いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

特例

軽減税率導入後の中小事業者の税額計算の特例があります!

【ポイント】
2019年10月1日から2023年9月30日までの期間、売上げ又は仕入れを軽減税率と標準税率とに区分することが困難な一定の中小事業者に対して、売上税額又は仕入税額の計算の特例が設けられています。

180814研修

軽減税率導入後の消費税額の計算方法(原則課税)、「売上税額から仕入税額を控除する」という現行の方式と変わりありません。
ただし、消費税率が2つになるため、売上げと仕入れを税率ごとに区分して税額計算を行う必要があります。
消費税額の計算に、これまで以上に手間がかかることとなります。

そのため、2019年10月1日から2023年9月30日までの期間、売上げ又は仕入れを軽減税率と標準税率とに区分することが困難な中小事業者(基準期間(法人:前々事業年度、個人:前々年)における課税売上高が5,000万円以下の事業者)に対して、売上税額又は仕入税額の計算の特例が設けられています。

「困難な事情」とは、特例を適用しようとする課税期間中の売上げ又は仕入れにつき、税率ごとの管理が行えなかった場合等の事情をいいますので、その理由は問いません。

具体的な売上税額又は仕入税額の計算の特例については、後日ご説明いたします。


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30万円未満の減価償却資産、一括償却できるのは一時的なものだった?!

【ポイント】
一定の中小企業者等が1件30万円未満の減価償却資産(いわゆる少額減価償却資産)を取得した場合に、一定の要件のもとに全額を損金に算入できる特例制度の適用期限が、平成32年3月31日まで2年間延長されました。(所得税も同様)

180424少額減価償却資産
いわゆる「少額減価償却資産」の特例とは、従業員1,000人以下の中小企業者等が、1件30万円未満の減価償却資産(いわゆる少額減価償却資産)を取得した場合に、当該減価償却資産の合計額300万円を限度として全額を損金に算入することができる制度です。
かなり使い勝手がよいため、この制度のお世話になった方はかなり多いように感じます。

当たり前のように使っていた制度かもしれませんが、実はこの制度、期限付きの特例措置という扱いに変わりはありません。
平成30年度の税制改正で、適用期限が平成32年3月31日までの2年間、延長されました。所得税についても同様の扱いとなります。

この制度が特例、ということは「本則」もあります。
全ての企業に対して適用される「本則」は以下の通りですのでご注意ください。

●取得価額10万円未満・・・全額損金算入(即時償却)
●取得価額20万円未満・・・3年間で均等償却(3年間で毎年1/3ずつ損金算入できる)
●それ以外・・・通常の減価償却を行なう


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二世帯住宅への改修工事で税金がオトクに?!(2)オトクってどういうこと?

【質問】
二世帯住宅へリフォームすると所得税が安くなるとききました。
どのくらい税金が安くなるのでしょうか?

【回答】
一定の住宅ローンの年末残高に一定割合を乗じた額を5年間の各年において所得税額から控除できる「ローン控除」か、三世代同居対応改修工事の標準的な費用の額の10%相当額(限度額:25万円)をその年分の所得税額から控除できる「税額控除」のいずれかを選択し、適用することができます。


マイホームに三世代同居対応改修工事を行い、平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に住み始めたときは、税金がお得になる、という「多世帯同居改修工事」の特例
今回は、どのくらい税金が安くなるのかを簡単にご紹介いたします。
具体的には、次のいずれかの特例を適用することができます。

(1)ローン控除
三世代同居対応改修工事を含む増改築工事に係る住宅ローン(償還期間5年以上)の年末残高1,000万円以下の部分について、一定割合を乗じた額を5年間の各年において所得税額から控除できます。

控除額は、ローン残高 × 控除率で計算します。

ローン残高を、次の2つに分けて、その合計額が控除額となります。
ア)増改築工事全体:ローン残高1,000万円まで控除率1.0%(5年間)
イ)アのうち三世代同居対応改修工事:ローン残高250万円まで控除率2.0%(5年間)
※ただし、ア)は上限7.5万円、イ)は上限5万円で、毎年合計12.5万円が上限(5年合計で62.5万円が上限)となります。

