えるしかありません。

(つぶやき)税理士業界の消費税増税

私は消費税が3パーセントの時代には、会計事務所で働いていました。

そのため、3パーセントから5パーセントに消費税が変わる時期も経験しています。


この取引は経過措置で3パーセントになるとか、
この取引は5パーセントにみなすんだとか
3パーセントと5パーセントが混ざっている決算をするのが、本当にユウウツでした。

決算ではほぼ全ての事業者(法人も個人も)が
旧税率と新税率の混在していました。

正直、旧税率の経過措置が全て終了し、全部を5パーセントで扱う年度になったとき
「やれやれ」と深い溜め息をつきました。


今度の消費税改訂は5パーセントから8パーセント、
またいずれかの時期に10パーセントと
相当に複雑な作業が発生しそうです。


正直に少しユウウツですが、税理士業界は皆、同じく溜め息をついてるのでしょうね。

消費税8%に!表示は大丈夫ですか?

【質問】
4月1日から消費税増税によって、業績の落ち込みが心配です。
そこで「消費税相当分のポイントを付与します」というキャンペーンをする予定ですが、問題はありますか?

【回答】
あたかも消費者が消費税を負担していない、または軽減されているかのような誤解を与えるような表示は、禁止されています。
消費税相当分のポイントを付与する、という表示は禁止されています。



いよいよ消費税が8%になります。
増税前の駆け込み需要、ということで、深夜まで長い行列ができていたところもあったようですね。

消費者が駆け込みでたっぷりと買いだめしてしまうと、4月からの業績の落ち込みが気になるところ。
店舗等では、引き続きお客様に買っていただくためのポップ等に工夫を凝らすところもあるでしょう。

でも、「あたかも消費者が消費税を負担していない又は軽減されているかのような誤認を消費者に与えないようにするため」に表示に対する規制があります。

次のような表示は禁止されています。
<禁止されている表示の例>
「消費税はいただきません。」
「消費税率上昇分値引きします。」
「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します。」
・・・など。

ただし、消費税増税と無関係のセールや値下げ、還元は禁止されません。

従って、消費税増税に伴うものであるなど、今回の消費税増税と紐づくキャッチコピーは避けた方が無難でしょう。

ちなみに、こうした表示の違反に対するペナルティは、基本的には、勧告及び公表となりますのでご注意下さい。


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来年1月からの源泉徴収事務にご注意!-復興特別所得税の取扱い

【質問】
選挙が近くなってふと思い出しました。
震災からの復興のために増税がある、という話が以前あったと思うのですが、その増税ってどうなったんですか?

【回答】
来年1月1日から平成49年12月31日までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。
これに伴い、源泉徴収事務も少し変わってきますので、注意が必要です。



昨年12月、未曾有の震災からの復興の財源確保を目的に、「復興特別所得税」が創設されました。

これにより、平成25年1月から平成49年12月までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。

この制度の創設に伴い、皆様の給与・賞与の源泉所得税をはじめ、講演料・原稿料・税理士報酬等に係る源泉徴収事務についても今までとは違う取扱いとなりますのでご注意ください。


■給与等に係る復興特別所得税
=基準所得税額に対して2.1%が復興特別所得税となります。


■講演料、原稿料、税理士報酬等に係る復興所得税
=講演料等の場合、これまでは報酬額の10%の所得税を源泉徴収することとなっていました。
復興特別所得税は、基準所得税(この場合、源泉所得税)の2.1%ですから、割合としては10%×2.1%=0.21%が復興所得税となります。

ですから、通常の源泉所得税+復興特別所得税=10%+0.21%=10.21%となります。
残りの部分(100%-10.21%=89.79%)が手取額になる計算です。


講演料等については、手取額から逆算して報酬額を決定されるお客様もいらっしゃるかと存じます。
これまでは主に手取額を0.9で割り算した金額を源泉税込みの報酬額と計算されていたかと思いますが、この計算方法も変わりますのでご注意ください。

【ワンポイント:手取額から額面金額を逆算する場合】
●取引先が消費税の課税事業者でない場合
・・・手取額÷89.79%(0.8979)で計算します。

【例1】手取額10万円の場合、
(請求金額)111,370円(=100,000円÷89.79%)
(源泉所得税)▲11,137円(=111,370円×10%)
(復興特別所得税)▲233円(=11,137円×2.1%)
(差引手取額)100,000円(=111,370円-11,137円-233円)

●取引先が消費税の課税事業者である場合
・・・手取額÷94.79%(0.9479)で消費税抜きの請求金額を計算します。(消費税率5%の場合)

【例2】消費税込み手取額10万円の場合
(消費税抜き請求金額)105,496円(100,000円÷94.79%)・・・(A)
(消費税5%)5,275円(105,496円×5%)
(消費税込み請求金額)110,771円
(源泉所得税)▲10,550円((A)の105,496円×10%)
(復興特別所得税)▲221円(10,550円×2.1%)
(差引手取額)100,000円


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