いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

記帳

軽減税率、導入後の具体的な記帳例-事務用備品の一括購入

【ポイント】
事務用備品などを一括で購入している場合、飲食料品とそれ以外のものについては区分して記帳しなければいけません。



オフィス用品のインターネット通販を利用しているお客様は少なくありません。
ワンストップでオフィスに必要なものが揃うし、わざわざ会社の人が買出しに出かけることなく、オフィスに必要なものが届くところも便利ですよね。

こうした事務用備品購入の場合、一定期間(たとえば1ヶ月)の購入分の請求書が届き、その請求額を支払うことが一般的です。
現在は、「事務用備品(●月分)」などの摘要で記帳している方もいらっしゃるかと思いますが、軽減税率導入後は注意が必要です。

オフィス用品として、たとえば打ち合わせ用のお茶菓子や、オフィス用のコーヒー等の飲食料品を購入している場合、この分については軽減税率の対象となります。
2019年10月からは、現行の記載事項に加え、毎日の売上げ・仕入れ(経費)を税率ごとに区分して帳簿に記載しなければならないため、飲食料品とその他のオフィス用品は分けて記帳することになります。
なお、一定期間分の取引をまとめて記載した請求書等が交付された場合は、その期間分の取引をまとめて帳簿に記載しても問題ありません。
181120記帳方法
(図は、国税庁リーフレット「軽減税率制度への対応には準備が必要です!」(平成30年7月)より拝借しました)

なお、「軽減税率の対象品目である旨」の記載は、「軽減税率の対象となる取引であることが客観的に明らかであるといえる程度のもの」とする必要があります。
たとえば、軽減税率の対象には「※」などのしるしをつけて、「※」などの記号が軽減税率の対象であることを欄外に記載しておく、といった形でもOKです。


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平成26年から事業者全員が記帳対象者に

【質問】
自分の持っている土地を青空駐車場にして貸しています。
それほど広いスペースではないため、年間で収入は60万円程度です。
白色申告をしていますが、今度から白色申告の人も記帳義務が課せられると聞きました。
こんな小さな事業でも記帳しなければいけないのでしょうか?

【回答】
平成26年1月から、事業所得を有する白色申告の方に対する現行の記帳・帳簿等の保存制度が拡大されます。
これにより、事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う方全てが対象となります。



 ご相談の方がおっしゃるとおり、現行の制度では、事業を行っている方や家賃収入のある方でも、白色申告者で前々年分又は前年分の事業所得等の金額が300万円以下であると、現行の記帳・帳簿等の保存制度の対象から外れています。

 しかし、事業所得等を有する白色申告の方に対する現行の記帳・帳簿等の保存制度について、平成26年1月から対象となる方が拡大されることになりました。

 対象となる方は、事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方です。
 所得税の申告の必要がない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象となりますので注意が必要です。

■記帳する内容
 では何を記帳するのか、というと、
「売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等」
を帳簿に記載すること、とされています。

 但し、記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、「簡易な方法」で記載してもよいことになっています。
 「簡易な方法」については、国税庁のホームページに具体例が出ていますのでご参照下さい。

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kojin_jigyo/index.htm#kicho


■帳簿等の保存
 これにあわせて、収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。

 具体的な帳簿・書類の保存期間については、下記のようになっています。

・収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)→7年
・業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)→5年
・決算に関して作成した棚卸表その他の書類→5年
・業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、領収書などの書類→5年

 売上の規模が小さいから等の理由で記帳や帳簿の保存がおろそかになっている人にとっては、かない影響が大きい改正かと思われます。
 そのため、国税庁では「白色申告の方の記帳義務と帳簿等保存義務とは」というPRビデオも作成しています。
 動画は9分程度です。気になる方はこちらも是非ご参照ください!

http://www.nta.go.jp/webtaxtv/201210_e/bb.html


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