いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

経費等/給与・賞与・退職金

法人成りしたときの従業員の退職金

【質問】
おかげさまで今年の4月に法人成りをしました。
今月、個人事業だった頃から勤めていた従業員が退職することとなり、退職金を支払うことになりました。
退職金を支払うのは法人なので、法人の損金として処理してよいのでしょうか?


【回答】
個人事業を引き継いで設立された法人が、個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職に伴い退職金を支給した場合は、原則として個人時代の勤務に対応する部分の金額は法人の損金の額には算入されず、個人所得税の最終年分の必要経費になります。


  個人事業を引き継いで設立された法人が、個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職に伴い退職金を支給した場合は、一般的にはその退職金には個人時代と法人成り後の両方の勤務に対応する分が含まれていると考えられるため、原則として個人時代の勤務に対応する部分の金額は法人の損金の額には算入されず、個人所得税の最終年分の必要経費になります。

 今月退職する従業員の退職金も、個人時代の勤務に対応する部分の金額は、今年の個人所得の計算で必要経費としてください。

ただし、もし退職が法人設立後相当の期間が経過した後であるときは、その支給した退職金の金額が法人の損金の額に算入されます。
 法人成りして時間が経った企業については、按分は不要です。

 判断に迷う場合は、税理士等にご相談下さい。


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家族従業員も加入対象者に―中小企業退職金共済

【ポイント】
平成23年1月1日から、同居の親族のみを雇用する事業所の従業員についても一定の要件を満たしていれば、「従業員」として、中小企業退職金共済制度に加入することができるようになりました。


 中小企業退職金共済制度(中退共制度)は、国が作った中小企業の従業員のための退職金制度です。

 中退共制度とは…
・事業主が独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部(中退共)と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付する
・従業員が退職したときは、中退共から従業員に退職金を直接支払う

という仕組みになっています。

 退職金額は、基本退職金は予定運用利回り1%で設計されています。付加退職金は予定運用利回りを上回った場合に上乗せされる事となっています。

 2010年10月末時点で、369,043事業所の従業員3,130,461人が加入しています。

 中退共制度の掛金は、法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となります。

 また、従業員ごとに退職金を決めることができる、パート従業員も加入できる上、退職金の管理がしやすいなどのメリットもあります。

 非常に使い勝手がよい制度ですが、これまでは同居の親族のみを雇用している事業に雇用されている者は共済制度に加入できませんでした。

 しかし、昨年「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令」が改正されました。

 その結果、同居の親族のみを雇用する事業に雇用される者であっても、使用従属関係(使用者の指揮監督下で労務を提供しかつ賃金の支払いを受けている者)が認められる者は、従業員として取り扱う事が出来るようになりました。

 加入するときは…
(1)申込者が同居の親族のみを雇用するものである場合、共済契約申込書にその旨を記載する
(2)被共済者(加入対象者)が同居の親族である場合には、次の物を添付する
A)被共済者となる者が申込者に使用されている者で、賃金を支払われる者であることを証明する書類(賃金台帳等)
B)被共済者は中小企業共済法上の共済契約者でない事を誓約する書類

 従業員が退職する時は…
1)退職時に同居の親族である時は使用され賃金を支払われていた事を証明する書類
2)退職事由を証明する書類
を添付します。

 また、同居の親族が転職や傷病、高齢その他これに準ずる理由で退職した時は、再び同事業主に雇用される事が見込まれない事を証明する書類も必要です。


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早期退職者に多めの退職金を払うとき

【質問】
昨今の経済状況を鑑みて、会社の財務体質改善を図っています。その中で、やむを得ず早期退職者をつのることにいたしました。
早期退職に応募した従業員には、通常の退職金より多めの退職金を支払ってあげたいと思っていますが、何か注意することはありますか。

【回答】
退職金の上乗せ部分(特別加算金)は、「社会通念上、特別加算金として適正な金額で、かつ、会社の規定に沿って算定された金額であれば損金処理できる」とされています。「社内規定に沿って計算されている」ところがポイントですから、「早期退職制度に関する規定」や「退職金支給規定」の中に、「特別加算金に関する規定」を設けておく必要があります。


 昨今の景気の影響を受けてか、ご相談の方のように、従業員の「早期退職」を実施する企業が増えています。

 早期退職は財務体質の抜本的な改善を目的として行われるもので、退職者には退職金とは別に上乗せ部分の「特別加算金」が支払われるケースが少なくありません。
 上場企業の中には、早期退職制度を実施し1人につき最大で月給27カ月分の特別加算金が支給したところもあるとか。


 退職者にとって、特別加算金は課税の対象となります。気になるのは、その所得区分や支払った企業側の税務処理です。


 特別加算金を支払った法人側の税務処理については「社会通念上、特別加算金として適正な金額で、かつ、会社の規定に沿って算定された金額であれば損金処理できる」(東京国税局)としています。

