いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

経費等/社会保険

厚生年金加入期間が足りない時は

【質問】
65歳になったのですが、年金の受給権がない、と言われました。
昔勤めていた企業で厚生年金に加入していましたが、加入期間が短いため、受給資格がないそうです。また国民年金も未加入、未納があったようです。
何とか年金を受給したいのですが・・・。

【回答】
高齢任意加入被保険者になる、脱退手当金を受けるなどの手続きを検討してください。



 ご相談の方のように、昔、厚生年金に加入したものの、年金の受給資格を得るには加入期間が短く、また国民年金にも未加入や未納であった等の方は、65歳になっても年金の受給権が発生しない事があります。

 今となっては後の祭り・・・とあきらめず、以下の方法で受給資格を得ることも検討してみてください!

■高齢任意加入被保険者となる
 厚生年金保険の適用事業所に勤めている人は、原則として70歳に達した日に被保険者の資格を失います。

 ただし、70歳に達しても老齢給付の受給期間を満たしていない人は、受給資格を満たすまで、任意加入する事ができます。

 高齢任意加入は社会保険事務所に資格取得の届出が受理された日に取得となり、老齢基礎年金等の受給権ができるまで、任意加入を続けることができます。
(保険料を滞納し、督促状に指定された日までに納入しない時は資格を失います)

 保険料は事業主負担分を事業所が負担し、給与から徴収するか、本人が本人分と合わせて全額負担するかを話し合いで決め、任意加入時に選択して申込みます。
 本人が全額負担する時は本人宛に請求書が届きます。


■条件をよく確認し、脱退手当金を受ける
 厚生年金の加入期間が短く、国民年金にも未加入や未納が長く、年金受給資格がない方は、昔勤めていた時の厚生年金加入期間の分を部分的に一時金で受け取る事も出来ます。

 ただし、支給条件があります。
 支給要件は
(1)昭和16年4月1日以前に生まれ
(2)被保険者期間が5年以上
(3)被保険者資格を喪失していること
(4)厚生年金保険の受給資格がないこと
です。

 支給額は被保険者期間中の標準報酬月額の平均額に被保険者期間に応じて決められた支給率を掛けた額が支給されます。

 脱退手当金を受けると原則として、その計算のもとになった期間は被保険者でなくなったものとされますのでご注意ください。

 ですから、受給後に過去、他の厚生年金保険に加入していたことを思い出して、合算し忘れた!といったことも、たまにあります。

 厚生年金の加入期間は、よく確認することが大事です。


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「協会けんぽ」「社会保険事務所」を装った詐欺に注意

【質問】
「全国健康保険協会職員」と名乗る人物が訪問し「委任状を取りにきた」と言って、委任状らしき用紙へ署名・捺印を求められました。
役所からそのような訪問があると思わなかったので、とりあえず担当者不在ということでお引取りいただいたのですが・・・


【回答】
全国健康保険協会(通称:協会けんぽ)が、「全国健康保険協会や社会保険事務所職員を装った詐欺にご注意ください 」という注意喚起を促しています。
不審な訪問や電話があった場合は、用途不明の文書への署名・捺印やATMの操作を行ったり、個人情報を教えたりすることはせず、管轄の全国健康保険協会支部へお問い合わせください。



 ご質問の件については、詐欺の可能性が高いと思われます。

 全国健康保険協会では、「全国健康保険協会や社会保険事務所職員を装った詐欺にご注意ください 」という情報を出して注意を喚起しています。

 同協会では、以下のような例が挙げられるとして、具体例を紹介しています。

<不審な訪問>
「全国健康保険協会職員」と名乗る人物が訪問し、「委任状を取りにきた」と言い、委任状らしき用紙へ署名・捺印を求められた例。

<不審な電話>
「全国健康保険協会職員や社会保険事務所職員」と名乗る人物から、以下のように、医療費をATMにて還付する等の話を持ちかけ、ATMへ行くよう指示された例。

→「過去5年間に遡り医療費を返納する」
→「社会保険事務所より5年分の医療費の返還があるので(32,000円)、ATMに行き、指定された0120よりはじまる電話番号にかけて指示に従うように」
→「医療費の還付分が4万円あるが、通知を送っているが未だに申請がなく、時効が成立してしまうため、電話にて手続きをしたい」
→「ご主人の高額療養費の返金(48,000円)がある」

 同協会では「医療費等の還付について、電話でコンビニエンスストアなどのATMの操作をお願いすることはありません」「不審な訪問や電話があった場合は、用途不明の文書への署名・捺印やATMの操作を行ったり、個人情報を教えたりすることはせず、管轄の全国健康保険協会支部へお問い合わせください」と注意を促しています。


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外国勤務時の社会保険料

【質問】
3年間の海外赴任を命じられました。
年金や社会保険については、赴任先と日本の分と、二重に支払わなくてはいけないのでしょうか?

