いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

給与

在宅勤務手当、内容によっては給与課税される?!

【ポイント】
在宅勤務に通常必要な費用を従業員に支給した場合、その内容によっては給与として課税する必要が出てきますので注意してください。

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在宅勤務に必要な費用を従業員に支給するケースが増えています。
しかし、場合によってはその支給額が給与として課税される可能性がありますので注意が必要です。

在宅勤務に通常必要な事務用品費や通信費、電気代などの実費相当額を精算する方法で、企業等が従業員に支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません。
領収書等と引き換えに精算した実費や、後日精算するために一時的に仮払いした金額などがこれに当たります。

一方、「在宅勤務手当」といった形で在宅勤務に通常必要な費用として使わなかった場合でも返還義務がないもの(従業員に対して毎月数千円を渡し切りで支給するなど)については、従業員に対する給与として課税する必要があります。


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従業員の給与を上げると会社の税金がグンと安くなる?!(1)

【質問】
従業員の給与を上げると会社の税金が安くなるという話を聞きました。
どういう制度でしょうか?

【回答】
いわゆる「所得拡大促進税制」のことです。
これは、青色申告書を提出している法人(または個人事業主)が、給与等支給額を規定の割合以上増加させる等の要件を満たした場合に、雇用者給与等支給増加額の10%を法人税額(または所得税額)から税額控除(税額の10%(中小企業者等は20%)が上限)できる制度です。



青色申告書を提出している法人(または個人事業主)が、給与等支給額を規定の割合以上増加させる等の要件を満たした場合に、雇用者給与等支給増加額の10%を法人税額(または所得税額)より税額控除(税額の10%(中小企業者等は20%)が上限)できる制度です。

ベースアップや賞与、諸手当(所得税法上、原則として「給与所得」として課税対象となるものに限る)を含め、幅広い賃上げが対象となります。
例えば、業績連動の賞与が増加したことにより、適用条件を満たす可能性がある他、ベースアップを実施することで、適用の可能性が高くなります。

この税制は平成25年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に開始する各事業年度について一定の条件を満たせば利用することができます。

この制度は「税額控除」というところがポイントです。
ざっくり言うと、法人税(所得税)の計算は
所得額×税率=税額
で求めることになります。
税額控除は、最後の税額からダイレクトに金額を控除することができるため、所得額から控除ものするよりも効果が高いのです。
しかも、中小企業者等の場合は、MAXで税額の5分の1が控除可能となります。

従業員も喜ぶ、会社も助かるこの制度、一度検討してみてはいかがでしょうか?


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(つぶやき)節約手段が無いもの

「税金も高いけど、社会保険も高いね」
これは経営者からよく聞くため息まじりの雑談です。

はい、私もよくそれを感じます。

社会保険は会社が赤字か黒字か関係なく、給与があれば必ず発生します。

税金は「節税」という考え方がある種でありますが
社会保険にはほとんど節約手段がありません。

「社会保険は、高いね~」
このため息は、これから先も経営者からよく聞くため息になりそうです。

出向社員に対する給与の格差補填金

【質問】
当社が持つちょっと特殊な技術の指導を、関連会社から要請されました。
当社としてもこれを受け入れ、来月から技術者を関連会社に出向させることにしました。

ところが、関連会社の給与水準が当社の水準を下回るため、出向者に対し給与格差分を当社が負担することにしました。
給与格差の補填分については、どのような処理をすればよいのでしょうか?

【回答】
出向元法人が支給した給与の格差補填金は損金に算入されます。
出向先法人が出向者に賞与を支給できないため、出向元法人が支給する賞与や留守宅手当なども「格差補填金」として取り扱われます。



 特殊技術の習得・指導のほか、慣習としての人事交流や、大きなプロジェクト要員としての派遣などの理由で、自社の社員を子会社や関連会社に「出向」させる-実は中小企業でもよくある話です。

 出向社員に対する給与は出向先法人が負担するのが一般的ですが、その場合でも支給のスタイルとしては、出向元法人が出向先法人から「給与負担金」を受け入れ、出向社員に対しては出向元法人から給与を支給するケースが多いようです。

 もし、ご相談の方のように出向先法人から受け入れた給与負担金が、出向元法人の給与水準以下ならば、結果的に出向元法人が両社の給与格差分の負担をすることになります。

 今日は、出向元法人が出向社員に対して給与の格差補填金を支給した場合の税務上の取り扱いについてお話しいたします。

 結論から言うと、出向者と出向元法人との雇用契約は出向期間中であっても依然として維持されていますから、出向元法人が支給した給与の格差補填金も損金に算入されます。

 ちなみに、出向先法人が経営不振などで出向者に賞与を支給することができないため、出向元法人が代わりにその出向者に賞与を支給する場合や、出向先法人が海外にあるケースで出向元法人が留守宅手当を支給する場合でも「格差補填金」として取り扱われます。


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(年末調整)1月10日支払の12月分給与の取扱い

【質問】
当社の給与規程は、毎月1日から末日までの勤務実績を基に、翌月10日に給与を支給することになっています。
そこで質問なのですが、年末調整の対象となる給与の総額に、12月中の勤務実績に基づく給与(翌年の1月10日支給)は含めてよいのでしょうか。

【回答】
契約または監修により支給日が定められている給与については、その支給日が収入の確定する日となるため、12月分の給与(1月10日支払)は本年の年末調整の対象とはなりません。


 年末調整は、
「本年中に支払の確定した給与」
(=給与の支払を受ける人からみれば収入の確定した給与)
の総額について行います。

 ですから、臨時の報酬などで12月中に支払が確定し、未払い計上した上で翌月10日に支払うようなものの場合は、未払い計上した12月分の給与等として年末調整の額に含めることになります。

 但し、「収入の確定する日(収入すべき時期)」とは、
契約又は慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、
支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日をいいます。

 ご質問の場合、給与規程により支給日が定められていますので、翌年1月10日に支給する給与は、同日が収入の確定する日となり、本年の年末調整の対象とはなりません。

 ちなみに、年の中途で就職した人が就職前に他社から受けていた給与(本年分)については、年末調整の対象となります。
 該当する社員には、前の職場から受けた源泉徴収票を提出してもらうように声をかけてください!


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