いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

税制改正

全事業者が対応するのは1点のみ?!「電子帳簿保存法」改正とは?

【ポイント】
電子帳簿保存法が改正され、2022年1月から施行されます。
法改正のポイントは3点ありますが、全事業者が対応しなければいけない部分は「電子取引の領収書等の保存要件」に関するもの1点のみです。

211109

令和3年度の税制改正で「電子帳簿保存法」が改正され、2022年1月から施行されます。
「全事業者が対応しなければいけない」「対応しなければ青色申告の取り消し処分が科される」など、不穏なうわさが飛び交っていて不安になる方も少なくありません。

まず、電子帳簿保存法の改正の全体像を理解したうえで、全事業者が対応しなければいけない部分について理解しましょう。

電子帳簿保存法の改正は、3つのポイントがあります。
その中で、全事業者が対応しなければいけないポイント「(3)電子取引の領収書等の保存要件」の1点のみです。

(1)電子帳簿等保存に関する改正
会計ソフト等で作成した一定の帳簿、決算書、領収書等について、要件を満たせば紙の原本は不要とするものです。
この要件が緩和されたものの、対応するシステムの導入などが必要となります。
希望者のみが対応すればOKです。

「電子帳簿保存法」の法律名と似たような項目なので、混乱する方が多いかもしれませんが、電子帳簿の保存に関する改正は、法改正の一部にすぎません。

(2)スキャナ保存に関する改正
紙で作成した領収書等の書類を一定の要件のもと画像データで保存すれば、紙の原本は不要とするものです。
要件が緩和されたものの、対応するシステムの導入などが必要となります。
希望者のみが対応すればOKです。

(3)電子取引の領収書等の保存要件
電子取引(ネット通販、メールの請求書など)の領収書等につき、これまでは「原則データで、例外でプリントアウト保存もOK」とされてきましたが、2022年1月からデータ保存が必須となり、プリントアウト保存は税務上認められなくなります。

これまで「電子取引の領収書等」(Amazon、楽天、メールで届く請求書など)は、プリントアウトして紙の領収書等と一緒に税務書類として保存している方も多いかと思いますが、今後は電子取引の領収書等についてはデータで保存することが義務付けられる、ということです。

なお、電子取引の領収書等については、データさえ保存されていればプリントアウトを社内資料(メモ)として使うのは問題ありません。(実務上、そのほうが記帳作業の時にラクという方も多いと思います)


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

税務関係書類の押印、窓口での取り扱いが発表されました!

【ポイント】
令和3年度税制改正の大綱で一定の税務関連書類を除き、原則として押印を要しないことが示されたことを受けて、国税庁は「押印を要しない税務関係書類については押印がなくても改めて求めない」とする税務署窓口対応を発表しました。

210209
「令和3年度税制改正の大綱」(以下「税制改正の大綱」)では、一定の税務関係書類を除き、原則として押印を要しないことが示されました。
税制改正の大綱では、2021年4月1日以降提出の書類から適用されること、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととすることも盛り込まれています。

これを受けて国税庁は、2月9日に「税制改正の大綱において『押印を要しないとされた税務関係書類』については、押印がなくても改めて求めない」とする税務署窓口対応を発表しました。

所得税の確定申告書等についても、押印がなくても受理されるようになりましたので、今年の確定申告のときに参考にするとよいでしょう。

なお、引き続き押印が必要となる税務関係書類は次の通りですので、併せてご確認ください。

(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類


※国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとなります。

※代理の方が納税証明書の交付請求等をされる際に提出をお願いしている本人(委任者)からの委任状等については、押印がない場合に改めて求めないこととしています。
ただし、実印の押印及び印鑑登録証明書等の添付などにより委任の事実を確認している特定個人情報の開示請求や閲覧申請手続については、引き続き、委任状への押印等が必要となります。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

令和3年度税制改正の大綱、閣議決定

【ポイント】
12月21日に税制改正の大綱が閣議決定しました。家計と民需を下支えするための施策やポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現するための税制上の措置などが盛り込まれています。

201222

令和3年度税制改正の大綱が、12月21日に閣議決定しました。

令和3年度の税制改正の大綱は、家計と民需を下支えするため、固定資産税の評価替えへの対応、住宅ローン控除の特例の延長などが盛り込まれました。
また、中小企業の経営資源の集約化による事業再構築を促す措置や、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環を実現するために、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラルに向けた投資を促進する措置が創設されました。

主な項目は次の通りです。

<個人所得税関連>
・住宅ローン控除の特例の延長等
・セルフメディケーション税制の見直し
・国や自治体が実施する子育てに係る助成等の非課税措置
・退職所得課税の適正化


<資産税関連>
・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充
・日本で働く外国人が死亡した際に外国在住の家族が相続により取得する国外財産の相続税に関する措置
・教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
・土地に係る固定資産税等の負担調整措置


<法人税関連>
・中小企業向け投資促進税制等の延長
・所得拡大促進税制の見直し
・中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設
・繰越欠損金の控除上限の特例
・コロナ禍を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し
・デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設
・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設
・活発な研究開発を維持するための研究開発税制の見直し
・株式対価M&Aを促進するための措置の創設


<消費税関連>
・自動車に関する税金
・金密輸に対応するための改正


その他、納税環境整備、関税などにも改正があります。

詳しくは年明けから少しずつ説明していきます!

※なお、税制改正の大綱は、税制改正の方向性を示したものです。今後の税務の方向性を確認するうえで重要な情報ですが、現時点では正式な決定事項ではありませんのでご注意ください。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

給与所得控除の金額にご注意ください!-令和2年分年末調整

【ポイント】
令和2年分の年末調整では、給与所得控除の金額が改正されています。年末調整の際には「令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使うようにしてください。

200929
令和2年分(2020年分)の年末調整は、これまでの年末調整と大きく異なるポイントがいくつかあります。
主な点は次の5つで、今日はこのうちの(1)給与所得控除の改正についてお話しいたします。

(1)給与所得控除の改正
(2)基礎控除の改正
(3)所得金額調整控除の創設
(4)扶養親族等の合計所得金額要件の改正
(5)ひとり親控除の創設と寡婦(寡夫)控除の改正

給与所得控除の金額が、次のように改正されました。
20年11月号01給与所得控除


これにより、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が改正されています。
令和2年分の年末調整の際には、「令和2年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使うようにしてください。

給与担当者が、以前の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」をファイルして、それを何年も使いまわしているケースが散見されますが、今年は必ず令和2年分のものを使うようにしてください。
また、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」については、毎年新しいものを使うように心がけてください。(最新のものは税務署から送られてきますが、国税庁のHPからもダウンロードできます)


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

所有者不明土地等に係る固定資産税

【ポイント】
所有者不明土地等に係る固定資産税課税への対応として、令和2年度の税制改正で「現に所有している者(相続人等)」に対する申告の制度化、使用者を所有者とみなす制度の拡大が盛り込まれました。

200804

近年、所有者不明土地等が全国的に増加しています。
これは、固定資産税を課税するうえでも大きな課題の一つでした。

令和2年度の税制改正では、所有者不明土地等にかかる固定資産税の取り扱いについて、次の2点が改正されました。

(1)「現に所有している者」の申告の制度化
土地または家屋の登記簿上の所有者が死亡し、相続登記がされるまでの間において、「現に所有している者(相続人等)」に対して、市町村の条例で定めるところにより、氏名・住所等必要な事項を申告させることができることとされました。

(2)使用者を所有者とみなす制度の拡大
調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合、事前に使用者に対して通知したうえで、使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、固定資産税を課すことができることになりました。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから