いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

復興特別所得税

忘れがち?!復興特別所得税の計算

【ポイント】
年末調整で年税額を計算する際、復興特別所得税を含めた年税額(年調年税額)を計算してください。



サラリーマン等、お勤めをされている方(所得税の源泉徴収義務者)は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間、源泉所得税を徴収する際に復興特別所得税を併せて徴収することとなっています。

そのため、年末調整において年税額を計算する際にも、復興特別所得税を含めた年税額(以下「年調年税額」)を算出する必要があります。

年調年税額は、算出所得税額から(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を控除した後の税額(年調所得税額)に102.1%を乗じて算出(100円未満は切り捨て)します。

実は、復興特別所得税が課税されなかった平成24年以前は、年調所得税額がその方の給与に対する源泉所得税額になっていました。
そのため、平成24年分以前の源泉徴収簿を使っている場合や、平成24年以前の制度に対応した給与ソフト等を使っている場合、102.1%を乗じた年調年税額を計算し忘れるということが意外と起こりがちなようです。

年末調整の際、今一度ご確認下さい!


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復興特別所得税の申告漏れ多数、行政指導へ

【ポイント】
平成25年分確定申告で、復興特別所得税の申告漏れ(記載漏れ)が数多く把握されていることから、国税庁は今年末までに記載漏れだった申告者に対して行政指導を行うこととしました。



 国税庁は、平成25年分確定申告において復興特別所得税の申告漏れ(記載漏れ)が数多く把握されていることから、今年末までに記載漏れだった申告者に対して行政指導を行うこととした、という報道がありました。

 国税当局は、平成25年分の申告が制度導入の初年度となることから、記載漏れ防止に向けて昨年より周知を行ってきました。

 いざ確定申告がはじまってみると、やはり復興特別所得税の記載漏れによる申告誤りが数多く見受けられたようで、2月時点で国税庁のホームページに注意喚起のお知らせが掲載されました。

 最終的に、先の25年分確定申告状況では、手書きによる申告書を中心に記載欄を「空欄」のまま提出していた者が約45.7万人にものぼり、記載漏れ割合は、所得税の全申告書提出人員2143.4万人のうちの2.1%にのぼりました。

 このため国税庁は、記載漏れている申告書を提出した納税者に対して、年末までに通知(行政指導)を行うことを決めました。

 なお、行政指導に基づいて自主的に修正申告書を提出した場合は、過少申告加算税は付加されず本税と延滞税のみとなります。
 ただし、期限後に申告して記載漏れだった場合は原則5%の無申告加算税も付加されることとなります。

 また、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って金額等を入力するだけで税額などが自動的に計算され、計算誤りのない申告書を作成することができます。
 手書きの申告書で記載漏れが心配、という方は一度利用してみてはいかがでしょうか?!


※復興特別所得税とは…
復興特別所得税とは、平成23年12月に施行された復興財源確保法で創設されたもので、平成25年分から49年分までの各年分の基準所得税額(配当控除など所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の所得税額)に2.1%の税率を乗じた額とされ、所得税とともに申告・納付することになっています。


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来年1月からの源泉徴収事務にご注意!-復興特別所得税の取扱い

【質問】
選挙が近くなってふと思い出しました。
震災からの復興のために増税がある、という話が以前あったと思うのですが、その増税ってどうなったんですか?

【回答】
来年1月1日から平成49年12月31日までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。
これに伴い、源泉徴収事務も少し変わってきますので、注意が必要です。



昨年12月、未曾有の震災からの復興の財源確保を目的に、「復興特別所得税」が創設されました。

これにより、平成25年1月から平成49年12月までの間、すべての所得について通常の所得税に加え「復興特別所得税」(所得税額の2.1%)が徴収されることになりました。

この制度の創設に伴い、皆様の給与・賞与の源泉所得税をはじめ、講演料・原稿料・税理士報酬等に係る源泉徴収事務についても今までとは違う取扱いとなりますのでご注意ください。


■給与等に係る復興特別所得税
=基準所得税額に対して2.1%が復興特別所得税となります。


■講演料、原稿料、税理士報酬等に係る復興所得税
=講演料等の場合、これまでは報酬額の10%の所得税を源泉徴収することとなっていました。
復興特別所得税は、基準所得税(この場合、源泉所得税)の2.1%ですから、割合としては10%×2.1%=0.21%が復興所得税となります。

ですから、通常の源泉所得税+復興特別所得税=10%+0.21%=10.21%となります。
残りの部分(100%-10.21%=89.79%)が手取額になる計算です。


講演料等については、手取額から逆算して報酬額を決定されるお客様もいらっしゃるかと存じます。
これまでは主に手取額を0.9で割り算した金額を源泉税込みの報酬額と計算されていたかと思いますが、この計算方法も変わりますのでご注意ください。

【ワンポイント:手取額から額面金額を逆算する場合】
●取引先が消費税の課税事業者でない場合
・・・手取額÷89.79%(0.8979)で計算します。

【例1】手取額10万円の場合、
(請求金額)111,370円(=100,000円÷89.79%)
(源泉所得税)▲11,137円(=111,370円×10%)
(復興特別所得税)▲233円(=11,137円×2.1%)
(差引手取額)100,000円(=111,370円-11,137円-233円)

●取引先が消費税の課税事業者である場合
・・・手取額÷94.79%(0.9479)で消費税抜きの請求金額を計算します。(消費税率5%の場合)

【例2】消費税込み手取額10万円の場合
(消費税抜き請求金額)105,496円(100,000円÷94.79%)・・・(A)
(消費税5%)5,275円(105,496円×5%)
(消費税込み請求金額)110,771円
(源泉所得税)▲10,550円((A)の105,496円×10%)
(復興特別所得税)▲221円(10,550円×2.1%)
(差引手取額)100,000円


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原稿料に対する復興特別所得税額

【質問】
広告代理店を営む者です。来年から復興特別所得税が課税されると聞いております。
当社が広告のコピーライトをお願いしているライターは、原稿料についてまず手取額を決めて、そこから逆算(手取額を0.9で割る)して源泉税込みの原稿料を請求してもらっていました。
来年以降はどのように計算すればよいのでしょうか?


