いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

要件

扶養親族等の合計所得金額要件が改正されました-令和2年分年末調整

【ポイント】
各種控除等を受けるための扶養親族等の合計所得要件等が改正され、合計所得金額要件が引き上げられていますのでご注意ください。

201103-02


令和2年分(2020年分)の年末調整は、これまでの年末調整と大きく異なるポイントがいくつかあります。
主な点は次の5つで、今日はこのうちの(4)扶養親族等の合計所得金額要件の改正についてお話しいたします。

(1)給与所得控除の改正
(2)基礎控除の改正
(3)所得金額調整控除の創設
(4)扶養親族等の合計所得金額要件の改正
(5)ひとり親控除の創設と寡婦(寡夫)控除の改正

各種所得控除等を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件等が改正されました。
20年11月号03各種控除

具体的には、同一生計配偶者、扶養親族、源泉控除対象配偶者、配偶者特別控除の対象となる配偶者及び勤労学生の合計所得金額要件がそれぞれ10万円引き上げられています。
それぞれの金額は次の通りとなります。

扶養親族等の要件に該当するかどうか、今一度ご確認ください。


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無予告の税務調査

【質問】
税務調査の手続きで、無予告調査について規定が定められたという話を聞きました。
税務調査は予告なしに行われるようになるのでしょうか?

【回答】
無予告調査については、事務運営指針と通達により、要件が定められることとなりました。
また、要件に従っていない無予告調査は、これらの規定を根拠に抗弁できるようになりました。


平成25年1月1日以降実施される税務調査において「税務調査の手続き」が詳細に規定されるようになりました。
その中の一つが、無予告調査に関する要件の整備です。

これまでは、法律上に税務調査は「事前の通知をしなければならない」と記載されているわけではなかったため、事実上認められていたと解釈されていました。

しかし、法改正により、事務運営指針と通達により、無予告調査に関する要件が定められました。

事務運営方針では、「事前通知を行わない場合の手続き」として

「実地の調査を行う場合において、納税義務者の申告もしくは過去の調査結果の内容またはその営む事業内容に関する情報その他国税庁、国税局又は税務署がその時点で保有する情報に鑑み、

(1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ
(2)その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ

があると認められる場合には、事前通知を行わないものとする。

この場合、事前通知を行わないことについては、法令及び手続き通達に基づき、個々の事案の事実関係に即してその適法性を適切に判断する。」

としています。

さらに通達では、定義を明確に定めています。
これにより、不当な(=要件に従っていない)無予告調査は、これらの規定を根拠に抗弁できるようになりました。

無予告調査の要件整備は、全ての税務調査が無予告になるということではありませんので、ご安心下さい。


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