(2)税額控除
三世代同居対応改修工事の標準的な費用の額の10%相当額(限度額:25万円)を、その年分の所得税額から控除します。


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被災した場合の申告・納税に係る手続きについて

【ポイント】
災害により被害を受けた場合には、納期限の延長、納税の猶予、所得税の軽減措置など、申告・納税に係るさまざまな手続きを利用することができます。



災害により被害を受けた場合には、以下のような申告・納税等に係る手続等があります。

1.納期限の延長
災害による交通途絶等で期限内に申告・納税等ができないときは、所轄税務署長に申請し、承認を受けることにより、その理由(交通途絶等)が収まった日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。

2.納税の猶予
災害により、財産に相当な損失を受けた場合は、所轄税務署長に申請し、承認を受けることにより、納税の猶予を受けることができます。

3.所得税の全部(または一部)を軽減する措置
災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で「所得税法に定める雑損控除」または「災害減免法に定める税金の軽減免除による方法」どちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。

また、給与等、公的年金等、報酬等から徴収される(又は徴収された)源泉所得税の徴収猶予や還付を受けることもできます。

4.消費税の簡易課税制度について
災害により被害を受けた事業者が、当該被害を受けたことにより、災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、又は適用を受けることの必要がなくなった場合には、所轄税務署長に申請しその承認を受けることにより、災害等の生じた日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。(逆に適用をやめることもできます)

これは、災害によって事務処理能力が低下したため、一般課税から簡易課税への変更が必要になった場合や、棚卸資産その他業務用の資産に相当な損害を受け、緊急な設備投資を行うため、簡易課税から一般課税への変更が必要になった場合などに適用されます。

被災地の皆様、とりわけ避難生活を送られている方は、不安な中、日々の生活を送ることに手一杯なのではないか、と思います。
少しでも落ち着いたらば、こうした制度を利用して経済的な不安を少しでも取り除いていただければと思います。

詳しい情報は、最寄りの税務署や税理士等にご相談ください。


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赤字法人でも減税メリットあり!機械装置の投資に係る固定資産税の特例

【ポイント】
中小企業者(原則として、大企業の子会社を除く資本金1億円以下の企業等)が取得する新規の機械装置について、3年間、固定資産税を1/2に軽減する措置が創設されました。
赤字法人でも減税のメリットが受けられるのが特徴です。



平成28年度与党税制改正大綱が公表されました。
その中で、中小企業・小規模事業者向けの注目すべき改正事項を少しずつご紹介いたします。

まず注目したいのは、「新たな機械装置の投資に係る固定資産税の特例の創設」です。

中小企業者(原則として、大企業の子会社を除く資本金1億円以下の企業等)が取得する新規の機械装置について、3年間、固定資産税を1/2に軽減する措置が創設されました。

中小企業者が、新法の認定計画に基づき取得する新規の機械装置(新品)で、生産性を高める機械装置が対象となります。
実は既に「生産性向上設備投資減税」というものがありまして、この支援要件
(1) 160万円以上
(2)生産性1%向上(10年以内胃販売開始)
(3)最新モデルである
の中から、(3)最新モデルである、という要件が除外されます。
こうした機械装置を取得した場合、固定資産税(税率1.4%)の課税標準を3年間、1/2に軽減されます。

中小新法の施行日以降に取得したものから平成30年末までの3年間に取得した資産が対象となります。
中小企業庁からは、金属加工機械やソフトウエア組込型(NC)複合加工機などが対象設備の代表例として示されています。

この改正、「固定資産税」が軽減されるというところがポイントです。
固定資産税は、機械装置等の固定資産を取得したら赤字法人であっても課税されます。
つまり、赤字法人であっても、減税のメリットを受けることができるのです!

固定資産税での設備投資減税は、史上初だといいます。
新たな投資を考えている法人の皆様にはうれしい改正になりそうですね!

※税制改正大綱は、現段階では決定ではありませんのでご注意ください。