いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

簡易課税

消費税の簡易課税制度、一歩間違えると大変なことに?!

【ポイント】
三重県鳥羽市が、下水道事業の特別会計に対し、伊勢税務署から消費税の申告漏れを指摘され、過少申告加算税と延滞税を含む約1160万円を修正申告することが明らかになりました。


180619取引先
今月上旬ですが、三重県鳥羽市が、下水道事業の特別会計に対し、伊勢税務署から消費税の申告漏れを指摘されたと発表しました。
この申告漏れの指摘により、過少申告加算税と延滞税を含む約1160万円を修正申告することも明らかになりました。

市によると、指摘を受けたのは平成24~27年度に申告した下水道事業の消費税について、それまでの簡易課税方式に対し、24~27年度は原則課税方式が適用されたため計算を誤ったことが原因だといいます。

納付する消費税額の計算方法は、
課税売上げ等に係る消費税額-課税仕入れ等に係る消費税額=納付する消費税額
と計算するのが原則で、これを原則課税方式といいます。

ただし、その課税期間の前々年又は前々事業年度(基準期間)の課税売上高が5000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。
もう少し詳しく説明すると、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするしくみで、その一定割合は行なっている事業の業種によって90%から40%までの6種類の割合が適用されます。

簡易課税制度を採用した場合、必ず消費税の納税額が発生することになりますが、課税仕入に該当しない人件費等の割合が高い法人の場合、簡易課税制度を使ったほうが有利になるケースがあるため、簡易課税制度を利用している法人の方もいらっしゃるかと思います。

しかし、簡易課税制度を利用する場合、基準期間の課税売上高が5000万円を超えると原則課税方式が適用されるため、注意が必要です。
課税売上高が5000万円前後の法人は、簡易課税制度が利用できるかどうかを毎年、確認すべきなのですが、今回のケースではそれが行なわれていなかったようです。

担当者は「引き継ぎがなされていなかった。課として税の仕組みを理解していないと言われても仕方なく、今回のミスをきちんと引き継ぎ、職員の税に対する理解を深めたい」と話しているそうです。

たとえ自治体であっても、申告に誤りがあれば指摘を受けて修正申告や延滞税などの追加の税金を支払うことを余儀なくされます。
特に簡易課税制度を利用している法人の方は、ご注意ください!


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消費税の税制改正について(1)―消費税の基本的な考え方

【質問】
来年から消費税法が改正されると聞きました。
当社は原則課税を採用しているのですが、計算方法が変わる、という話を聞きました。
何がどう変わるのでしょうか。

【回答】
平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用される改正の一つに、課税売上高が5億円を超える事業者は、仕入税額控除の計算を、個別対応方式か一括比例対応方式により計上することになります。


 【回答】に書いたことが概要になりますが、専門用語だけでは分かりづらいですよね(^-^;)。
 今回から2回にわたって、消費税の基本的な考え方と改正のポイントについてお話しいたします。

 今週は、消費税の基本的な計算方法についてご紹介いたします。

 そもそも、消費税の納税額を計算する方法は、「原則課税方式」と「簡易課税方式」の2種類があります。

 大雑把なイメージでご説明すると、売上(課税売上)の時に顧客から預かった消費税額から、仕入や経費(課税仕入)の時に業者等に支払った消費税額をマイナスして消費税額を計算するのが「原則課税方式」です。

 これに対し、売上に係った消費税に対して一定割合をかけ算した額を仕入れに係った消費税額とみなして消費税額を計算するのが「簡易課税方式」です。

 数値を使ってご説明いたします。

【例・小売業を営むA社の場合】
・売上高5,250千円(・・・受け取った消費税額は5,250千円×5/105=250千円)
・仕入、経費3,150千円(・・・支払った消費税額は3,150千円×5/105=150千円)
・みなし仕入率80%

(原則課税方式の場合
消費税の納税額・・・250千円―150千円(仕入控除額A)=100千円

(簡易課税方式の場合)
仕入控除額(B)=売上に係る消費税額250千円×80%=200千円
消費税の納税額・・・250千円―200千円(仕入控除額(B))=50千円


 簡易課税制度の適用を受けるためには、原則として、納税地を所轄する税務署長に、適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しなければいけません。

 また提出から原則として2年間は簡易課税制度により税額計算をしなければいけません。

 もし、簡易課税制度の適用をとりやめて原則課税制度にするには、原則として、やめようとする課税期間の開始の日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出する必要があり、とりやめる課税期間の初日から課税仕入れ関係の帳簿及び請求書などを保存することが必要になります。

 ちなみに、簡易課税制度を選択できるのは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の法人に限られますのでご注意下さい。

 今回の改正は、原則課税制度を利用している法人には重要な改正になりますが、こちらの詳しい説明は次回に続きます!

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