いずみ会計事務所の「ためになるブログ」Season2

東京都千代田区二番町(麹町)で開業している「いずみ会計事務所」のブログです。税務・経理や会計の最新動向から、顧問先企業のご紹介まで、女性税理士ならではの視線で綴ります。

青色申告特別控除

3月14日に発生したe-Tax接続障害のため書面提出した55万円の青色申告者の方

【ポイント】
2022年3月14日に起きたe-Taxの接続障害により、3月15日までに55万円の青色申告特別控除を適用する申告書を書面で提出した納税者の方は、一定の記載をしてe-Taxから改めて申告書を提出することにより65万円の青色申告特別控除を適用することができます。

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2022年3月14日に、国税電子申告・納税システム「e-Tax」の接続障害が発生しました。現在は原因が判明し、安定的に運用されているとのことですが、確定申告期限直前のシステム障害に慌てた方が多かったかと思います。

中でも65 万円の青色申告特別控除の適用を受ける予定だった方は、この接続障害を受けて書面提出せざるを得ず、55万円の青色申告特別控除を適用して申告した方もいらっしゃるかと思います。
65万円の青色申告特別控除を受けるには、55 万円の青色申告特別控除の要件を満たした上で、e-Tax による申告又は電子帳簿保存法の承認を受けて電磁的記録による保存を行う必要があるからです。

e-Tax の接続障害により、3月15日までに55万円の青色申告特別控除を適用申告書を書面提出した方は、青色申告特別控除額を 65 万円に変更し、申告書に、「e-Tax の障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載して、e-Tax により提出することにより、65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
この場合、後から提出された申告書が期限内に提出された確定申告書として扱われます。

この方法により延長申請ができる期間は2022年4月15日(金)までとなりますので、提出期限にもご注意ください。

なお、今回の接続障害のために、当該申告書(65 万円の青色申告特別控除を適用する申告書)を書面に印刷して提出した方は、改めて当該申告書を e-Tax で再提出する必要はありません。


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青色申告特別控除、3種類に!これまでどおりの控除を受けたい場合は?

【ポイント】
平成30年度の税制改正で、青色申告特別控除がこれまでの最大65万円または10万円の2種類から、最大65万円・55万円・10万円の3種類になることが盛り込まれました。現在65万円の控除を受けている方で、一定要件を満たさない方については、55万円の控除になるので注意が必要です。


個人事業主の青色申告者には様々な税制上の特典がありますが、その一つが青色申告特別控除です。
一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しく期限内申告している人で不動産所得、事業所得、山林所得のある人が、原則としてその年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出すれば、青色申告者として青色申告特別控除を受けることができます。

これまでは、
・不動産所得又は事業所得のある青色申告者で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高65万円
・それ以外の青色申告者については、不動産所得、事業所得及び山林所得を通じて最高10万円
と、所得の種類や記帳の方法により2種類の青色申告特別控除を受けることができました。

しかし、平成30年度の税制改正で、青色申告特別控除が65万円、55万円、10万円の3種類になることが議論されています。

これまで65万円の控除を受けていた方について、一定の要件を満たさない方は最大55万円の控除となる点がポイント。つまり、一定の要件を満たさなければ青色申告特別控除が10万円減ってしまうことになります。

そうなると、一定の要件を満たしてこれまでどおり65万円の青色申告特別控除を受けたい!と思いますよね?これまでどおり65万円の控除を受けるためには、次の2つの要件のうちいずれか一つを満たしていればOKです。

(1)電磁的記録の備付け及び保存をしている場合
その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより電磁的記録の備付け及び保存を行っていること。
(2)e-Taxにより電子申告をしている場合
その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うこと。

いずれも事前準備に手間がかかりますので、時間の余裕をもって準備をすすめてください。
ちなみに平成32年分以後の所得税及び平成33年度分以後の個人住民税から適用される予定です。

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