 特に、特別加算金の額が「社内規定に沿って計算されているか」という点については税務調査でも確認されることが多いので注意が必要です。

 特別加算金の支払いを実施する場合には、その下準備として、「早期退職制度に関する規定」や「退職金支給規定」の中に、「特別加算金に関する規定」を設けておくことが必要になります。

 具体的な規定の設け方などは、顧問税理士などにご相談ください。

 ちなみに、退職者にとって、支払いを受けた特別加算金は、「退職金の割増し部分に当たるため、退職所得として考えて差し支えない」(同)としています。

 退職所得であれば、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出している場合は一定の計算式で算出した所得税額が源泉徴収されますが、そうでない場合には退職金額の20%が一律に源泉徴収され、確定申告により精算することになります。


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無償・低額提供される自社製品の購入

【質問】
某製品のメーカーです。このたび社員への自社製品購入制度を導入しようと思っています。
何か気をつけることがあったらば教えてください。

【回答】
役員や社員への自社製品・商品の販売で、通常の販売価格より著しく低額、あるいは無償で提供したものは、現物給与として源泉徴収が必要となる場合があります。



 ご相談の方のように、メーカーや小売店、不動産会社などで、従業員による自社製品・商品の購入制度を設けているところがあります。

 なかには、経済の停滞にともなう業績不振から、やむを得ず自社製品の購入を一定以上の役職者に奨励する会社もあるようです。
(ずいぶん前ですが、かなり大きな企業がボーナスを自社製品で・・・という話、聞いたことあります)

 このような自社の役員や社員への自社製品・商品の販売で、税務上注意しなければならないのが、通常の販売価格より値引きして提供する場合です。


 社員や役員などに無償あるいは低額で提供された自社製品や商品は、原則として「現物給与」として給与扱いとなり、源泉徴収が必要となる場合があります。

 会社などが通常受け取るべき額と、社員などから実際に受け取った金額との差額が、「経済的利益」、つまり給与額となるのです。


 この「経済的利益」の価額の評価方法は、業種によって異なります。

 製造業者が自家製品を支給する場合は、製造業者販売価額となります。

 卸売業者が取扱商品を支給する場合は、卸売価額。

 小売業者が取扱商品を支給する場合は小売価額となります。


 また、使用者が通常ほかに販売する物品でないものを支給する場合には、その物品の通常売買される価額によります。


 しかし、その製品・商品について、
●値引販売の価額が、使用者の取得価額以上で、しかも、通常ほかに販売する価額のおおむね70%以上である
●値引率が、役員や使用人の全部について一律に、または役員や使用人の地位、勤続年数などに応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差により定められていること
●数量が、一般の消費者が家事のために通常消費すると認められる程度のものである

・・・といった条件を満たした場合は、課税されません。



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新卒者体験雇用奨励金の制度

【ポイント】
就職先が未決定の新規学卒者を、体験雇用(31日間・有期雇用)として受け入れる事業主の方に、新卒者体験雇用奨励金(対象者1人につき月額8万円)を支給する制度ができました。


 厳しい雇用情勢の中、就職先が未決定の新規学卒者を、31日間の有期雇用の体験者として受け入れた時に支給される助成金が新設されました。

 雇用保険の適用事業の事業主が対象で、受給額は1人当たり8万円です。

 この制度は平成22年度限りの時限措置で平成23年3月末までに体験雇用を開始した人が奨励金の対象者となります。

 対象や要件などは次の通りです。
 なかなか新卒者を受け入れる機会のない企業も、これを機会に新卒者の体験雇用をしてみませんか?


■雇用される対象者
 雇用される対象者は、ハローワークに求職登録を行い、就職先が未決定の者で、平成21年10月から平成22年9月末までに卒業した者の内、雇い入れ開始日現在の満年齢が40歳未満のものです。

■受給要件
(1)ハローワークからの紹介により、対象者を雇い入れ、31日間の有期雇用の体験雇用を実施する。
(2)体験雇用に係る職業紹介を受ける以前に、その対象者を雇用する約束をしていないこと。
(3)体験雇用開始日から10日以内に、対象者の同意を得て「体験者雇用実施計画書」を提出する。(中学生・高校生の場合は保護者の同意書も必要)

■手続き
 手続きは、「体験雇用結果報告書兼新卒者体験雇用奨励金支給申請書」を指定された添付書類とともに、体験雇用終了日の翌日から起算して1カ月以内にハローワークへ提出します。


 注意点としては、体験雇用期間中の賃金・労働時間等について、体験雇用の開始にあたり、実施計画書にあらかじめ定める必要があります。

 労働時間は原則、各事業所の通常の労働者の1週間の所定労働時間と同程度(30時間を下回らない)であることです。

 体験雇用を実施する事業所は、労働関係帳簿(出勤簿、賃金台帳、労働者名簿等)を整備・保管していることも必要です。

 また、実施計画書に定める「正規雇用へ移行する為の要件」を対象者が満たした場合、原則、体験終了後には正規雇用扱いに移行しなければいけません。


 詳しくは税理士等にお尋ねください。


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