【質問】
国税庁の査察は年々厳しくなってきていると聞いていますが、最近の状況はどのようになっているのでしょうか。

【回答】
今年も国税庁より「平成24年度査察の概要」が発表されましたが、昨年を超える告発率と額になっています。国税庁側も検察庁と連携強化を深め、査察を強化していることがうかがえます。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/sasatsu_h24/index.htm


■査察実績の概要
・査察件数191件(うち検察庁に告発した件数129件)
・告発率67.5%(昨年61.9%)

■金額ベース
・脱税総額205億円
・告発分175億円(昨年157億円)
・告発した事案1件あたりの平均脱税額1億3500万円

■脱税の手口
・相続税事案では、金地金を自宅床下に隠して相続財産から除外。
・消費税事案では、課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目を仮装。
・源泉所得税事案では、従業員等から所得税を徴収していたにも関わらず、一切納付せず、事業資金や生活費に充当。

■最も重いものは懲役2年8月
平成24年度中に一審判決が言い渡された件数は120件(昨年150件)、うち119件(昨年150件)について有罪判決が出され、実刑判決が3人(昨年9人)に出されています。
また、そのうち最も重いものは懲役2年8月となっています。

脱税によって得た不正資金については、現金、マレーシアやシンガポールの預金口座へ送金、ハワイの不動産に留保、高級外車を購入、海外のカジノで消費、などの事例があったそうです。

また、脱税によって得た不正資金の隠匿場所は様々なようですが、自宅リビングのクッション内のビニール袋や、知人宅のダンボール内の木箱や、物置の蚊取り線香の缶の中に現金を隠していたなど、マルサの女に出てきそうな事例もあるそうです。

税金に対する脇の甘さは命取りになることもあります。脱税は犯罪行為です!しっかり納税しましょう。

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