【回答】
復興特別所得税額は基準所得税額の2.1%になります。手取額から逆算すると、「手取額÷0.8979」で計算します。


 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が平成23年12月2日に公布され、平成25年1月1日から施行されます。

 このため、サラリーマンなどの源泉徴収義務者の方は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間の所得について源泉所得税にあわせて「復興特別所得税」も徴収されることとなります。

(1) 課税対象
   平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間の所得
(2) 税額
   復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%
(3) 予定納税
   基準所得税額が15万円以上である者は、復興所得税も合わせて予定納税することとなります。
(4) 源泉徴収税
   源泉徴収義務者は、所得税及び復興所得税を合わせて徴収し、納付しなければならない。
   ※源泉徴収税は平成25年1月1日以降支払を受けるものから徴収されます。


 原稿料等の場合、これまでは報酬額の10%の所得税を源泉徴収することとなっていました。
 復興特別所得税は、基準所得税(この場合、源泉所得税)の2.1%ですから、割合としては10%×2.1%=0.21%が復興所得税となります。

 ですから、通常の源泉所得税+復興特別所得税=10%+0.21%=10.21%となります。
 残りの部分(100%-10.21%=89.79%)が手取額になる計算です。

 手取額から額面金額を逆算する場合は、

手取額÷89.79%(0.8979)で計算します。


 例えば、手取額10万円の場合、

(請求金額)111,370円(=100,000円÷89.79%)
(源泉所得税)▲11,137円(=111,370円×10%)
(復興特別所得税)▲233円(=11,137円×2.1%)
(差引手取額)100,000円(=111,370円-11,137円-233円)

となります。


 ちなみに取引先が課税事業者だった場合は、

手取額÷94.79%(0.9479)で消費税抜きの請求金額を計算します。(消費税5%の場合)

例えば手取額10万円(消費税込み)の場合、次の通りです。(端数はおおむね四捨五入で調整しています)

(消費税抜き請求金額)105,496円(100,000円÷94.79%)
(消費税5%)5,275円(105,496円×5%)
(消費税込み請求金額)110,771円
(源泉所得税)▲10,550円(105,496円×10%)
(復興特別所得税)▲221円(10,550円×2.1%)
(差引手取額)100,000円


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サラリーマンの復興特別所得税額

【質問】
年収500万円(額面)のサラリーマンです。今後、「復興特別所得税」というのが課税されると聞きましたが、いつからどのくらい課税されるのでしょうか?


【回答】
復興特別所得税額は基準所得税額の2.1%になります。平成25年1月1日以降、支払を受ける給与から徴収されます。


 「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」が平成23年12月2日に公布され、平成25年1月1日から施行されます。

 このため、サラリーマンなどの源泉徴収義務者の方は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間の所得について源泉所得税にあわせて「復興特別所得税」も徴収されることとなります。

(1) 課税対象
   平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間の所得
(2) 税額
   復興特別所得税額=基準所得税額×2.1%
(3) 予定納税
   基準所得税額が15万円以上である者は、復興所得税も合わせて予定納税することとなります。
(4) 源泉徴収税
   源泉徴収義務者は、所得税及び復興所得税を合わせて徴収し、納付しなければならない。
   ※源泉徴収税は平成25年1月1日以降支払を受けるものから徴収されます。


 では、ご相談の方のケースを確認してみましょう。サラリーマンの方の所得の計算方法もあわせてご紹介しますね。

(1)給与所得控除後の金額を計算する
500万円(給与の額面金額)─154万円(給与所得控除) =346万円(給与所得控除後の金額:A)

 給与所得控除というのは、とても大雑把に言うと「給与所得者に対する必要経費」のようなものです。
「必要経費」といっても自営業の方のように領収書を集めて集計するのではなく、一定の計算式に当てはめて自動的に金額が決まります。

(2)給与所得控除後の金額から所得控除額をマイナス、課税される金額を計算
346万円(A)─(50万円(社会保険料控除、扶養控除などの合計)+38万円(基礎控除))
=258万円(課税される金額:B)

 所得控除には、年末調整でおなじみの生命保険料控除や扶養控除、配偶者控除などの他、健康保険料などの社会保険料控除、誰でも受けられる基礎控除(38万円)などがあります。
(ご相談の方の場合、社会保険料控除等の金額がわかりませんので概算で計算しています)

 これらの所得控除を給与所得控除後の金額から差し引いて、所得税の課税標準(課税される金額)を求めます。

(3)基準所得税額
258万円(B)×10%(税率)─97,500円(控除額) =160,500円(基準所得税額:C)

 課税される金額に応じて税率や控除額が決まっていますので、計算式に当てはめて計算します。

(4)復興特別所得税額
160,500円(C)×2.1%=3,300円

 基準所得税額の2.1%です。100円未満の端数は切り捨てになります。


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