【質問】
長男と長女がそれぞれにマイホームを手に入れたようです。
マイホーム購入資金の援助をしたのですが、マイホームの契約書を見てふと疑問に思いました。
長男の契約書には印紙が貼られておらず、長女の契約書には印紙が貼られていました。
長男の契約書には何か不備があるのでしょうか?

【回答】
建売住宅の供給(不動産の譲渡契約書)の場合は不課税文書となりますが、請負契約に基づく家屋の建築は課税文書となります。



印紙税でよく問題になるのが、その契約の文書が請負契約か、売買契約か、という点です。

請負契約だと2号文書または7号文書という扱いになり、印紙税がかかります。
一方で物品の売買契約ならば、継続する売買契約で第7号文書になるものを除き、不課税文書になります。

契約書を拝見しておりませんのであくまでも推測になりますが、一般的に建売住宅の場合は不動産の譲渡契約書を取り交わすこととなり、これは売買契約と認められます。
そのため、契約書に印紙税はかかりません。

いわゆる注文住宅で、家屋の建築に関する請負契約を結んだ場合、この文書は一般的に「2号文書」という扱いになり、印紙税がかかります。

請負契約か、売買契約か、の判別については、基本通達で一定の基準が示されています。

【請負契約に該当すると認められるもの】
●注文者の指示に基づき一定の仕様又は規格等に従い、製作者の労務によって工作物を建設することを内容とするもの
(具体例)家屋の建築、道路の建設、橋りょうの架設・・・など

●注文者が材料の全部又は主要部分を提供(有償、無償を問わない。)し、製作者がこれによって一定物品を製作することを内容としたもの
(具体例)生地提供の洋服の仕立て、材料支給による物品の製作・・・など

●製作者の材料を用いて注文者の設計又は指示した規格等に従い一定物品を製作することを内容とするもの
(具体例)船舶・車両・機械・家具等の製作、洋服等の仕立て・・・など

●一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするもの
(具体例)大型機械の取り付け・・・など

●修理又は加工を内容とするもの
(具体例)建築・機械の修繕、塗装・・・など

【売買契約に該当すると認められるもの】
●一定物品を一定の場所に取り付けることによって所有権を移転することを内容とするものであるが、取付行為が簡単であって、特別の技術を要しないもの
(具体例)テレビを購入した時のアンテナの取付けや配線・・・など

●製作者が工作物をあらかじめ一定の規格で統一し、これにそれぞれの価格を付して注文を受け、当該規格に従い、工作物を製作し、供給することを内容とするもの
(具体例)建売住宅の供給(不動産の譲渡契約書)・・・など

●あらかじめ一定の規格で統一された物品を、注文に応じ製作者の材料を用いて製作し、供給することを内容とするもの
(具体例)カタログ又は見本による機械、家具等の製作・・・など


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