いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

社長

経営判断に失敗した場合―お客様(A社)のケース

ありがたいことに、いずみ会計はお客様に恵まれ、中小企業ながら成長を続ける会社が少なくありません。
こうした会社の成功の秘訣を、折を見て少しずつご紹介していきたいと思います!

成功の秘訣、といいつつも、業務範囲を拡大するなど新しいビジネスをはじめるにあたっては、失敗のリスクもあります。今回はその失敗の事例についてご紹介いたします。

コンピューター関連機器販売を手がけていたA社は、順調に業務を拡大し、お客様のニーズに答えてハードウェアを販売しつつ、システム開発の提案が同時にできるよう業務の範囲を拡大していきました。

当初、システム開発は小さな案件を下請けしていましたが、徐々に自社で直接、システム開発を受けるようになったようです。「リスクは大きいものの、リターンも大きいから」という経営判断からです。

自社で直接システム開発を請け負うようになってからもシステム開発の依頼は途切れず、徐々に大きな案件も受けるようになってきました。
自社SEだけでは開発が追いつかず、外部のSEに外注するなど、かなり大掛かりに開発を行なっていましたが、ここに落とし穴が待っていました。

システム開発は、上手くいけばリターンが大きいのですが、上手くいかなかった場合は、トラブルの対応に苦慮することがあります。最悪のケースだと、やり直さなければならないリスクもあります。
あるシステムの開発で、取引先に追加請求できない費用がかさみ、大きな損失がでてしましました。
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こうなった原因はなんだったのか。
社長の責任として感じたことは、最初の営業の時にどこまでがシステム開発の範囲かの線引きがあやふやだったこと、追加依頼された作業のボリュームを読み誤り、追加金額の見積もりが甘かったため、結果として追加金額がゼロで対応せざるを得なくなるなどが重なり、損失が大きくなってしまったようです。

そこで、大きな損失がでたのを機会に、大規模なシステム開発は中止し、クライアントのニーズにあった小さなシステムの開発に特化しつつ、従来のハードウェア販売を続ける方向に舵を切りなおしました。

大きな失敗をしたときは、まず社長(会社)の責任で何が問題だったのか、分析することが重要です。
その上で、改善できることであれば改善して事業を継続すればよいのですが、改善が望めないのであればその業務は思い切ってやめる、ということも社長の決断にかかってきます。
また、大きな損失がでた後は、その損失を挽回するための柱を考えることも大切です。
A社のように、これまでの経験から手堅い業務を柱にするなど、これも社長の決断になりますね。


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(つぶやき)社長の信頼

私が色々な企業を顧問税理士の立場で拝見するなかで
「もったいないなぁ〜」
と思う職員さんがいます。

なぜ「勿体ない」と思うかと言えば
基本的に仕事をこなす能力は人並み以上にあるのですが
肝心な場面で、社長からの信頼が得られない方のことです。

たとえば、仕事をこなす能力は抜群なのに、会社だったり、社長に対するロイヤルティが希薄だったりする方。

仕事は出来ても、会社や社長への忠誠心があまり伝わらない、という職員さんもいますよね。

伝え方が下手な方もいれば、もしかすると、そういう忠誠心みたいなものは
仕事さえやれば、特段不要と思う職員さんがいるかもしれません。

でも私は「勿体ない」と思います。

社長からの信頼は、一つの場面だけでは作れません。

中小企業や零細企業では、社長の信頼を得ることは
仕事の要領がいい、というテクニカルな話よりも、実は大事かもしれませんね。

(つぶやき)通訳係

ある社長さんが、いいました。

「うちの職員は、井戸の中の蛙でね〜」

私は、いえいえ、そんなことはありませんよ、
と言葉を返しつつ、次に社長が何を言いたいかはおおよそ予想出来るので、
社長の台詞を待っています。

社長曰く。


会社に対する不満を職員どおしで言っている。

給与や賞与が安いと、愚痴っている

忙しい、忙しい、ばかりを言っていて、仕事が遅い。

指示待ち人間になってしまっている。

世の中は、皆、仕事は大変なもんなんだ!
もっと厳しい職場もあるのに、なんなんだ!!


社長からすると
「うちの職場は、そんなに悪い職場じゃないぞ」
と思っているので、職員が愚痴のネタにするのも、抵抗感があるようです。


もちろん、社長と職員は、立場が違いますから
意見が違うのは、当たり前なんですよね。

私は、こういう場面で、社長と職員との通訳係のような、
そんな役割をすることもあります。

(つぶやき)二代目

顧問先ではありませんでしたが、
ある会社が数年前に倒産した時の話です。

その会社は創業者の努力で、一から会社を築き上げ、100億を超える規模に成長しました。

経営も順調に見えるその時期に、二代目に経営を譲りました。

しかし、二代目になってから経営はどんどん悪くなり、最終的に会社は倒産しました。

売上が減少したことも要因の一つですが
二代目が会社を私物のようにしてしまった、会社のお金を自分のお財布のように使ってしまったのも原因のようです。


創業者が苦労して会社を築き上げても、二代目がそれを一瞬で崩してしまう。
こういう事例は残念ながら、まだあるようです。

(つぶやき)社長の任期

基本的に、経営者には定年がありません。

定年がないといっても、周りが社長でいることを応援してくれないと無理ですし、
また経営者本人が社長でいることを強く希望する必要がありますね。


定年がないからこそ、経営者は自分で自分の任期を決めないといけません。

自分が社長をしている間に、何ができるか?

常に検討が必要ですね。