【回答】
社会保障協定を締結している国であれば、派遣期間に応じて一方の国の社会保障制度に加入することが認められる場合があります。一定の条件のもと、他国の年金制度加入期間も、年金加入期間に加算される場合もあります。


 産業や経済の国際化や情報技術の進展に伴い、日本の企業から海外支店へ赴任したり、外国の企業から日本の支店に出向してきたりする人達が増えています。

 海外勤務をする人達は、日本と外国の社会保険制度にそれぞれ加入し、両国の制度の保険料を負担しなければならない事があります。

 又、派遣期間が短い場合、外国の年金加入期間も短く、外国で支払った保険料が掛捨てになってしまう場合もあります。


 このように、日本と外国の社会保険に二重に加入したり、海外で支払った分が掛捨てになってしまう等ということのないよう、日本と外国の間で社会保障協定を締結しています。

 締結国と加入期間の通算規定が結ばれている場合には外国の年金制度の加入期間を考慮して年金が受けられるようにしようというものです。

 通常は社会保障協定の上では、海外派遣された方が一時的(通常5年以内)に海外派遣された場合には派遣先国の制度に加入せず、自国の保険に加入し、派遣期間が5年を超える時は、派遣先国の制度だけに加入することとなっています。

 ただし、社会保障協定の内容は締結国によって異なりますので、一方の国の社会保障制度すべてが加入免除されるわけではありません。


 年金加入期間の通算一方の国の年金制度の加入期間のみでは受給資格が満たされない時に、他国の年金制度の加入期間も通算して、受給資格期間を満たすものです。

 これは、受給期間をみるためのものであり、受給額は各々の加入期間に応じた分が支給されます。


 日本と社会保障協定を結んでいる国は、現在10カ国です。
 そのうち、年金通算規定を締結しているのは、ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オランダ、オーストラリア、チェコとなっています。

 また、イギリスと韓国については、二重加入防止の措置はありますが、年金の通算は現在のところ設けられていません。


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もらった給料が103万円以下なのに社会保険の扶養になれないことがある?!

【質問】
年度の途中で会社を退職したため、もらった給料が年間103万円以下になりました。
今年は夫が配偶者控除を受けることができるし、社会保険も夫の扶養に入れてもらえると思ったのですが、失業給付金と出産手当金をもらったから社会保険は扶養に入れない、といわれました。

社会保険の扶養は年収130万円以下と教えてもらったのですが、なぜ扶養に入れないのですか?
また、配偶者控除も受けることはできないのでしょうか?


【回答】
所得税では、親族で扶養控除や配偶者控除の対象に該当するための所得要件は、合計所得金額(給与収入でいうと103万円以下)で判断されます。
所得の中には失業給付金などは含みませんので、所得税の扶養控除等は受けることができます。
これ対して社会保険の「生計が維持されている」の判断基準は、遺族年金や失業給付金、出産手当金などを含めた年収額が130万円以下であることが求められます。
これらを加算して年収が130万円を超えた場合は扶養から外れてしまいます。


 所得税で扶養控除や配偶者控除を受けるための「扶養親族」の範囲と、社会保険のいわゆる「扶養」になるための被扶養者の条件は異なります。


 まず、所得税において、親族で扶養控除や配偶者控除の対象に該当するための要件は、次の4つです。

(1)納税者と生計を一にしていること
(2)合計所得金額が38万円(給与収入でいえば103万円)以下であること
(3)他の誰かの扶養親族・控除対象配偶者にならないこと
(4)事業専従者でないこと

 ちなみに、所得税法で「同居」が問われるのは、特別障害者や老親扶養の場面だけですので、扶養控除や配偶者控除については同居しているかどうかは問いません。


 一方、社会保険における被扶養者とは、「三親等内の親族」で被保険者の収入により「生計が維持されていること」が被扶養者該当要件です。

 「三親等内の親族」とは、以下のような人のことをいいます。
 所得税の扶養控除・配偶者控除等と違って、続柄により同居要件が必要な場合があります。

(1)同居要件を必要としない
1. 配偶者(内縁を含む)
2. 子・孫・弟妹
3. 父母などの直系尊属

(2)同居要件を必要とする
1. (1)以外の被保険者の三親等内の親族(義父母・兄姉等)
2. 内縁の配偶者の父母および子
3. 内縁の配偶者が亡くなった後におけるその父母および子


 では、次の条件である「生計が維持されている」とはどういうことでしょうか?
 扶養されている=収入が少ないから、という理屈なのかもしれませんが、その少なさの基準を所得税が所得38万円以下としているのに対し、社会保険では所得ではなく、年収130万円未満(60歳以上または障害者は年収180万円未満)としています。

 従って、所得税では所得にならない遺族年金・障害年金・傷病手当金・出産手当金・失業給付金等の非課税所得も、社会保険の年収になります。

 ですから、ご相談の方のように、給与所得が103万円以下であっても、失業給付金や出産手当金を給与所得に加算した金額が130万円を超えた場合は扶養から外れることになります。

 逆に事業所得や不動産所得などでは家計外への現金支出を現実に伴う経費のみは収入から控除してよいものとしています。

 ちなみに、社保の130万円は通達の定めですが、正確には年収が130万円未満でかつ被保険者の年収の2分の1未満との規定されています。


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