いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

売掛金

売掛金の時効は5年ではないの?!

【質問】
飲食店を営む者です。
お客さんからの飲食代のツケを回収したかったのですが、知り合いから「ツケは1年で時効になる」と聞きました。
私は「売掛金の時効は5年」と聞いていたのでのんびり構えていましたが、1年だとするとかなり時間が無く、焦ります。

【回答】
商法の規定では、商売上の債権の時効は5年で成立するとされています。
しかし、民法上は、売上債権の種類により、3年、2年、1年と細かく規定されており、飲食店の飲食代金のツケは1年で時効が成立します。
判例では民法規定が優先されますが、現在、民法改正の議論が進んでおり、最終的にどのような改正になるのか注目が集まっています。



 商売上の債権は、商法第522条により、原則として5年間で時効が完成することになっています。
 商人間でのお金の貸し借りや、家賃、地代、広告費、などは、5年によって時効が完成となります。

 ただし、売掛金については、民法173条の規定により、種類ごとに3年、2年、1年、などと細かく決められており、非常に短期で消滅時効が完成となります。
 現在の判例では、民法173条の規定が、商取引に関する債権の消滅時効の期間を5年とする商法の規定に優先する、とされています。

 民法173条に定める「売掛金の消滅時効」の主なものは、以下のとおりです。

【3年の消滅時効】・・・
・建設業者の工事請負代金
・ホームページ作成代金
・病院の診療代、薬剤費
など

【2年の消滅時効】・・・
・卸売業、小売業などの販売する物品の商品代金
・理髪店の理容代金やクリーニング屋の代金
・学習塾や習い事の月謝
・弁護士の報酬金
など。

【1年の消滅時効】・・・
・運送業者の運送代金、レンタカー代金
・ホテルや旅館の宿泊料
・飲食店の飲食代金(飲み屋のツケなど)
など

 実は現在、民法改正の議論が進められています。
 2月の法制審議会では「民法改正の中間試案」がまとめられ、早ければ2015年の国会に改正案提出となりそうです。

 今回の民法改正では、現行民法173条の規定が撤廃になるかも?という議論もあるようです。
 もし実現すれば、回収できる債権が増加するかもしれませんね。

 ナニゲに今回の改正は1世紀ぶりの大改正、と言われており、特に債権について大幅な改正がなされる予定だそうです。
 但し、まだまだ議論の真っ最中。
 最終的にどのような内容で落ち着くかは未定ですが、ぜひ注目したい改正点ですね。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから

(つぶやき)売掛金の管理

経営者の皆さん!

売掛金の入金管理はどのようにされていますか。


「ちゃんと請求書を出してるから~」

「うちの経理がちゃんと確認しているから~」


時々、このような回答をいただきます。

では「ちゃんと」という管理は、どのような管理方法でしょうか。


ビジネスは物販であれ、サービス提供であれ、
売上代金の入金まで完了して、一つの取引が終わります。


では、今段階の売掛金の残高はどうなっていますか。

具体的に売掛金の内訳は相手先ごとに、どのようになっていますか。


今一度、確認をしてみてくださいね。

売掛金の時効消滅を防ぐには

【質問】
最近の景気悪化の影響を受けて、取引先の売掛金が1年間、支払ってもらえない状況が続いています。
このまま、支払ってもらえないと当社も危ないので、何らかの手を打ちたいのですが・・・
当社は小売業を営んでいます。

【回答】
売掛債権の消滅時効は2年です。まずは書面で時効の中断をしてください。
時効の中断時から新たに2年の消滅時効が進行しますので、その間に解決を図ってください。



 売掛債権について、請求書を出したのに相手が支払わず、時間ばかりが経過すると、気になるのは消滅時効です。

 ご相談の方のような、生産者・卸売又は小売商人の売掛債権の消滅時効は2年です。
 1年が経過、ということでまだ間に合います。
 今日は売掛債権の時効消滅を防ぐ方法をお話いたします。


 こちらの請求に対し、相手がしばらく待って欲しいと言ってきた場合には、まず時効を中断させること。
 そのための証拠として、書面で、自ら負っている債務の内容・金額を確認する一筆を取り付けることが必要です。

 但し、これで今後消滅時効がなくなるわけでなく、中断時から新たに2年の消滅時効が進行します。この間に相手との間で解決を図ってください。


 これで支払ってもらえればよいのですが、やはり支払ってもらえないこともあります。
言を左右に、支払いを延期してきた場合、再び時効を迎えてしまうと手遅れになります。

 消滅時効を中断させるのに最も確実な請求とは、裁判を提起し、勝訴判決を得ることになります。

 請求書を出す、内容証明郵便を出す、6ヶ月のブランクをおかずに、請求をかけ続ける・・・といった方法を考える方もいらっしゃるようですが、これらの方法では消滅時効を止めることはできません。

(ただし、消滅時効の期間内に督促をかけ、そこから6ヶ月以内に裁判を起こせば、仮に裁判を起こした時点で消滅時間を過ぎていても、時効が中断します)


 これまで長いおつきあいのある取引先さんならば、その良心にかけてお支払いいただきたいところですが、なんとも世知辛い世の中ですね。


いずみ会計事務所へのご相談は>>コチラから